【今日のコラム Log.38】シン・チコクゲリヲン(仮称)【巴澪】
文:巴澪
唐突だが、読者諸兄は「ヤマアラシのジレンマ」という言葉をご存じだろうか?「ヤマアラシの場合、相手に自分の温もりを伝えたいと思っても、身を寄せれば寄せるほど体中のトゲでお互いをキズつけてしまう。」というもの。と、『エヴァンゲリヲン』で、リツコさんが言ってた。
これは、心の壁をつくり、周囲の人とうまく距離を縮められない「主人公・シンジ」の葛藤を表現するために用いられたもので、難儀な課題として作中でも扱われていた。
さて、なぜこんな話をしたのか?決して「シン・エヴァンゲリヲン」流行に乗りたいから(だけ)ではない。自分が今、「ヤマアラシのジレンマ」のような難儀な葛藤に苛まれているからだ。
説明のために少しだけ自己紹介をさせていただきたい。僕は「巴澪(ともえみお)」という名前のVTuberで、YouTubeを中心に「歌動画」や「やる気のある動画」と「やる気のない動画」を投稿している。そして、今回から「遅刻・怠惰」をテーマに記事を投稿させてもらう。繰り返させていただこう。「『遅刻・怠惰』をテーマに」だ。
これが本当に難儀なのだ。「遅刻・怠惰」で記事を書くことが、ではない。自慢じゃないが、「遅刻」の数は数知れず、毎日を「怠惰」に過ごす僕にとって話題には事欠かない。難儀なのはそこじゃあない。
「遅刻」をテーマに書いていくのに、原稿の締め切りに「遅刻」しないでいいものだろうか?
いや、まってくれ。ふざけているわけじゃないんだ。大真面目なんだよ?ほんとに大真面目に迷ってんのよ!?
もしかしたら、読者諸兄には「何言ってんだ?」と呆れられているかもしれない。わかっている。僕もいい大人なんだ。今後も関係が続くかもしれない相手に(そうじゃない相手に対してもだけど)、「遅刻」という選択肢を選んではいけないということは分かっている。でも…
でも、いま「遅刻」したならめっちゃ「おいしい」じゃん!!!
この「おいしい」というのは、我々のように活動している人にとっては麻薬のようなもので、ついつい選びたくなってしまう。言ってみれば、箔が付くわけだよ。すごいよ!ミサトさんっ!!
しかし!「遅刻」というのは最低な人間がすることだ…。きっと遅刻したら担当さんに「『遅刻』するな。『遅刻』するなら、帰れ」って怒られるだろうな。でも遅刻したらおいしいし…。なんて思考がぐるぐる、ぐるぐる、とまわっていく。この葛藤は「VTuberのジレンマ」…。いや、しらんけど…。
なんてことを考えうんうんと唸っていたわけだ。が、しかし。まあ、僕もいい大人だ、締め切りを守り、「遅刻」しないことを胸に誓い、この文の結びとしたい。
いい大人が「遅刻」なんてするわけないだろう!
(追記.この文章が提出されたのは締め切りの2日後でした。)
あなたはおいしいコーヒーを飲んでもいいし、たのしい歌を聴いてもいいし、わたしをサポートしてもいい。