Fröhliches Halloween !🎃

Viola

2024年11月1日 10:39

　今日はハロウィーン。
朝、集合住宅の玄関のドアにはこのような案内が貼られます。

【こんにちは、ご近所の皆さん、

2024年10月31日はハロウィーンです。
不必要に人の迷惑にならないように、また子供たちが呼び鈴を鳴らしてもいい場合は、呼び鈴にステッカー（簡単に剥がせるもの）を貼っていただけると助かります。

参加者の皆さん、ありがとうございました。】

他のお宅が既に二軒、インターフォンにこのシールを貼ってありました。
我が家も青いシールを貼りました。

　日本にいた一昨年までは、部屋にかぼちゃ🎃を飾ったり、犬にハロウィンの服を着せてお散歩するとか、ニュースで渋谷の賑わいを眺める、それがハロウィンでした。
　あくまでも［近年導入された行事］に過ぎないハロウィン。

　昨年の10月31日のこと、午後犬の散歩に行く時、玄関ドアに何か貼ってある、と思ったものの、お知らせはいつも内側に貼られるのに、その時は外側に貼ってあり、さして気にもせず出かけてしまいました。

帰り際、近所の子どもたちがお世話係らしい親御さんたちと共に、公園にぞくぞくと集まるのを見かけ、

『まずい! ここはドイツ🇩🇪だった!
ハロウィーンは子供たちがやってくる!』
と、大慌てで家に入り、かご🧺二つにチョコレートを中心に、沢山のお菓子を詰めたのでした。

　ハロウィーンは特段関係ない日本人なものですから、まるで意識していなかったものの、お菓子は日本から船便で送ったものを含めて沢山ありました。
　チョコレート好きの私は、たまたまドイツのチョコレートを多めに買ったばかりでしたので十分にあり、ホッとしたのでした。

　暗くなってきた頃、インターフォンが次々鳴らされ、魔法使いや🧙、お化け👻、ドラキュラ🧛、可愛らしい天使👼。
扮装やメイクも本格的な姿の小さい子たちがやってきました。
　家のお向かいのご主人は世話係で、ご本人もノリノリの派手なメイクのお顔で、子供たちの先頭に立って回っていました。
　父親の子育てへの参加は当たり前の国です。こうした行事でもごく当たり前のように、パパがやって来ます。

　近所の顔見知りの子たちも混じっていたのですが、本格的なメイクのせいで気づかなかった子も何人か。
　皆、それはそれは可愛らしく、1時間くらいの間、次々やってくる子供たちの扮装を楽しんだり、日本のお菓子の説明して、無理矢理持たせたり(^◇^;)

　皆、まずドイツのチョコレートに手を伸ばします。見慣れない日本のパッケージのお菓子はどうしたものかという顔をするので、
「食べてごらん」
と勧めたら、とても美味しいと喜ばれたのでした。

　昨年のこの時、お菓子を準備しながらも、日本人はこの近所に我が家だけですので、子供たちはどう思うかな?と一瞬思ったのですが、ご近所の人たちの国籍も様々ですし、彼らは住人の肌の色は関係なく、普通にお菓子をもらいにやって来たのでした。

　また、そもそもドイツは移民が多い国ですし、学校で人種教育をしっかり受けていることも大きな点で、差別的な態度はまず見受けられません。

　「アジア人への偏見は確実にある」と近所の中国人女性は話していましたが、日々暮らしていても、普通に挨拶され、あちらから話しかけられ、親切にされ、私自身はその空気を感じることもないまま、平穏に一年半を過ごしました。

　公園で1年生くらいの子供たちとお喋りしていた時、
「私、日本の人好き♪」
といろいろ聞かれたことも。
　サブカルチャー、空手、茶道、書道、禅、活け花、日本に興味を持つ人が多い国であることは間違いなく、毎年夏に行われるヤーパンフェストは大盛況で感動します。
それぞれの道で頑張っていらっしゃる日本の方々に、感謝のみです。

　さて、こうした昨年のハロウィンの経験を踏まえて、やってくる子供たちの数と、彼らのお好みを考慮し、また、お菓子が少なくなると、遅く来た子が気の毒なので、昨年よりかなり多めに、88€（本日のレートで14.541円）分のチョコレートを用意しておきました。

　一昨日のうちに、近くのスーパーで買い込み、重くて筋肉痛を起こしつつ、何度も休憩しながら運びました。
チョコレートだけではなく、チョコのビスケットやキャンディ、グミなども加えて、個包装でないものは小袋に詰め替えて準備完了。

　首にハロウィンの飾りを付けた愛犬は、インターフォンが鳴る度吠えるものの、お化け👻やドラキュラ🧛の扮装を一目見て廊下の端に逃げて行き、その後は私にしっかり抱っこされたまま、子供たちの姿を眺めておりました。

　子供たちの写真は許可を撮って撮影させてもらいました。
でもお菓子に夢中でこちらを向いてくれない子も沢山。

正面を向いているのは、やはりちょっとお姉さんの子たちですね。ご近所の顔見知りの子たちはうちの犬の名前も知っています。
　何枚か撮ったものの、途中からお菓子準備のために、それどころではなくなり、写真はごく一部です(^◇^;)

　基本的に犬は、怪しげな雰囲気の人や、予想のつかない動き方をする子どもは危険と判断しますので、外で吠えることもしばしば。

　ですが、家にやって来る人は安全だと判断しているようです。
ただし今日の子供たちには、
『おうちに来たからお客さん? でもなんか変な子ばっかり💦』
とひたすら戸惑っていました。　ストレスが溜まったようで、夫が帰ってきた時に、その不満をガウガウ言いつけている様子。
　夫が、「そうだったの。大変だったね。」と答えていましたから、きっと話が通じたのでしょう　笑　

犬は我々に対して心配もしますし、今日のようなイレギュラーな出来事があるとストレスが溜まり、不満を言います(^◇^;)

　子供たちは恥ずかしがる年代ですので、不満とまでは言いませんが、行動は様々で、少し大きい子たちは、
“Trick or Treat”なんて今更ね、というムードの子が多く、中には挨拶すらしない子も。お菓子のお礼だけの子も結構いました。
　沢山回るので疲れてくるのもあるでしょうし。

やはり少し小さい子が、一生懸命
“Trick or Treat!”と言うのはとても可愛く、お菓子をつい多くあげてしまいます。

親御さんが付き添っている場合、ちゃんと挨拶するように教え、他の子の為に、お菓子を取り過ぎないように、教えています。
このちゃんとマナーを教えるパターンにも、お疲れ様ですの意味で、お菓子は多めにしてしまいます。

赤と黒のマントの子たちは、昨年同様ちゃんと私を怖がらせて帰りました　笑

あまり遅くならないように、またお菓子を提供する家の都合も考えて、６時少し前から７時頃まで各家庭を回る、というのがルールのようで、ほぼ守られています。

時間を守る、マナーも守る子たちほど、メイクやコスプレが充実している、本気でハロウィーンを楽しむよう教育を受けているように見えます。

　また、お友達が凝った衣装を着ているのに、一人だけ普通の服のまま、というケースはよくあります。
家庭の考え方や事情が透けて見える瞬間です。

それぞれの形で楽しめばいいと思いつつ、やはりこれだけ毎年皆で参加する行事ですから、自分だけ衣装を用意してもらえなくて、寂しい思いをするようなことがなければいいなぁと思ってしまいます。特に女子。

お菓子をもらえば服なんて何でもいいや、というタイプもいます。それはそれで顔が清々しいので宜しい。

　さて、ひとしきり続いたコスプレの波が去り、おや? 昨年よりお菓子が減るペースが早い、と気づきました。
明らかに、子供たちの数は、昨年比の3〜4割増の実感がありました。
　何と、あの量のお菓子を準備してあったというのに、６時半の時点でチョコレート終了💦

大慌てで、私のおやつ用のチョコレートやキャンディ、甘栗だの、日本食材店で買ったばかりの亀田製菓のソフトサラダだのを棚から引っ張り出し、カゴに補充すること3回。
　最後の最後は、どうしようもなくて、大事に食べている坂角の“ゆかり”まで加えました。
ある程度のボリュームがないと、見た目も淋しくなってしまいますので。

“ゆかり”に手を伸ばした子には、
“Dies ist eine berühmte japanische Süßigkeit.”とか
“This is a famous Japanese snack”
と念を押しておきました。

　終了。チョコレートやクッキーが終わった後でも、ある程度のボリュームと何種類かの取り合わせにして、何とか体裁は保てました。
　「日本人の家に行ったら、日本のお菓子が出されたよ」という話題作りにも貢献できたと自負しております。

私の“ゆかり”と“ソフトサラダ”を何枚か減らしましたが、後悔はありません。しくしく(T ^ T)

　1時間半ほどの間に、トータル50人ほどがやってきたのでした(~_~;)

　お菓子にかけた費用の話はしませんが(^◇^;)、夫に昨年との違い、今年気づいた事などを話しますと、興味津々。私が、こうしたご近所付き合いの行事に関わることを、夫はとても喜ぶのです。

　７時半近くに、最後の一組がやってきて、本年度のハロウィーン終了。
　一年分くらいの笑顔を出し切り、お菓子をいっぱいくれる日本人のおばちゃんの役割を果たしたのでした。

最後に昨年の可愛いエピソードを。

　ハロウィーンの翌日は祝日。
このご近所は、祝日の朝は驚くほど静かです。その日は電車で出かけようとして夫と私と犬は、家の近くの駅に向かう道を歩いていました。
　その道は、線路と集合住宅との間にあり、ドイツの保護対象である草花と蝶々の為の草むらがあり、また、集合住宅のプライベートガーデン的な要素も兼ねた緑の多い気持ちの良い道です。

誰もいなくて静かだ、と思ったその時、集合住宅の2階か3階から、小さな男の子の声がしました。

“Morgen !” （おはよう）

　その聞こえ方は、明らかに家の中から外に向けて発せられた言葉でしたので、夫も私も『え?』とキョロキョロしました。声の主は見当たりません。でも外にいるのは我々だけ。
なので、同じように我々も、
“Morgen!”
と見えない声の主に向かって答えました。

　夫は、
「昨日来た子だよ、きっと。『昨日、お菓子をくれたおばちゃんが歩いてる!』ってわかったから、ママに挨拶してみたけど、恥ずかしくて顔は引っ込めちゃったんじゃない?」
と。
　そうだとしたら、可愛いじゃないの(^-^)、と思いました。

　先程来た子たちの中に、昨年のその子がいたのかいないのかわかりません。
　一年経って、おそらく6〜7歳。そんな事を思い出しながら、小さい子たちにお菓子を勧めている時、そのうちの一人の男の子が、我が家のドアの横、インターフォンの上の小さい表札のアルファベットの文字を眺めて、言葉に出して読んでいました。
　みんなお菓子を選ぶのに夢中ですし、一々訪ねた家の名前の確認などしません。

そんなことをしたのはその子だけ。

『去年挨拶してきたのはこの子だな(^-^)』
と何となく確信めいた気持ちで、

“Bitte mehr Süßigkeiten.”
もっとお菓子をどうぞ。

とだけ話しかけたのでした。

Fröhliches Halloween !🎃

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