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フォーカルジストニア(イップス)に悩む若い人へ

オンラインでバイオリンを教えて10年。

3歳からバイオリンを始めて、21歳の時にフォーカルジストニアを患い、かれこれジストニアと付き合うこと17年。

フォーカルジストニアとは、演奏者の場合、演奏時に起こる筋肉の不随意運動です。たとえば、指を弦に置きたいのに反対に指が立ってしまうなど。問題は脳や神経にあり、腱鞘炎のように痛むものでもなく、休ませれば治るというものではありません。だからこそ薬もなく、治療も困難。日常生活にはほとんど問題なく、周りに理解されることが難しいものです。

私もさまざまな治療を試し、ジストニアについて学びましたが、私の場合は、身体面にいくらアプローチしても治らず、反対に1日の中でも調子のいい時と悪い時がコロコロと変わることから、身体ではなく精神面に起因していると結論つけています。スポーツでいう、イップスです。

ジストニアを患ってからの17年、ジストニアさえなければと、何度思ったことでしょうか。

それでも人生は続いていきました。
生きているうちは、たとえジストニアがあっても、楽しいことや嬉しいことがたくさんありました。もし私がジストニアを患わなかったとしても、患った私と同じように、楽しいことと同じ数だけ辛いことがあったことでしょう。
音大生時代、ジストニアを患ったばかりの頃は、バイオリンが弾けないなら生きていても仕方ないと何度も思いましたが、17年立った今、自分の人生に希望を見出し、感謝することができています。

今、フォーカルジストニアに悩む現役の若い子達のことを思うと、胸が張り裂けそうです。
そんな人たちに伝えたい。
生きているうちは、たとえジストニアがあっても、嬉しい、楽しい、幸せなことがまだまだたくさんあります。あなたには幸せに生きる権利があります。

音楽を辞めなくていいんです。でも、音楽との付き合い方を少しずつ考えていく必要があります。
心に少しでも余裕ができたら、頭の片隅に、音楽との付き合い方は一つではないことを置いておいてください。あなたが幸せでさえあれば、たとえオーケストラに入れなくても、音階さえまともに弾けなくなっても、それでいいんです。あなたが幸せであることに喜んでくれる人がいます。

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