第二回こむら川小説大賞後半戦ピックアップ5選
進捗どうですか?
第二回こむら川小説大賞の締め切りも残り一週間となりました。
参加作品数52作、そのうち完結作品52作(内1作は多分垢BANかな?講評は書いたのでカウントしておきます)といういい感じの参加数になっております。
下限は3000字なので今から書いてもまだ間に合う!
はじめて小説を書くよという方から、商業作家の方まで同じ土俵でKUSO創作スマッシュブラザーズ!
たくさん川が流れていて、みなさん忙しいと思いますが、参加作品を読んだり、感想を言ったりして一緒にお祭りを盛り上げてくれたらなーと思います。
闇の評議員は全員作品を提出しているので、モチベーションアップのためにも一言感想などなど呟いてくれるとうれしいです!
とても面白い作品がたくさんあるので、知らなかった好みの作品と出会えたり、好みの作者さんと出会えたりするいい機会にしてくれたらうれしいです。
では、以下からは主催者が独断と偏見で選ぶもっと注目されて欲しい推し作品たちです。
闇の評議員は三人居るので、ピックアップされた作品が大賞候補になるとは限りません!
では、7/4~7/18までの応募作品の中から選んだ5選の紹介です。
雪と小屋/草食った
https://kakuyomu.jp/works/1177354054911015945
◆豪雪地帯の小屋でコミュニケーションする人間と概念の話
豪雪地帯の小屋にバイトをしにきた男と、そこにやってきた概念のお話です。
概念と言うよりは季節の精霊と言った方が伝わりやすいかもしれないですね。
かなりカジュアルな文章というか、独特な地の文が織り込まれるこの作品なのですが、とにかく作中の人物のやりとりが可愛らしいです。
地の文章を「こういうものなんだな!」って脳のチューニングを合わせるのが得意な人は多分好きだと思うので、異類婚姻譚や、異類交流譚が好きな人には超オススメ。
オチもすごくよかったので、たくさん読まれて欲しい作品だなと思いました。
スカート一枚/鈴野まこ
https://kakuyomu.jp/works/1177354054911633111
◆男子生徒の制服を着ている女子生徒と、彼女を見つめている先輩の話。
高校生同士の淡々とした百合です。くっつかずに話は終わります。
今回のトラックです。
これはあらすじにある通りの百合。超良質な百合です…。
めちゃくちゃよかったーーー!
普段は男装をして「あっくん」と呼ばれる佐藤あやめという少女と、文芸部の先輩との物語なのですが、佐藤あやめさんという一人の女子生徒を描くのに最初にスカートの描写から開始するんですよ。
甘いものに対するひとつまみの塩のようにこの「スカートを履いた佐藤あやめ」という先輩にだけ向けられた彼女の固執を描くことを際立たせているこの手腕と、途中に挟まれるやりとり……先輩の主観で語られる佐藤あやめとうい女の性質と愛おしさ(早口)
切り取られたある日常を描いた作品なのですが、激しい展開はないものの筆力の高さで魅せてくる手腕が素晴らしいです。
百合に造詣が深くない僕でも「めっちゃいい」と唸らされた作品です。
女子同士の尊いやりとりが好きな人には是非読んで欲しい作品だなと思いました。
アリス・イン・ザ・金閣炎上/和田島 イサキ
https://kakuyomu.jp/works/1177354054913427072
◆小中高と山奥の女子校に育った世間知らずの彼女は、都会の大学に進んで天使に出会う。
閉じた環境ですごしていた世間知らずの主人公と、彼女の目の前に舞い降りた金髪の天使(生粋の日本語話者)が織りなす百合作品です。
前回のアナル日本酒のインパクトが忘れられなかったので、恐る恐る読み始めたのですが、今回は真面目な百合かな?ずいぶんしっとりとした導入だなーとふんふん読み進めているとゴリラが影を見せてきた。
いや、ゴリラはあくまでジャブでした。ゴリラ、ナウシカ、そして炎上する金閣寺。
オーソドックスともいえる導入からはじまり、ラストは捻りのきいたパンチで一気にダウンを狙っていく素晴らしい作品でした。
ネタバレ込みの感想を言いたいので早くみんな読んでください。早く金閣寺の炎上を見ろ!!!!!!
超よかったです。
禅士院雨息斎のゴーストバスター劇場/ジュージ
https://kakuyomu.jp/works/1177354054916229929
◆実話風怪談を書いてて思いついた話です。深夜、やたらとゴキゲンで書きました。
やたらゴキゲンで書いたのがわかる禅士院雨息斎の名前がまずいいですね。
名は体を表す!こういうわかりやすい名前好きですw
現代ドラマというか、これはもう立派なミステリーでもいけるんじゃないでしょうか?
とにかくすごい気持ちよく読めました。いいなーこういう手法やってみたい!すごくよかったです。
あと、本当に禅士院雨息斎が禅士院雨息斎って感じでよかったです。
余計なことを言うとネタバレになりそうなのであんまり色々話せないんですけど、エンタメ!爽快!という感じの損はしないぞ!みたいな作品なので全人類は読んで欲しい。オススメ作品です。
喰らう箱と死なない少女/神崎 ひなた
https://kakuyomu.jp/works/1177354054904169653
◆ミミックと、少女が出会う物語
5分で読書 キミは絶対に騙されるに「赤い扉の透子さん」が載っている神崎さん!
神崎さんは本物川小説大賞も第八回から参加していて、大体の周辺の規格にガンガン投稿してくれたり、参加作全作読破して一言感想をくれたりするすごい馬力の持ち主なのですが、本当に成長速度がすごくて驚きますね……。
この作品は、多分神崎さんの作品の中でダントツに好きなんですけど、本当に書くたびにお話の作り方とか、文章が洗練されていくし、なにより作風や語彙の広がり方がすごいです。
作品単品としてみても、この作品は孤独・誰かと関わり合うこと・贈り物とテーマと物語の噛み合い方がすごく綺麗で美しいです。
書けば書けるし、完結の数だけ強くなれると言うことがわかる……。
異種間交流・絆・孤独だった存在同士の出会いが好きな人には特にオススメの作品です。
以上5作が後半ピックアップでした。
この他にも紹介しきれなかった作品はたくさんあるので、是非他の作品も読んで、参加者の方の推し作品布教なんかもしてくれたらなーと思います!