噓日記 2/2 職場の隠語辞典
今日は二月二日、ニャンニャンの日だ。
ニャンニャンするなんて言い方で性行為を表すジジイは最近減ってきた。
絶滅したのかもしれない。
淘汰は毎日知らぬ間に起こっている。
さて、そんなニャンニャンに代表する隠語という文化。
ニャンニャンは淫語の文化かも、なんて無粋なことは言わない。
スーパーでは店内放送にて隠語でやりとりしてスタッフ間でだけ伝わるようなコミュニケーションをしている、なんて話はよく聞くだろう。
客に聞かれたらまずいこと、例えばトイレに行きたいだとか、万引き常習犯が来たとか、クレーマーが来てるぞ、なんかの直では言えないが共有しないとまずいことに隠語を用いたコミュニケーションが行われる。
うちの職場にもそんな隠語を用いたコミュニケーションがある。
「バトルシップにペールエール、チンカチンカのリトルガーデン」
こんな言葉でやり取りする。
初見だと意味が分からないだろう。
これが意味する言葉とは以下の通り。
「膀胱に小便パンパンなんでちょっくらトイレ」
意味が書いてあっても意味分かんないよね。
理解を拒みたくなるよね。
でも実は少しずつ言葉を区切ると意味が分かってくるように出来ている。
バトルシップ、つまり膀胱は小便を司る部分なので、尿意から尊厳を守る我慢という戦い・小便という水分から海を連想。
それらを複合した結果、バトルシップに行き着く。
意味分かんないよね。
ペールエール、つまり小便。
これはなんか色が似てるからペールエール。
全国のブルワリーに殺されるだろう。
チンカチンカ、つまりパンパン。
これは音が好きだから言い換えただけ。
なぎら健壱に殺されるだろう。
リトル、つまりちょっくら。
これはもう直訳。
ここがこの隠語に含まれる学の部分。
あとは余韻みたいなもの。
そしてガーデン、つまりトイレ。
これはうちの会社にはトイレが存在しないので課長が勝手にやってる屋上菜園に小便してきますの意。
庭のことをトイレと呼ぶ会社。
庭でもないしね。
こんな隠語どこで使うんだって話なんだが、常日頃から皆使ってる。
皆、これを使いたいがあまり小便をギリギリまで我慢して、バトルシップにチンカチンカの状態まで溜めてる。
だから週一くらいで誰かが漏らしてる。
でもうちの会社全員の偏差値を合計して43しかないので誰も怒らないし、むしろ笑う。
ちなみに小便を漏らすことを「蛆」って呼んでる。
蛆と書いて「そ」。
これに関しては語源も分からない。
皆の偏差値43の力を持ってしても答えが分からない。
怖い。
どりゃあ!