噓日記 7/5 陰謀論:塩パンから取り出すクロワッサン
俺は塩パンが好きだ。
あのバターと塩気のハーモニーがなんとも言えぬ素朴さで俺を天国へと誘ってくれる。
適当なスーパーに立ち寄っては、併設のベーカリーで塩パンを買い、グルメぶって食べ比べるくらいしかもう人生で楽しいことがない。
あと新色のリップを試すことくらい。
しかし、毎度のことなのだが食べる度に思うことがある。
塩パン、空洞すぎないか?
買ってきた塩パンを手で半分に割ると、驚くくらいに空洞。
そこにまあまあなサイズのクロワッサンを仕込めるくらいに空洞なのだ。
むしろ、クロワッサンを取り出した残滓を塩パンと呼称して俺たちに売りつけているのではないかという疑念さえ湧き始めている。
クロワッサンの外殻をうめぇうめぇと褒め称えながら食べている可能性の方が高いのかもしれない。
ってことは俺は今までベーカリーに騙されていたってこと?
いつもニコニコしながら俺に塩パンを売りつけてくる近所のスーパーの松村ちゃん(24歳、独身、彼氏募集中、笑った時に目がめっちゃ細くなるのすこ、巨乳、ベーカリーの制服が似合う、意外と力強い、キスから始まる恋もある、LINEのアイコンは実家の犬、たまにチラッと見えるネックレス可愛い、多分俺のことが好き、色白でモチっとしてる、子ども好き、急いでる時スキップみたいに走る、妹がいる、妹も可愛い、妹からねぇねと呼ばれている、姪っ子のことを可愛がっている、姪っ子の入学にランドセルを買ってあげたいと思っている、そんな姪っ子の選ぶランドセルの色はラベンダーカラー、てもみんに月一回通う、スーパーで一番買うものはジャスミンティー、たまにヴィレヴァンに入ってみるけど何も要らんなと思ってすぐ出る、好きなコンビニはファミリーマート、好きな刃牙のキャラは寂海王、自転車に乗るのが下手、車の運転はまだ練習中? 、正月はおせちよりもラーメンとか食べたいタイプ、二軒目行く? と声をかけたら腰に手を回して付いてきてくれるタイプ、エロい、ボディタッチ多め、好きになっちゃう、好き、首筋に星型のあざがある、大きくなったらお父さんと結婚するっていうタイプの娘を産んでくれる、家の中ではちょっと強気だけど外じゃ意外と淑やか、家だとホットパンツ履いてくれる、履いてくれるはキショいか、松村ちゃんがキショがると嫌だから言い直すとホットパンツを履く、北欧の神々がいる地キショガルト、以上全て俺の妄想)も俺のことを馬鹿にしてたってことか?
ちょっと横になるわ。