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ヴァージンVS過去・現在・未来12~デモテープ録音と川崎さん~

ヴァージンVS過去・現在・未来 12 (訂正版)

「デモテープ録音」
1980年夏、Xバンドと称していたヴァージンVSが「スカイキッズレビュー」のツアーから戻り、しばらくして、ジャパンレコードの三浦光紀さんの肝いりでデモテープを録音することになりました。
池袋のスタジオに集合しましたが、楽器はミキサーの川崎克己さんに運んで頂きました。おまけにレコーディングのミキサーまでお願いです。まさに川崎さんにオンブにダッコ状態です。
このスタジオは確か松本隆さんのご兄弟がオーナーだったかと。

この時のメンバーは、「スカイキッズレビュー」時のメンバーですので、キーボードにはまだメリーさんは参加しておらず(最近のメリーさんからの情報ではすでに6月の渋谷ジャンジャンから参加されていたとのことですが、売れっ子だったので、このときはいなかったのか?)、張紅陽さん1人でした。ベースはカントリーバンドでプレイしていた相田さんという方にお願いしておりました。またこの時期のコーラスにはリッツさんはまだ参加しておらず、ヒカルさん1人だったのか、あるいはテックさんという方が参加していたのかハッキリ覚えていません、ごめんなさい。

※ここで訂正です・・・                                        【メリーさんからのご注意あり!!】                     売れっ子メリーさんは、このデモテープ録音に参加されていました。                                     朝方終わってすぐに飛行機で金沢の現場へ移動。                                         おまけに時期は6月とのこと、という事は「スカイキッズレビュー」の前にデモテープは録音していたのですね。あちゃ!                               私の記憶もいい加減なもんやなぁ、41年前の事なので乞うご容赦。                                              

とにかくデモテープ録音だということで全員大張り切りで臨んだわけですが、何をどんなふうに録音したのか定かではありません。
レパートリーほとんどを一発録りで全部録音したような印象です。
たしか「夢のラジオシティ」はTDでラジオヴォイスみたいにしたような覚えが・・・。

で、一晩かけてデモテープを録音し、もうろうとしながら朝方、楽器を三軒茶屋のあがた邸へ運び入れました。
もちろん運転はミキサーの川崎さんです。
川崎さんには録音もしてもらっているので、純粋に一睡もされていませんが、超元気で、楽器を返却し終わると、朝ご飯を食べに行こうと提案されました。
私はご飯食べるより早く寝たいというのが本音でしたが、ここで1人帰るわけには行きません。
人間社会は付き合いが大切です。

当時、森魚ちゃんが住んでいた三軒茶屋近くに確か「ほーちゃん」という立ち食いソバ屋さんがありました。今のようにファミレスとかが充分に発達していない頃の事です。
ここでそれぞれ、好みのお蕎麦を注文したわけですが、川崎さんは「もり蕎麦」を注文され、生卵を追加されました。
「もり蕎麦+生卵」??、うずら卵ならわかるが、ちょっと??がつく取り合わせです。
川崎さんはこの生卵をもり蕎麦のつけ汁の中に割り入れました、そして「ほーちゃん」の店主に、
「この食べ方、邪道じゃないよね、邪道じゃないよね?」
と質問しました。
店主は、「ああ」とか「う~ん」とか適当な返事。
どんな食べ方でも、ど~でもいいから、好きなように食えば、という感じです。
でも川崎さんは、再度、
「これ、邪道じゃないよね、邪道じゃないよね?」
と念を押しつつ、つけ汁の中の生卵をかき回して、もり蕎麦を食べ始めました。

この一連のやり取りを見て私は、
「あ~、川崎さんは自分が邪道を行おうとすることが許せないんだ、正しい行いが好きな人なんだ!」
と思いました。
しかし、川崎さんの、ある種過激なミキシングと、過激な運転ルート選択(なんでこんなとこ通って、あそこに行くの?!)ということと「邪道は許さない!」ということとの「整合性」が、40年たった今でもわかりません。
そう考えると、川崎さんもVSの1人だったんだ!
つまり相反するものを十字に組むという事を自らの身体を使って体現されていた方の一人だったのですね。
この原稿を書いていて、今やっと理解できたぞ!!

川崎さんはフリージャズや、その後フラメンコのミキシングをされていました。
川崎さんお世話になりました、瞑目合掌。

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