第三回こむら川中盤ピックアップ5選
みなさん進捗どうですか?
第三回こむら川小説大賞も、締め切りまで残り一週間です。
第一回、第二回と最終日には30作近くの投稿があるのですが、今回はどうなるのか楽しみですね。
まだ書いている途中のみなさん、がんばってください。
2021/01/17現時点で、レギュレーションを満たした作品は49作です。
そのうち、前半ピックアップ期間中に完結した作品を除いた33作から主催者の独断と偏見で5作選びました!
どれを読めば良いのかわからないけど、参加作を読みたい!という方はとりあえずピックアップから読むのがオススメ。
→前半ピックアップ三選はこちら
こむら川小説大賞は闇の評議員三人の投票で決まるので、ここにある作品が大賞決定ではないです!
ぬばたまの瞳、ぬばたまの心、ぬばたまの空蝉/鈴元
神ひな川ではヒューマンマンで、長編企画では異能持ち酒飲みお姉さんが素敵な短編を投稿してくれた鈴本さんの作品です。
百合!めちゃくちゃ最高の百合!
王子様的な振る舞いをする高嶺の花的な帆那と、帆那にそっけなく接している五十鈴、二人の物語です。
後半の盛り上がりがめちゃくちゃ最高でした。
バイクが好きでもないのに五十鈴をナナハンと呼ぶ帆那の思惑などもきっちり描かれていて最高でした、
短編って、一人称の視点変更は本当に禁忌くらいに考えているのですが、これは非常に効果的な作品でした。
鈴本さんの別作品でもある怪力乱神を語るの空也さんなども、多分この作品が好きな人は好むと思うので長編も読んでみるといいかもしれない。
乗客/江川太洋
挙動不審な隣の席に座る人がめちゃくちゃ挙動不審でつい話しかけてしまうお話しです。
台詞の多い作品なのですが、語り口がすごく嫌でよかったです。
なんとなくじわじわ忍び寄ってくる不穏な気配を感じさせる語り口がとても良い雰囲気を作ってます。
ホラーなので詳細を語るとネタバレになってしまうのですが、これは講評でガッツリネタバレをされる前の読んで欲しい作品だと思いました。
テセウスの君、空っぽの空/神崎 ひなた
今アツい話題のサイバーパンク的な世界と、未知の感染症を扱っている作品です。
開幕早々住職がガトリンクで除夜の鐘をガンガン鳴らしている「こういう世界ですよ」とリアリティーラインを設定してくれる親切且つパンチ力のあるスタートを切ってくれる作品、すごく好きなんですよね。
開幕ガトリンクガン住職でトンチキ小説家と思えばそうではなく、基本的にはアンドロイドのそらと、サイバネティクスを学んだ闇医者の僕を中心として話は進んでいきます。
神崎さんの得意なエモとちょっと苦い青春を空というテーマに乗せて描かれたとてもおもしろい作品でした。
糸の震え/鍋島小骨
逆贔屓を乗り越えてピックアップに乗り込んできた鍋島さんの作品です。
もうだってこれはお題の回収といい、人外といい、不遇少女といいピックアップしない方が無理じゃないですか。
こちらは乾闥婆という黄金の翼を持つ半神半獣の存在が守る「香」を巡るお話しです。
拙者、不遇な少女がなんらかの形で救われるのが好き侍……。
三人称視点で、カメラワークもかなり切り替わるのですが、それなのに非常に読みやすかったです。
題材的にはどうしてもぐちゃぐちゃになりがちなのですが、その手綱をしっかりと握っているのが恐ろしい。
――空の空、空の空なるかな、すべては空しい
冒頭に書かれたこの言葉と、糸の震えというタイトルがじんわりと滲みてくるようなそんな作品でした。
空鳴き姫と白の守護者/Veilchen(悠井すみれ)
こちらも主催者を狙い撃ちして逆贔屓を乗り越えてピックアップせざるを得ない!となった作品です。
こちらは、空鳴き姫と呼ばれる神からの祝福と呪いを同時に持って生まれた姫と、白い姿と紅い瞳になってしまうけれどなんにでも姿を変えられる人外のお話です。
決して幸せとは言いにくい境遇の姫と白い烏の姿をとった主人公が出会い、彼女の祝福と呪いに呑まれそうな運命へ携わっていく……という物語なのですが、人外が気高くて少し傲慢で美しくて最高でした。
彼女へ興味本位に近付き、段々と心を引かれていく様子がすごく素敵でした。
ファンタジーが好きな方や人外が好きな方は絶対に好きだと思います。
以上独断と偏見による中間ピックアップでした。
おもしろくないとか、拙いのでピックアップしていないなんてことではないです。
参加者の方もTwitterでもマイ推し作品を応援してる方はいるので、是非参加した方は自作のエゴサをしてみるといいかもしれません。
あと、参加した方も投稿して終わりでは無く、好きな参加作品の感想を #第三回こむら川感想 タグを使って投稿してくれるとうれしいです。
締め切りまで残り一週間!
がんばりましょう!