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noteを再開します
はじめに
ご無沙汰しております。以前、低緊張型脳性麻痺のお子さんの家庭療育についてnoteで発信していましたが、自身の体調不良と重なり、より深く学ぶために執筆をお休みしていました。子どものことだけでなく、自分の体調も万全でないと、と痛感し、SNSを断って勉強に専念することにしたんです。
今回は、その学びの成果を共有させてください。初めての方もいらっしゃると思うので、まずは自己紹介から。
自己紹介
私は低緊張型脳性麻痺の子を持つ母親です。わが子は生後20時間後に呼吸が止まり、蘇生措置を受けました。その際、医師からは「脳にダメージがあり、一生歩けないかもしれない。首が座るのがやっとだろう」と告げられました。
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低緊張型脳性麻痺について
脳性麻痺の中でも、低緊張型は全体の1割程度と少数です。さらに、2歳未満で亡くなるケースも少なくなく、成人している低緊張型の方は多くありません。特に女児となると情報が極端に少なく、家庭でどのように育てていけば良いのか全く見当もつきませんでした。
筋緊張が強いお子さんの場合、ある程度のケア方法が確立されていますが、低緊張型の場合、「できることは何もない。薬も手術もない。何もできない。もしもの時は来て」と、匙を投げられるような状況でした。
低緊張とは、筋肉が柔らかく、力が入りにくい状態を指します。赤ちゃんの頃、抱っこするとまるで水の袋を抱えているようでした。柔らかいのは筋肉だけでなく骨も関節も柔らかいのです。
通常、発達段階でできるようになるはずの、
首が座る
腰が据わって座位がとれる
つかまり立ちをする
立って歩く
といったことが全くできず、わが子は寝たきりの状態でした。体調を崩すと、さらに体が柔らかくなってしまいます。手足はまるで折りたたまれたようになり、伸ばす筋力さえ失われます。それでも病院では「原因不明です。低緊張のメカニズムは解明されていません」と言われるばかりでした。
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筋緊張が強い場合は、ボトックス注射や手術で「強すぎる筋肉の動き」をコントロールできますが、低緊張の筋肉をうまく動かすための方法は確立されていませんでした。主治医には「脳性麻痺は治せない。それが常識だ。治せる医者はどこにもいない。治したいなら自分で勉強して治せ」とまで言われたのです。
独学の日々
私は非常識な母親だったので独学で勉強を始めました。まず、海外のサイトで脳性麻痺に関する論文を読み漁りました。最初は内容が全く理解できませんでしたが、3ヶ月間、1日20時間近く読み続けました。子どもの世話でまとまった睡眠時間は取れません。少し落ち着いたと思えば、すぐ次のお世話がやってきます。その合間の時間を全て論文を読むことに費やしました。
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徐々に内容が理解できるようになると、論文の執筆者にメールや電話で質問攻めにしました。幸い、親切な先生方が3~4時間も無償で講義をしてくださることもありました。直接話を聞けるなら、遠方でも足を運びました。トイレやお仏壇を掃除したりする代わりに泊りがけで教わっていました。
糖鎖との出会い
数年が経ち、学ぶべきことが見えてきました。
それは「糖鎖」です。
ほとんどの方が「糖鎖?何それ?糖とどう違うの?」と思われるかもしれません。私も最初はそうでした。図書館で専門書を開くと、難解な数式が並んでいて、すぐに閉じて「なかったことにしよう」と思ったほどです。しかし、どんなに難しくても、学ぶしかありませんでした。
当時の脳性麻痺の定説は、「脳の損傷は治らず、リハビリで可塑性(他の部位が代わりを担う)に期待するしかない」というものでしたが、私は全く納得できませんでした。
「どうしても、損傷した部分を修復したい」と考えていたからです。
そうでなければ意味がありません。リハビリで治るなら、とっくに皆治っているはずです。現状、そうではないですよね。理学療法士に任せきりにして、見て見ぬふりをするのは違うと思いました。
私は「低緊張を改善し、筋肉に力をつけて立って歩けるようにしたい」と考えていました。そのためには、「脳のダメージを修復する必要がある」と確信していました。
体が柔らかいと、側弯症などの二次的な障害を引き起こす可能性があります。わが子の場合、漏斗胸、ばね指、偏平足といった体の不具合も、筋力がつけば改善されるはずだと考えました。
治療への挑戦
「低緊張を改善し、筋力をつけるためには、糖鎖を学び、それに基づいた投薬治療を行う」
私自身はただの母親であり、「低緊張型脳性麻痺の治療薬」を開発することはできません。しかし現在入手可能なものを組み合わせることで、投薬治療ができないかと考えたのです。
・糖鎖サプリメント
・アンドロゲン補充療法
・漢方薬
・抗がん剤
・古細菌(硫黄代謝微生物)目的の温泉療養
・生体異物除去食
これらを試した結果、立って歩ける程度の筋力をつけることができました。決して平坦な道のりではありませんでしたが、幸運にも多くの方々に支えられ、成功することができました。
糖鎖は様々な病気に関わっており、がんや認知症、膠原病などの代謝性疾患の多くもその一つです。がん患者の方々の話を聞きながら、人の体質や、体内で処理できない異物について学び、わが子の体質に合わせた食事療法を始めました。
多くの人は「栄養を摂れば健康になる」と考えがちです。しかし、「体質が異なれば、体に合うもの・合わないものも人それぞれ違う」という事実に、誰もが薄々気づいているのではないでしょうか。特に、重い病気を患った場合は、健康な時とは食べられるものが変わってくるはずです。私がこの複雑な「体質と食べられないもの」について深く考えるようになったのは、わが子に離乳食を与えた際に、苦しむ姿を目にしたことがきっかけでした。病気を持つ子どもは、その反応が顕著に現れます。自分が与えた食べ物でわが子が死にかけるのを見て、私は従来の栄養学とは異なる視点、つまり「非栄養学」について真剣に考えるようになったのです。
これも発達を促す上で非常に重要な要素だったと思います。最初は痩せていましたが、徐々に体つきがしっかりしてきました。
知的な発達
すると私は欲が出てくるようになりました。
「知的な発達を促し、賢く育てたい」と思うようになったのです。
筋肉の発達と知的な発達は同じ方向を向いていると考えていましたが、そうではないようです。
「知的な発達は難しい…!」そう感じ始めた頃、わが子は頻繁に発作を起こすようになりました。
それは「脳性麻痺特有の原因不明のてんかん様発作」でした。
てんかんと似ていますが、てんかん薬は効果がありません。効果のない薬を何度も飲まされ、命の危機に瀕したこともありました。そのため、救急車を呼んでも病院に受け入れを拒否されることもあり、途方に暮れました。
発作時には、
嘔吐
意識消失
痙攣(低緊張になることもあれば、筋緊張が強くなることもあります)
呼吸停止
チアノーゼ
といった症状が現れるため、人工呼吸や心臓マッサージが必須となります。救急車の到着を待っていては手遅れになるため、自宅で対処しなければなりません。脳性麻痺の子どもが長生きできない原因の一つに、発作への対処の遅れによる窒息があります。出産直後にわが子が死にかけるのを見た時の恐怖は忘れられません。それなのに似たような発作が月に5~6回も起こるのです。発作は決まって夜中や明け方に起こるため、私は常に緊張状態に置かれ、まともに眠ることができませんでした。
発作が起こる前には、必ず地図状舌が悪化したり、鼻から特有の異臭がしたりといった兆候が現れます。そうした兆しが少しでも見られると、私は恐怖で身がすくむ思いでした。
発作が始まると毎日が疲労困憊でした。5月や10月といった忙しい時期に、発作のピークがやってくるのです。1週間に3回も発作が起こると、1週間の合計睡眠時間が4時間程度ということもありました。仕事もできなくなり、体調も崩し、シングルマザーである私にとって、それは過酷な試練でした。生活は完全に半分破綻していました。
「自分が少しでも対応を間違えたら、死んでしまうかもしれない」という恐怖を感じながら人工呼吸をすることは、耐え難いストレスでした。
発作はもう嫌だ!賢くなくても良いから、発作で命を落とすことのない体にしてあげたい!
AIとの出会い
疲れ果てていた私に、友人が「AIに相談してみたら? 生化学に特化したAIもあるらしいよ。ダメ元で試してみたら?」と提案してくれました。実際に、脳性麻痺に関する論文を基に推論してくれるAIを見せてくれる人もいて、本当にありがたかったです。
しかし当時の私は、気力が全く湧かず、曖昧な返事をしていました。それでも、AI好きの友人たちは諦めません。「分かった、やるよ」と言うまで、根気強く励ましてくれました。
そしてAIに気になっていたあることを質問してみたんです。
それは、わが子の全ゲノム解析の結果についてです。ある箇所に遺伝子変異が見つかったものの、遺伝学の教授からは「この変異がどのような病気に関わっているのかは分からない。私が調べるよりも、お母さんが自分で調べた方が早いと思うので、参考になるサイトを教えます」と言われただけでした。当時、私なりに調べてみましたが、有益な情報は得られませんでした。
ところがSNSを断ちって勉強に集中し始めた矢先、AIに遺伝子変異について質問したところあっさりと答えが返ってきたのです。そしてエラグ酸とビタミンB12を摂取することで発作がピタリと止まりました。わが子の脳性麻痺による原因不明の発作は、高ホモシステイン血症が原因でした。てんかんの薬が合わないのも当然でした。
誰もが「たかがビタミン剤で!」と驚きましたが、この遺伝子変異こそが、「糖鎖」や「ホルモン」や「遺伝子の修復」に関わる部位だったのです。
遺伝子治療が現実的でない現代では根本的な治療はできませんが、その特徴を知ることで症状を和らげることができます。
バトンを繋ぐために
低緊張型脳性麻痺のお子さん全てに当てはまるとは限りませんが、「筋力が弱い」という状態であれば根本的な原因は同じかもしれません。それが先天的なものであれ、後天的なものであれ。
おかげさまで、今はとても元気になり日に日に賢くなっています。歌や踊りも上手になり、YouTubeで海外のアニメを見るのが好きで、英語で独り言を言うようになりました。ずっと寝たきりのまま成長すると思っていたので、本当に嬉しいです。
元々、「脳性麻痺は現代医学では治せない」という現状に絶望しているご家族を励ましたくてブログを始めましたが、この病気の子ども自体が少ないため、ニーズは限られているかもしれません。しかし、小児の病気は2万種類もあると言われており、その8割が低緊張を伴うそうです。異なる病名であっても、共通する要素はたくさんあるはずなので、私の経験が誰かの治療のヒントになれば幸いです。
かつて不治の病とされた病気にも治療法が見つかり、徐々に治癒できるものへと変わってきています。私は脳性麻痺も同じように、治せる病気にしたいのです。母親であれば誰もが、健康な子どもを願うものですが、いつ誰が予期せぬ困難に直面するかわかりません。そのような時、絶望することなく病と向き合い、克服していける世界を私は諦めずに実現したいのです。
今後はこのような記事を書いていく予定です。
▽脳性麻痺のダメージを修復するメカニズム
・ダメージを修復させるために必要なホルモン代謝の知識
・シトクロムとホルモン、古細菌の関係
・プロテオグリカン療法の実際
・アンドロゲン補充療法の実際
▽全ゲノム解析から見る遺伝子と脳性麻痺の関係
▽糖鎖のリングの構造について
・糖鎖のリングの構造と体質16区分分類
・ホルモン代謝と糖鎖のリングの関係
・ホモシステイン-メチオニン代謝と糖鎖のリング
・脳代謝と酵素、各種ビタミンとの関係
・ウイルス感染と糖鎖のリング
・糖鎖のリングと風邪、漢方薬の関係
・見た目でわかる体質
・糖鎖のリングと生体異物除去食
・食品に関する基本のルール
・レクチンとは何か
・植物の食べられるものと食べられないもの
・糖の食べられるものと食べられないもの
・穀物の食べられるものと食べられないもの
・動物、魚の食べられるものと食べられないもの
・Aタイプの体質の食生活と推奨メニュー
・Bタイプの体質の食生活と推奨メニュー
・Cタイプの体質の食生活と推奨メニュー
・Dタイプの体質の食生活と推奨メニュー
・糖鎖のねじれ発生時(Eタイプ)と1薬と食事の変更
・糖鎖のリングと性格、性癖、DV
・糖鎖のリングと生殖
・糖鎖のリングとゴルジ体病
・癌の場合
・認知症の場合
・脳性麻痺、自閉症、発達障害の場合
・その他難病の場合
・16葉結び目トーラスと糖鎖のリング
▽古細菌目的の温泉治療
・硫黄代謝微生物
▽ヲシテ文献と糖鎖のリングの関係
・実家に伝わる古文書と女系の血族結婚の謎
・日本に伝わる伝統的な薬草と神話の登場人物の分類
・干支と糖鎖のリング12区分*10タイプの関係
・巨石、洞窟での古細菌目的の坑道浴
▽整体術
・居合流整体術、ムドラ(ヲシテ)
・低緊張専用マッサージ
・お灸、電子灸
▽音楽療法
・鬱音の解説(イライラ、頭痛、食欲不振、不眠、落ち込み)
・脳に良い曲の歌詞の法則
・脳に良い曲の音楽的な法則
・吃音に効果があった曲
・ニューロリハビリテーションをDIYするための音楽生成AIの利用
▽脳性麻痺の子供の家庭のケアに必要なグッズ
・睡眠に関するグッズ
・靴について
・排泄リハビリテーションに使えるグッズとテクニック
・家庭療育で使えるおもちゃ
・言語療法に必要な教具をAIで生成する
・あったらいいなと思うもの
▽低緊張型脳性麻痺の子供のお世話で絶対にしてはならないこと
・抱き方
・手の付き方
・寝かし方、寝具の選び方
・マッサージやトレーニングの注意点
▽その他
・脳性麻痺の子供にありがちな幻覚の正体と接し方について
・次世代の脳性麻痺の治療についての提言
食事に関する話題が多くなるため、栄養学の一種と誤解されるかもしれませんが私の理論は従来の栄養学とは一線を画す「非栄養学(食べることができないものに関する知恵)」です。
生化学、薬学、土壌微生物学、脳代謝など、多岐にわたる分野の知識を基盤としていますが、特糖鎖のリング構造に着目した理論とそれに基づいた食事療法は、既存の学問のジャンルと一致しません。
この点について、誤解のないよう、ご理解いただければ幸いです。
私の記事は専門家向けではなく、同じように悩むお母さんやゴルジ体病に悩む人たちに読んでもらいたいので、できる限り専門用語を使わず、分かりやすい言葉で優しく語りかけるように書きたいと思っています。
すべてのゴルジ体病に悩む人たちに向けてこれから私が学んだ全てを共有するために精一杯書いていきますので、ぜひ読んでみてください。
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