LINER NOTES - 『#SUSHISONGS 2貫』
『#SUSHISONGS 2貫』の無料公開ライナーノーツです!
デジタルリリース▶︎ 4/23(土)0:00スタート!→無事終了しました!すでに聴いていただいたみなさんありがとう!
CD版▶︎ 4/24(日)同人音楽即売会M3「N-13a」にて頒布!
今回も、フィーチャリングしてくれたぼっちぼろまるさんからのコメント、ゆりいかさんによる素敵な解説、すめしい自身によるセルフライナーノーツと大ボリュームでお送りします。ぜひ楽曲とともにお楽しみください!
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▼COMMENT by ぼっちぼろまる
こんにちは!!
「SUSHIでKISS★」にてフィーチャリング参加させていただきました、ぼっちぼろまると申します!
僕は基本その名に恥じぬ"ぼっち"なので、人にお誘いいただくことも少ないのですが。誘ってくれて嬉しいです!!お寿司さん、LOVE…
そう、今回の「SUSHIでKISS★」は超LOVEな1曲です。
かねてより、お寿司さんのことはめちゃくちゃグッドミュージックを作る人だなと思っていて。
友達でもない時からちょっと気になるアイツだったのです。
画風?もなんか似てるし…
それがある日、ひょんなことから友達になり…やっぱり作曲家なので話も合って。
一緒の時間を過ごすうちにどんどん惹かれていって…
そして数年の時を経て、めでたくゴールイン。
プロポーズソングとしてお寿司さんが送ってくれたのがこの曲になります。
だから実体験なエピソードもふんだんに盛り込まれてます(笑)
…そんな妄想をもとに頑張って歌いました!!
めちゃくちゃいい曲に仕上がってるので楽しんでくださ~~~い!!!
▼解説『#SUSHISONGS 2貫』ライナーノーツ by ゆりいか
おいしいものが食べたい。舌にのせるだけで、つまらない日常が吹っ飛んでしまうような。だけど、お財布に優しくて、背伸びをせずとも毎日味わえるような……。
そうやって、人は必ず回転寿司屋にたどりつく。とめどなく回るお皿を前にして得も言われぬ幸福を感じる。そして一皿100円から得られる満足が、自分が本当に求めていたものだと気づくのである。
バーチャルお寿司のつくる曲は、それと全く同じだ。気がつくと疲弊しきった週末の夜の耳元にはお寿司の曲が流れている。そこから得られる多幸感は、ライトでありながらも欠かせないものである。くりかえし曲を聴いていくうちに、こんな日々もそんなにつまらないことばかりじゃないと思えてくる。
バーチャルお寿司は2019年頃から活動を開始した音楽系VTuberである。YouTubeにはオリジナル曲を次々と発表し、ヒップホップユニットBOOGEY VOXXやバーチャルシンガーのAZKiなどに楽曲提供も行っている。その曲の多くは寿司がテーマになっており、これまで「いつか回らない寿司屋で」や「回転寿司屋のランデヴー」といった曲が注目されてきた。
以前、自分のWEBサイトで、バーチャルお寿司の曲について書いたことがあった。そのときには、(「いつか回らない寿司屋で」の歌詞から)「『今は叶っていない夢』と『幸福な日常』、その2つのどちらにも目を向けさせる力がある」といったことを語った。これからの夢を叶わないものと切り捨てるのでもなく、これまでの日常を馬鹿にするのでもない、そんなバランス感覚で書かれた歌詞が、自分の気持ちにとっても寄り添うものだったのだ。その感想は今でも全く変わっていない。
また、バーチャルお寿司の曲はバラエティに富んだところも魅力のひとつだ。ロック、ポップス、ブルースなど、さまざまな曲調の音楽が「寿司」と組み合わさって、文字通りの意味で色々な味がする。「今日はこの曲にしよう」「散歩中はこれを聞こう」と、自分の気分に合わせられるところは、寿司屋と同じ。視聴者はどれから手を付けてもいい。寿司に順番などない。気がついたらあらゆるネタが胃の中に入って、満足しているはずだ。こうした部分にも、バーチャルお寿司の持つ絶妙なバランス感覚が関わっていると思う。
今回発表された「#SUSHISONGS 2貫」は、そんなバラエティさが特に強調されたアルバムだ。春の定番ソングを思わせる雰囲気の「さくらでんぶ」やイワシへの愛をしっとりと歌い上げる「イワシmy love」、実際に訪れていないのに郷愁を感じさせる「カリフォルニア・ロール」などは、初見にフフッと笑みをこぼさせるものでありながら、何故か次第にしみじみと聴き入ってしまう。
一方で「寿司チョコ」や「スシトッツォ・マリトッツォ」「無限ヘイラッシャイ」「鮭orサーモン?」など、非常に短くも頭から離れないようなインパクトを残す曲もあり、気軽につまめるという点で愛おしくなる。MVも楽しめる楽曲だ。
特に印象に残った曲は「すしパフェ」だった。育ってきた環境の違う恋人2人、好みの違いを分かり合えると思っていた「僕」と、そうではなかった「彼女」。そのすれ違う様が「すしパフェ」の食べ方に現れてしまうという歌詞である。もちろん「君は甘いところだけ食べて すしの部分を僕にくれたね」という歌詞におかしみを感じて笑うのも悪くはない。悪くはないのだけど、そこに込められた「好きな人と同じものを共有できない切なさ」は見過ごせない。「すしパフェたべて、たべて仲直りしよう」は、「これからの2人」という可能性にかける祈りの言葉となっている。
それとは対象的に明るい曲調の「SUSHIでKISS★ feat.ぼっちぼろまる」は(意識せずに聴いているうちは)順調な2人を描いたラブソングのような印象だ。しかし、その歌詞に耳を傾ければ「楽しいことばっかなのに 夜になるとなんでこんな 不安になっちゃうんだろう」「じゃあねって言わないで 寂しさが倍になる気がするから 君と離れた瞬間にもう どうしようもなく会いたい」と、相手のことを一方的に思う気持ちが切なく歌われている。たとえ今の関係が順調だったとしても、2人の間には(現実的にも精神的にも)距離があり、それ故に「真夜中1人もだえて」しまうという、思うようにいかない現実の恋愛のもどかしさが込められている。なんとも切ない。ぼっちぼろまるの相手に本気で呼びかけているような歌い方もあいまって、より切実さが伝わってくる。
こうして書いていくと、バーチャルお寿司の曲は、味わう側のことをしっかり考えて作られていることに気づく。ひとつのネタで飽きさせず、さまざまなアプローチでこちらを楽しませようとしてくれる(「まるで回転寿司のように」と言うのは蛇足だ)。そのために、音楽に対しての確かな知識と技術を積み重ねていて、それぞれのネタのさばき方を適切に心得ている。実際、YouTubeで定期的に行われている音楽をテーマとした配信を見れば、彼がいかに地道な研究家であるかがよく分かるはずだ(「ビートルズVSストーンズ 好きな曲語り3本勝負!!」や「CHAGE & ASKA」の解説切り抜き動画3部作などをおすすめする)。
たしかな基礎に裏打ちされた音楽と、日々の幸せを祈るように紡がれる歌詞、それが大げさでなくスッとだされるところに、バーチャルお寿司の魅力がある。まずは、このバーチャルな寿司屋の暖簾をくぐってみてはどうだろうか? そこには自分が求めていた大切な一貫がきちんと用意されているはずだから。
▼セルフライナーノーツ「連作」
『#SUSHISONGS 2貫』は、2022年1月にリリースした『#SUSHISONGS 1貫』の続編、というか連作のようなかたちの作品になります。今回は短めの楽曲などふくめた全9曲の作品になりました。overtureとして「無限ヘイラッシャイ」、ぼっちぼろまるさんをお呼びしてデュエットしたポップソング「SUSHIでKISS★」から、ピアノ弾き語りの「さくらでんぶ」、オールドアメリカフォークロックな「カリフォルニア・ロール」など、歌詞も音楽も振れ幅の大きい作品になりました。
今回の作品を"アルバム"と呼んで良いのか少し迷います。一般的に1,2曲はシングル、5,6曲はEPやミニアルバム、8〜10曲以上はアルバム、と呼ばれることが多い印象なので、9曲入ったこの作品はアルバムと呼ばれる作品なのかもしれません。ですが、僕は古い音楽ファンでもあるので、アルバムというと、なんとなく作品としてのまとまりがあって(決してコンセプチュアルである必要はない)、それ一つを並べて聴いた時に何かしら単曲で聴いただけでは得られないものが得られる、というものを想像します。先にも述べたようにこの作品は前作からの連作になっていて、もっと言えば前作よりも前にリリースした #SUSHISONGS 全てが繋がって作っているような感覚で僕自身は作っているので、そういう意味で、今作が今作単体でいわゆる"アルバム"として呼んでよいものかどうか悩んでいる、という感じなのです。
長々と書いてきましたが、それはリスナーの方々にとってはどうでもよいことかもしれません。つまり、もし今回の作品を聴いて1曲でもいいな、と思う曲があったら、ぜひ前作『#SUSHISONGS 1貫』や、他の寿司ソングも聴いてみてください!お寿司をテーマにした「連作」を楽しんでもらえたらと思います。
1.無限ヘイラッシャイ -overture-
overtureって好きです。昔ももクロのライブに行ったときに、ライブ頭にかかるとそれだけでめちゃめちゃテンションが上がりました。今回はそんなつもりでこの曲を作りました。"ヘイラッシャイ"という言葉も、まさに入店のときの言葉なのでぴったりくるなと思いました。
2.SUSHIでKISS★ feat.ぼっちぼろまる
年末、ふいに「ぼろまるさんとデュエットがしたい!!」と思いつきお誘いしたところ、快く引き受けてくださいました。ふたりでやるなら、お互いあまりやらなそうな、ベタベタでストレートなゴリゴリ恋愛の歌っていうのも面白いかも、と思いこの曲を作りました。ボーカルのデータをいただいたときにAメロの入りの声がかわいすぎてニヤニヤしながらミックスしました。イラストで合法的にほっぺをくっつけられたので、それだけで大満足のすめしいでした。
3.すしパフェ
「寿司チョコ」「スシトッツォ・マリトッツォ」と続いて投稿した、寿司スイーツシリーズ3部作の完結曲です。といっても最初から3部作にしようなどと思っていたわけではまったくなく、作っていくうちに気づいたらスイーツだった、というだけでした。一度すしパフェを実際に作ってみようかと設計図を書いたのですが、(動画のサムネになっています)あまりにも不味そうだったのでやめました。
4.スシトッツォ・マリトッツォ
後々調べたのですが、スシトッツォというのはライスバーガーみたいに、パンの部分をご飯にして海苔で覆い、クリームの部分にネギトロを詰め込んだものがマリトッツォが流行ったときに作られているようでした。見た目も可愛くてそれは普通に美味しそうでした。
5.寿司チョコ
これも、一度実際に作ってみようかと思ったのですが、不味そうなのでやめました。チョコの部分を、明治の板チョコにするか、ダースにするか、はたまた紗々、なんていうのも面白いな、と思いながら曲を作りました。が、やはりどれも不味そうです。
6.さくらでんぶ
春の寿司ソングをつくるというときに思いついたのがこのさくらでんぶでした。歌詞で歌われているさくらでんぶを残したエピソードは実際僕が子供(幼稚園??)の頃のエピソードです。ピアノ弾き語りで合唱曲とか森山直○郎さんっぽいけど、メロの譜割は絶妙に合唱曲にしないようにしたのが地味なこだわりポイントです。
7.イワシMy Love
イワシには、マイワシ・カタクチイワシ・ウルメイワシという種類があるらしいです。ちなみに、みなさんもよく食べるであろう「しらす」はいろんな魚の稚魚が混じっているのですが、大部分はカタクチイワシだそうですよ?以上です。
8.カリフォルニア・ロール
アメリカ行ったことないんです。カリフォルニアに行ってみたいなーーと思っていたら、ふとアメリカンカントリーフォークロックな曲調で、カリフォルニアロールの曲が作れるのでは!?と思い立ち、ほぼ1日で動画まで仕上げました。曲の中にでてくるのはカフィロルニアにある地名だったり縁の人だったりします。アメリカのバスケリーグNBAが好きなすめしいはどうしても、ロサンゼルスレイカーズで活躍する名選手レブロンジェームズの名前を入れたくて、ねじ込みました。ちなみに、BTSの名曲Dynamyteにもレブロンの名前が登場するのでそこからインスパイヤーされていたりします。
9.鮭orサーモン?
YouTubeに動画が上がっていない、音源限定の曲になります。鮭とサーモンの違いを調べたのですが、いまいちわからなかったので、そのまま歌にしました。ただ、「寿司ルーティーン!」からも分かる通り、寿司ネタとしてはサーモンはダントツ一番人気な印象ですね。すめしいはとろサーモンが好きです!
『#SUSHISONGS 2貫』はいかがでしたか??この連作はまだまだ続きます。(頭の中に曲にしたいアイデアがまだいくつもあります)。すめしいのYouTubeチャンネルで逐一投稿するのと、ある程度まとまったら今回の様にデジタルリリースするので、ぜひチャンネル登録・サブスクをチェックしていてくださいね!ではでは。
▼CREDIT
『#SUSHISONGS 2貫』
1.無限ヘイラッシャイ -overture-
2.SUSHIでKISS★ feat.ぼっちぼろまる
3.すしパフェ
4.スシトッツォ・マリトッツォ
5.寿司チョコ
6.さくらでんぶ
7.イワシMy Love
8.カリフォルニア・ロール
9.鮭orサーモン?
All Songs Written & Arranged by
sumeshiii a.k.a.バーチャルお寿司
Artwork Photo by
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Produced by
sumeshiii a.k.a.バーチャルお寿司
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