【今日のコラム Log.31】お年頃vs先生【朝倉マキ】
文:朝倉マキ
初めまして!
後祭(こうさい)学園という私立中高一貫校にて数学教師をしております、朝倉マキと申します。
さて、私はアルバイトの頃を含めると、既に片手では足りない年数を先生と呼ばれ続けてきました。その中でもちょっと変わった生徒との絡みをお話したいと思います。
皆さん、中1の男の子に耳元で喘がれたことあります? しかも両側から。二人の男子に。私はあります。自慢じゃないです。
アルバイトしていた塾は個別指導。みんなで同じホワイトボードを前に座り、生徒2人を両側に、私は真ん中で生徒を見ます。
春、両側にいる生徒は中1に上がったばかりの仲良し男子二人組でした。左の子を左くん、右の子を右くんとしましょう。いつも授業の前に、今日あった面白いことを私に教えてくれたのですが、その日はなんだか様子がおかしく……二人ともニコニコ、いや、ニヤニヤしていました。どうしたの、と聞いても「いやぁ〜これは話せないなぁ〜」等と意味有りげ。珍しいこともあるもんだと思いながらも授業に入ります。
一通りの解説を終えて、二人に問題を解かせていると、左くんがボソッと声を上げました。
左「あぁ〜ん」
右「っちょ、やめろよww」
すべてを察する私。
ん〜〜〜〜そっか〜〜〜それは話せないよねぇ〜〜〜!!
中1、お年頃ですね。でも授業中だからやめようね。右くんがツッコミを入れてくれるのが楽しいのか、左くんの暴走が止まりません。
あまりのくだらなさに頭を抱えようとしたら、ついペンを落としてしまいました。左側に。私がペンを拾おうと屈んだのと、左くんの“声”が、偶然、タイミングピッタリに噛み合いました。
左「あはぁ〜ん」
私「うわっ、耳元で変な声出すのやめて!」
これが悲劇の始まりだった。
何故お年頃の男子は、人が反応を示してくれたと知ったらその行為を繰り返すのか!!
問題を解く合間合間で、左くんが、わざわざ私の耳元で声を出すようになりました。やめてくれ、吐息を混ぜるんじゃない。
私「左くんいい加減にしなさい、右くん…」
右「あはぁ〜ん」
お 前 も か 。
笑うな左、これは笑い事ではない。私にそんな趣味はない、リアル少年ASMRは私に需要はない。
左「あぁ〜ん」
右「うふぅ〜ん」
地獄か?
頼む、無理、恥ずかしい。無理。何故私がこんな目にあってる!?
左「あ、先生逃げた!」
ああ逃げるとも。耐えられるかこんなの。
数分後
右「あ、せんせー戻ってきた!」
左「(戦闘準備を始める)」
私「二人とも宿題増やしてやる……」
左右「!?」
何度も言いますが、これは自慢ではありません。当日中1だった彼らは今、高2でしょうか。思い出して悶絶してください。絶対に許さないからね!
以上です。
あなたはおいしいコーヒーを飲んでもいいし、たのしい歌を聴いてもいいし、わたしをサポートしてもいい。