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ハヴァシュ式【Lesson 3】楽器の構え《後編》

《こちらの記事は、オンライン教材「ハヴァシュ式デジタルレッスンby石川ちすみ」の一部のレッスンを期間限定で販売しているものです。販売期間が終了したら予告なく非公開になります。》

前回は、「羽ばたき」「ポトン·ペラン」など、楽器の構えとなる前提となる身体の柔軟性やバランス感覚を養うエクササイズをご紹介しました。
 今回は、実際に毎回楽器を構えるときに、柔軟性をそこなうことなく、演奏への準備が整うエクササイズをご紹介します。
 カトー·ハヴァシュ先生の著書で、次の文章を初めて読んだ時、私に興奮と衝撃が走りました。

まず私たちが認識すべきは、立ち方については多くの時間を割いてでも考えなければいけないということだ。この地点から原因と結果の分析が始まる。まずここで、正しいバランスを確立しなければならない。しかし、バランスの軸と支点はバイオリン演奏においては、常に一定ではない。それをいつも探さなければならないし、個人差を考慮して応用しなければならない。

ほとんどの奏者は動きが目に見える筋肉を開発するとことばかりに心を奪われてきた。手、指などである。そして、視覚的に目立たない部分にはほとんど注意が払われてこなかった。 おそらく、このバランスの感覚について最もわかりやすいの は、シーソーをイメージしてもらうことである。(中略)バランスが取れていれば、 シーソーすることに疲れることは決してない。何も力がいらないのだから。必要なのは、とても簡単で自然な動きであり、タイミングよく、軽く足で地面に触れるだけで、永遠に楽しく続けられるのである。しかも何の筋肉痛も伴わない。さらにわかることは、板が長いほど、言い換えれば重りと重りの間 が遠いほど、動きは簡単で軽くなる。 さあ、バイオリンを弾くときも同じだ。」

「ハヴァシュ・バイオリン奏法」石川ちすみ訳、ヤマハミュージックメディア、p.34-3


 これを読んだ時、”ヴァイオリンを自由に弾くための秘訣がここにある”と直感しました。
 では、ここに書かれている、「バランス」をどうやったら確立できるでしょうか?
 バイオリン演奏では、身体のあちこちにバランスの軸と支点が変化して現れる、と書かれていますが、今日は、その中で、楽器の構えのバランスを探しましょう。
 ハヴァシュ先生が半世紀以上の歳月の中で、様々な生徒と出会ってあみだされたエクササイズを、前回に引き続きご紹介していきます。 

 バイオリン演奏では、身体のあちこちにバランスの軸と支点が変化して現れる、と書かれていますが、今日は、その中で、楽器の構えのバランスを探しましょう。

 ハヴァシュ先生が半世紀以上の歳月の中で、様々な生徒と出会ってあみだされたエクササイズを、前回に引き続きご紹介していきます。 

目次

  1. 最新の構えのエクササイズ

  2. 「弓は踊る」の構えのエクササイズ

  3. 構えがうまくいっているかどうかの試し方

  4. ハヴァシュ先生の思い出

  5. 「ぶら下げられた右腕」ハヴァシュ先生のワークショップより

  6. 宿題

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