住宅ローン減税、新築2割対象外も 24年に省エネ厳格化:日本経済新聞 2023.8.6
2023.8.6 の日経新聞にも掲載されていましたが、2024年1月から、一定の省エネ基準を満たさない新築住宅が、住宅ローン減税の対象から外れます。住宅ローンを使って住宅の建築・取得をお考えの方にその概要をお伝えいたします。
住宅ローン減税とは
住宅ローンを借り入れて住宅の「新築」「取得」「増改築」をした場合、年末のローン残高の0.7%を所得税(一部、翌年の住民税)から、最大13年間控除する制度です。
住宅の省エネ基準とは
認定長期優良住宅
認定低炭素住宅
ZEH水準省エネ住宅
省エネ基準適合住宅
上記のいずれかの断熱性能などの省エネ基準を満たしている住宅で、「省エネ基準適合住宅に該当することを証する書類(住宅省エネルギー性能証明書・認定長期優良住宅であることを証する書類 等)」が必要になります。
その他の省エネ基準に適合しない住宅は、2024年1月以降に確認申請を受けた新築住宅について、住宅ローン減税を受けることができなくなります。
住宅ローン減税の内容
新築住宅の場合
控除率:年末のローン残高の0.7%
控除期間:13年間
借入限度額
認定長期優良住宅:限度額 4,500万円
認定低炭素住宅:限度額 4,500万円
ZEH水準省エネ住宅:限度額 3,500万円
省エネ基準適合住宅:限度額 3,000万円
その他の住宅:限度額 0円
※ 2023年末までに建築確認を受けた場合は、控除限度額 2,000万円になります。
既存(中古)住宅の場合
昭和57年以後に建築(新耐震基準)か、昭和56年以前の場合は耐震改修を行い「耐震基準適合証明書」を取得した建物が条件です。
控除率:年末のローン残高の0.7%
控除期間:10年間
借入限度額
省エネ住宅:限度額 3,000万円
※ 長期優良住宅・低炭素住宅・ZEH水準省エネ住宅・省エネ基準適合住宅その他の住宅:2,000万円
まとめ:今後の省エネ基準と家づくり
このように住宅ローン控除の改正が行われたのには、「建築物省エネ法の改正」により、2025年4月(予定)以降、原則全ての建築物について、省エネ基準への適合が義務化されることが背景にあります。
国や自治体の政策は、法律で新しい基準が施行される前に、「支援措置」(控除・補助金・税制優遇)が行われるのがほとんどで、改正された法律の基準が施行されるまでは、各種の「支援措置」を利用して、その内容を業界や関係者に周知させます。
法律が施行された後は、基準を義務付けすることで「罰則」によって、新しい法律を守るようになります。
義務化された後も、しばらく優遇措置が引き続き行われることもありますが、多額の税金が投入される「支援措置」を受けられる期間を上手に使い、快適でエコな省エネ住宅を先取りした家づくりを進めていくのも、賢い方法ですね。