人にして遠き慮り無ければ、必ず近き憂い有り
子曰く、人にして遠き慮(おもんばか)り無ければ、必ず近き憂(うれ)い有り
子曰、人而無遠慮、必有近憂
(衛霊公第十五)
孔子先生が言いました。遠い先まで見通して対策を考えておく必要がある。
そうでないとすぐに不安になったり、結果を憂いたりしてします。
どんな時にも先は見据えた上で歩み続けたい。
「遠慮」の語源
この言葉は、「遠慮」の語源とも言われています。
遠い先のことまでを考えるということは、すぐには行動に移らないということであり、そこから態度を控えめにするということから、人に対して言葉や行動を慎み控えることを意味ができました。
育成と勝利欲求
指導者は毎週末、育成と勝利欲求の中で常に揺れ動きます。
少なくとも私はそうです。
どちらかを損失してもその夜は穏やかではありません。
育成年代の指導者である以上、勝利だけを掴みにいき子ども達の成長に繋がらないサッカーを求めることは絶対に違いますし、成長という言葉を逃げ口上にして、負けを気持ちよく受け入れることはできません。
スポーツ・ペアレンティング
『なぜ、子どものスポーツを見ていると力が入るのか』谷口輝世子著によると、子どものスポーツを見ていると保護者は、様々な理由から時にストレスを感じてしまいます。
同著書内にも書かれている
『Whose game is it , anyway?』Amy Baltzell , Richard D. Ginsburg , Stephen Durant 著内にある「子どもが二十一歳になった時に、親としてどのような大人になってほしいか。このような大人になってほしいということに、スポーツはどのように役立つと考えているか?」には、
・生涯にわたる健康
・克己心
・技術を身に付ける
・卓越性
・忍耐・根気
・競争心
・誠実な友人をつくること
・自制心
・自己犠牲の精神
・他者の思いやり
・正直さ
・誠実さ、品位
・勇気
などがあります。
そのどれもが大人になってからとても大切であり、スポーツ・サッカーを通して子ども達に学んでほしいものになっています。
確かな今にする
指導者は長期的・中期的な視野を持って選手達の成長を促し、保護者は子どもがスポーツを楽しみながら成長し、チームワークや困難に立ち向かう力を身につけることに対してサポートしていただきたいと思っています。
選手自身も、指導者も、保護者も、子ども達の未来を見据えた上で正解の見えにくい今を葛藤し、遠慮するべきところは遠慮し、大切なものを皆で大切にして歩んでいきたいものです。