『ラストナイト・イン・ソーホー』感想
エドガー・ライト監督の『ラストナイト・イン・ソーホー』を観た。
レビューしたいけど、そこまで知識がないので浅い感想程度で(笑)
本作は割と期待値が高かった作品だけど、女性の描き方では批判も多かったように感じた。
あらすじ
ファッションデザインに情熱を持ち、奇妙な第六感を持つ若い女性エロイーズは、不思議なことに、憧れの歌手サンディの体で1966年のロンドンにタイムスリップしてしまう。サンディの体の中で、その時代を体験するが、その後、1960年代のロンドンが見た目とは違うことに気付き始め、過去と現在がバラバラになり、怪しく恐ろしい結果を招いてしまう (Wikipediaより引用)
エロイーズを演じるのは、ニュージーランド出身の若手女優であるトーマシン・マッケンジーちゃん。見た目が「いい子」って感じでピッタリ。
『ジョジョ・ラビット』で日本でも知名度が上がったような気がする。
ニュージーランド繋がりなのか、ジェーン・カンピオンの『パワー・オブ・ザ・ドッグ』にも出演してた。
可愛いと思うけど、子供っぽさがありすぎて個人的にはそこまでどストライクな女優さんではないかな。
サンディを演じるのはアニャ・テイラー=ジョイ。いま人気急上昇中だよね。ちなみに彼女の出演作は『ウィッチ 魔女』しか観てない。出演作は『ウィッチ』『スプリット』『ミスター・ガラス』『クイーンズ・ギャンビット』とか。
可愛くて好みのタイプだわ。
感想 (※ネタバレあり)
サンディはこのクズ彼氏に騙されて酷い環境で働かなければならなくなり、
レイプされるシーンが出てきて、エロイーズは憧れていた60年代のロンドンの裏の面を知ることになる。
そして、サンディが男に殺されたことをエロイーズは知る。それで私はこの作品は、女性が受ける性的搾取がテーマなのかなと思ったんだけど…
性被害・性的搾取がテーマなのにこのラストはダメ
フィルマークスにも感想を書いたけど、面倒なので上げなかった。
性被害・性的搾取をテーマにしているのに、サンディが殺人事件の加害者側で、しまいにはエロイーズを殺すつもりだった、そして現代のサンディは火事で死んでしまうという展開でドン引きしちゃったんだよね。
たしかに、殺人を犯してしまうほど酷い環境にいたのはわかる、けどせっかく現代まで生き延びたサンディが、なぜ死ななければならないのか。明らかに被害者のサンディを「狂気に満ちた女性」としてエンタメ化してしまうのはいかがなものか。
そもそも、性被害が起きている現場をホラーとして見せること事態が賛否両論。
これじゃ「60年代は性犯罪が酷かった」しかわからないし、今の時代それじゃ不十分でテーマを生かし切れていない気がした。
で、エロイーズのルームメイトがかなり意地悪なのも現実味に欠けるし、エロイーズへの攻撃も必要性が感じられなかった。
女性の連帯を描くべきじゃないの。「女は怖い」みたいなミソジニー的なイメージを植え付けてどうするのさ。
ホラーとして全然怖くない
サンディを襲った男たちが幽霊みたいに次々とエロイーズに迫ってくる部分がホラーの演出なんだけど、クリーチャーやゾンビのイメージでミスマッチだったと思う。
ホラー映画なのだから幽霊の演出はもっと工夫しても良かったかも。
黒沢清の『CURE』みたいなゾワッとするような映像があったほうが、
ホラー映画として楽しい。ホラーに詳しくないんだけどね。心臓に悪いし。
あと、ミスリードが雑!(笑)ミステリじゃなくてもさすがに「おい!」ってなった。
おしゃれな映像と色彩が素晴らしい
ダメ出しばっかりしてきたけど、好きなところもある。
たとえば、『サスペリア』のようなカラフルな色使いやファッションとかは、センスがいいなって思う。センスの良さって大事だよなー、ちなみにソフィア・コッポラもセンスが良い映画監督だと思う。
赤やピンク、紫を基調とした色が素敵で印象に残る。
鏡の魅せ方もすごく美しい
たまーに青が入ってきたり
また赤や緑に変わったり、目が疲れそうだけど楽しいな
全体的な感想をまとめると
私も最初に引用したお二方と意見は同じで、中途半端にテーマを映像に
落とし込んだなっていうのが率直な感想。
でも、たぶんエドガー・ライトって、映像で魅せる監督なので
そこが強みでもあるよね、ミュージカルのシーンがすごく華やかだった。
色々言ったけど、間違いなくレベルの高い監督なのは事実だし、次回作が楽しみだ。
でも、『ベイビー・ドライバー』の続編はもういいかな…
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