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噓日記 9/19 イマジナリー彼女

スマートフォンでネットを見ればパーソナライズされたマッチングアプリの広告ばかり、それに疲れてnoteを開けば何故か勧められるデートのハウツー記事。
筒抜けだ。
全部全部巨大な資本に俺の孤独が筒抜けになっている。
正直マッチングアプリをやれと親族一同から脅しのように言われているし、noteもファッションとモテ関連の記事ばかり読んでしまうから仕方がないといえば仕方がないのかもしれない。
だが、こういった事前知識を持ち合わせていなければ、インターネットでたまに現れる思考を盗聴されていると思っている方々と俺はそう変わらないだろう。
そんな俺が隠せない孤独と向き合う方法がある。
イマジナリー彼女だ。
どうか笑ってくれ。
笑うな。
人のイマジナリー彼女を笑うな。
先祖への詫びはもう入れてある。
この前の盆に全ての墓に頭を垂れてきた。
ここから先、進むも戻るも地獄なら進むしかないのが男の道なのだ。
俺は進んで地獄に落ちたと地獄で待ってる先祖たちに胸を張って伝える所存。
余談だが俺の先祖は皆地獄に落ちているし、墓は全て山の中に違法に建てられている。
ということでイマジナリー彼女を土日に連れ回す。
先日は彼女と一緒にアウトレットまで出かけた。
女性ものの服屋に入り、少し気恥ずかしそうに入り口あたりの小物を眺め彼女を待つ彼氏となる。
俺はこの動きを"修羅となる"と呼んでいる。
修羅となった俺は何も買わずに店を出る。
その時は彼女と手を繋ぎながら出る。
指同士を絡みつかせるように、それはそれは淫靡に手を繋ぐ。
大丈夫、どうせ地獄に落ちる。
人間、地獄に落ちることが確定しているなら何も怖いことなどないのだ。
下着屋にも入る。
女性下着だけの店だとちゃんとヤバいので、男女で一応コーナーが分かれている店に入る。
地獄に落ちる手前、ここが人間と餓鬼の別れ目でもある。
男性用下着を手に取りながら、これどう? とかこれ可愛いね、とか一人で小さく口の中で呟く。
それでその中で一番女ウケが良さそうなパンツを買って帰る。
パンツなんて何枚あってもいいから。
その理論で俺は一ヶ月は毎日パンツをローテーションできる。
SDGsの対極にいるのが俺だ。
持続可能な社会、なんて言ってるが彼女がいないのだ。
ここが末代かもしれない、そう考えるとSDGsも俺には少し優しくしてくれてもいいだろう。
持続可能なのは俺の寿命の残りだけ。
と言った感じで俺は彼女との生活で孤独から目を逸らしている。
どうしたらいいんでしょうか。

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バチャゴブ
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