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「マイ・プライベート・アイダホ」に至る道➀:米エンタメ界の闇、二人のコリー、神の子供たち

*映画「マイ・プライベート・アイダホ(My Own Private Idaho)」については別記事になります(リンクは後ほど)。これはそこに至る導入記事です。
*導入記事ですが色々なトピックが含まれてますし、最後に意外なところで繋がるのでそれも楽しんで貰えたらと思います。


再び「マイ・プライベート・アイダホ」を観るに至るまでの長い道のり

アメリカ音楽業界の闇

Youtubeのおススメ動画というのは新たな発見をさせてくれるので面白い。それがいい場合もあるし、そんなの見なかったらよかったと思うこともあって必ずしもイイことばかりではないのだけれど…。

今回も発端はYoutube。おススメにこんな動画↓があったのでふと見たのがきっかけです。

ハリウッドを中心とするエンタメ業界でエリートといわれる影響力を持つ大人達。彼らがまだまだ子供である若いミュージシャンに”何々したら幸せになれる”という甘言でグルーミングをし、おかしな(TOXIC 有毒な)価値観を植え付けいいように消費し尽くすこと。それを最近数々の過去の悪行の告発で話題になっているP.Diddyジャスティン・ビーバーの関係などから語られている動画でした。

ジャスティンは最近のインタビューで過去を振り返り、音楽業界の闇への警鐘を鳴らしている。

*エンタメ業界は危険な文化のホーム
*影響力のある人物が弱い立場の人物の脆弱さに付け込んで利用したり操ろうとしたりする。
*搾取に苦しむ人物に(手を差し伸べず)頻繁に背を向ける業界で生きていくことの難しさ。
「お前のことを愛している」と言った次の瞬間に平気で背を向けるような業界で誰を信じていけばいいのか自分自身若すぎてわからなかった。

途中からはJaguar Wrightという女性歌手が音楽業界の闇について語っている。このP.Diddy問題が話題になった頃に見た解説動画でも、P.Diddyと大物プロデューサーであるクライブ・デーヴィスの関係などを説明していた記憶がある。(詳しく知りたい方は日本語の解説動画とかもあると思うので探してみてください)
この辺りはどこまで本当なのか陰謀論なのかわかりませんが、私が理解した大まかな流れはホイットニー・ヒューストンのプロデューサーとしても有名だったクライブ・デーヴィス(私的には昔レンタルCD屋のポップとかでも名前が書かれていて、スゴ腕プロデューサーなんだろうなとは思っていた)とP.Diddyが出来ていて(そもそもここも強者からの性搾取なのか枕的に利用したのかよくわからないけど)、UPTOWN RECORDSというレコード・レーベルにインターンとして入った大学生のP.Diddyが異例の出世を果たす。そして2Pacの殺害にも関わっているとか、Jaguar Wrightが言うようにUPTOWNの立ち上げメンバーは次々に死んでいき、それら全てにもP.Diddyが関わっているのではないかと言われている。ホイットニー・ヒューストンがバスタブで亡くなっていたのも裏でクライブ・デーヴィスが関わっているのでは?という話もあったり(復活後に彼の思い通りにならなかったから)、次々とこの業界の闇に対して声を上げる人が増えている…と言った感じでしょうか?

そこまで向こうの音楽業界について詳しくもないし、発言している人たちの信憑性もイマイチよくわからないので鵜呑みにして信じるわけではないですが、そういう恐ろしいこと、ありそうな業界よね…とは思って見てはいる。カナダで路上ライブしていた所を発見され、Baby Baby~♪って歌っていた目がキラキラした少年のジャスティン。彼が数年のうちに入れ墨だらけになって目も死んだようになっていく様を見てきて、遠く異国に住む私からしても”アッ、闇落ちしちゃったな”…とは感じたものです。あのキラキラした生きてる喜びに満ちた輝きを失くしているという事実。それだけでアメリカの音楽業界がToxic Environmentであると信じるに足りうる証拠なんじゃないかな…と。

そして動画はエンタメ業界のさらなる闇にも言及していく。
人身売買、それも子供の人身売買が、華やかなエンタメ業界を餌にして裏で行われているのだと。メル・ギブソンがそれについて以前から関心と主張をしていることなどを紹介。


「Sound of Freedom」

昨年話題になってたのでてっきりもう日本でも公開されたと思っていた映画「Sound of Freedom」。
日本では今年の9月27日公開メル・ギブソンが制作総指揮、主演がジム・カヴィーゼル(キリストの受難を描いた映画「パッション」の監督&主演俳優コンビですね)で作られた児童人身売買を題材にした映画です。

ジム・カヴィーゼル演じるティムは、アメリカで児童ポルノなどを取り締まる部署Homeland Security Investigations (HSI)で働く人物。彼が仕事を通じ児童誘拐、児童人身売買、性搾取等の巨大な犯罪組織の存在を知る。そしてホンデュラスで誘拐された少女のことを知り、彼女がコロンビアにある組織の基地に囚われているという情報を得る。しかしそこは米国の管轄外。さらには武装マフィアが占拠しており地元警察も手を出せない。家族の理解を得て職を辞したティムは個人として協力者と一緒に少女を助けに行く…という話。

映画はTim Ballardという実在の人物の話を基に作られています。そして全米公開当時に結構物議を醸していました。物凄く評価が高いのに劇場数が限定されており、こういうことを公にしたくない反対勢力が公開拡大を邪魔しているとか(よく知らないけどQアノンとかDSディープ・ステートとか?)、ここでも陰謀論が絡んでる…。(←最近は何でもかんでも陰謀論が絡むことが多すぎるし、メディアもあんまり信用できないし、自分自身で情報収集して判断しろっていうけど、難し過ぎません?なんでも話し半分ぐらいで聞いておいて、時間経過でどう変化するか傍観したり、当事者の行動(←言葉じゃなくてね)に注目して俯瞰しながら冷静に事実を追ってみたり、すぐに結論に飛びつかないことが大事だな~と思う今日この頃です😟)

ジェフリー・エプスタイン関連の人身売買疑惑の時でしたっけ?海外の超セレブ達の間でのこういうネットワークの話や、子供の臓器?から抽出するホルモン?ドラッグ?であるアドレノクロムの話なんかもありました。そして日本にも、ある人物の別荘でそういうことが行われている場所があるとかないとか…。流石にそんなことないだろう、陰謀論だ!って言いきれないほど、金持ちや政治家等の支配層がおかしなことばかりしている現状を鑑みると、まぁあっても驚かないな~とはこれまた思わなくもない。普段は関係ない暮らしをしているから他人事でいるけど、もしひょんな拍子で片鱗を垣間見てしまったら…自分はどういう行動をとるだろう?とるべきだろう?🤔


The Two Corey’s

そして上記の動画の横に示されたおススメ動画で↓こんな動画があったので、これまた観てみたのでした。

MTVでやっていた「ジャックアス」に出ていたSteve-O(右端の人物)がホストの番組。ロケバスみたいなところに有名人を呼んで、オプラみたいに色々訊き出しているYoutube番組なんですかね?詳しくは知らないんだけど…。

この回のゲストはCorey Feldmanコリー・フェルドマン
「グレムリン」「グーニーズ」「スタンド・バイ・ミー」などで活躍した元子役俳優。この動画ではコリー・フェルドマンが以前から発信しているハリウッドでの子役に対しての自身が経験した薬物問題性虐待についての話を中心に語っています。

フェルドマンは「グーニーズ」ではメンバーのひとり。サムネの右の子は「ロード・オブ・ザ・リング」のサム役Sean Astinショーン・アスティン。左の子は「Everything Everywhere All at Once」でアカデミー助演賞受賞で話題になったキー・ホイ・クァ ンジョッシュ・ブローリンも兄役で出てる。そして脚本がクリス・コロンバス。ホームアローンやハリー・ポッターの原点はこの辺りにあるんですね。久々に観てみたいなぁ。公開当時夏休み映画だった記憶。当時を思い出しながら童心に帰って楽しめるか…はたまた余計なことを考えてしまって楽しめないか、自分の変化に興味ある😅。

ショーンがコリーのことについて話している動画もあった。

彼自身は両親がしっかりしていて愛されていたので被害にはあってない感じだし、自分の娘が大学で感じた性的な視線など、現在のアメリカに蔓延る子供たちが安全を感じられない環境を作ってきてしまった社会の一員として反省しているなど、発言からは真面目な人物のよう。だけど、コリーの件やハリウッドでの闇の部分にはあまり関わらないよう、深入りしないよう絶妙に話題を逸らしているようにも感じる。それで余計に色々と知ってそう…と疑念が湧いてしまった。日本でも坂上忍とかがペットのことばかりじゃなくて(そこの啓発も大事だけど、そこは杉本彩に任せておいてさ)、子役やティーン・タレントを取り巻く日本の芸能界の問題点について、自身の経験や子役養成所を経営する立場(まだしてるよね?)としてしっかり発言したりパブリックで議論を重ねることがもっとあってもいいのにな、と思う。ジャニーズ問題の時も何ら発言してた記憶ない(してたらスミマセン)。色々知ってると思うんですけどね。そういうちゃんとしたオピニオン・リーダー的なステイタスを確立してから司会業なりやって欲しい。日本の芸能界って大事なことスルーしまくってる人がなぜかニュースキャスターになってたり、司会してたり、見せかけの権威で影響力のあるポジションに就いてることが多くて気持ち悪いし、それをどうして支持できる人がいるのか毎度さっぱりわからない。

コリー・フェルドマンがグーニーズに出ていた記憶はなかったけど、「スタンド・バイ・ミー」に出てた子だというのはハッキリ憶えている。メガネをかけているテデイ役です。

このトレーラー見るだけでちょっと泣きそうになってしまう。アメリカに住んでたこともないのに、この映画から伝わる強烈な子供時代の郷愁というかノスタルジーというか、あのなんともいえない胸も頭もいっぱいになった子供の時の不安苦しさとか、友達と一緒にいるだけでウキウキした高揚感とか、それらが見事に映像に焼き付けられているんですよね。こういうのはユニバーサルに子供が持つ感覚なんだろうな。外であまり遊べない今時の子供はどれくらいその感覚を共有できるんだろう…?

あとリバー・フェニックスが見せるふとした表情ひとつでも何とも言えない感情が湧いてくるし、自分自身がもう決して戻れない現実を突きつけられるのでそうそう気軽に観ることができない作品だったりします。
そしてこの作品の舞台はオレゴン。リバーにとってオレゴンというのは重要な場所だったんだなというのをこれを観た頃は思いもしなかった…。生まれた場所もオレゴン、後の代表作「マイ・プライベート・アイダホ」もほぼオレゴンが舞台だった。人生の節目でオレゴンが関わってる。

で、話をスティーボーとの動画に戻すと、
まずフェルドマンが初めてコカインをしたときの話。スタッフ?のアジア人女性が夜遅い撮影で起きていられるか心配していたコリーに、「あなたのお母さんもやってるんだから」と言って勧めてきた。それまでは真面目な子役だったのに全くセリフも憶えられなくなり監督の指示も言われたとおりに出来なくなった。監督のジョエル・シューマッカーから「どうしたんだ?ドラッグやってるのか?」と怒られ、結局役に立たなくてクビにされたと自虐的に面白おかしく話している。

母親はドラッグ中毒でコリーにDVするのが日常。太ってるからと食事をくれなかったり自尊心を奪うことも言われ続けた。父親はコリーの子役としての名声を利用して怪しいタレントマネージメント事務所をしていて殆ど家にいない。そこで11歳からコリーの世話をしていたのが、子役仲間から紹介されたMarty Weissという人物。サターン賞(優秀なサイエンスフィクション・ファンタジー・ホラー作品に送られる賞)に関わっている人物で、それらの賞をスピルバーグの映画に出ている子役たちにあげようという口実で近づき、ストーカーのようにまとわりついては性加害をしていたペドフィリアだった。

次に母親に勧められて行った大物キャスティング・ディレクターの息子(だと思っていたら実は愛人だった)アルフィーが開くパーティー。その人物がペド・ナンバー2。

次に父親の会社の人物で、父親からコリーを世話するように紹介されたJohn Grisson。これがペド・ナンバー3。コリーが稼いだお金を親が浪費してると吹聴し、あんな毒親からは離れなければいけないと自分のことを信頼させ、コカイン、ヘロインなど様々なドラッグを勧めていく。巨大な山盛りコカインがテーブルに載ったパーティに15歳のコリーを連れて行ったりもしていた。半年ほどは抵抗していたが結局ドラッグに手を出してしまう。こういう手口でどんどん堕落させ思考できなくさせてグルーミングされて行った。

後半はお金の話。15の全米ナンバーワン映画に出演したにも拘わらず、親から独立しようとした時点で口座にあったお金は400万円程だった。調べたら1億は子役として稼いでいたのに、親がマネージャーとして登録して二人とも15%の二重取り(←ホッタラカシでペドに任せてたのに)、税金でも多く取られ、その他関係者諸々からも搾取されまくってほとんど残ってなかった。

これらの話を聞いていると、パーティーと称したセックスやドラッグが溢れる環境に巻き込んだり、ジャスティン・ビーバーがP.Diddyにされたのと同じような(ジャスティンは性被害を受けたかどうか言及してなかったと思うけど、怪しいパーティーの話題はあった気がする)ことがこの頃から行われていたことがわかります。エンタメ業界はずっとそういう危ない場所。弱者、特に子供を食い物にして搾取しようとする大人がウヨウヨいる。日本の芸能界もジャニーズ問題とか考えたらたいして違いはない。薬物で逮捕されたタレントも数人いますしね。

数年前にコリー・フェルドマンが性虐待について告発したのはニュースで薄っすら聞いた記憶はあった。しかし本人が語っている内容を見たのは今回が初めて。それでいくつかの関連動画も観てみることに。

すると彼はもう一人のコリーのことも語っている。
ティーンで人気者になったフェルドマンの少し後から出てきたカナダ出身のコリー・ハイムCorey Haim。彼らはいくつかの映画でも共演し親友になる。世間では”The Two Coreys”と呼ばれティーン・アイドル的な人気者になっていく。日本で言ったらキンキキッズみたいな感じでしょうかね?同じ名前で注目されて子供時代からドラマとか映画とか出てアイドルになっていく。向こうはエージェント方式だから事務所が売り出す方式ではないけども。

二人が共演した映画「Licence to drive(運転免許証)」(1988年)。

主役はハイムの方かな?ヒロイン枠でヘザー・グラハムが出てる。これが彼女のほぼデビュー作みたい。オースティン・パワーズとかの前はこういうのに出ていたんですね。彼女も最近トンと見なくなったなぁ…(私が観てないだけかもしれないけど)。どうしたんだろ?一時は凄く出ていたのに。

そんな二人が大人になって人気も翳り、少し落ちぶれた頃に「The Two Corys」(2007~2008)というリアリティ番組に出ることになる。二人とも1971年生まれだから30代半ば。ティーンでブレイクした頃から20年!ってことらしい。
画質悪いけど全エピソードの動画もありました。

それなりにキャリアを築いているフェルドマン夫妻の家に、独身で薬物や借金問題を抱えてかなりやさぐれたハイムがやって来て、三人で共同生活するという内容らしい。二人で出演した映画「The Lost Boys」の続編に出演することを試みたりもするみたい。

触りだけしか見てないけど、その後二人が口論したり、性被害のことをぶちまけたり、過激な部分の動画が関連として結構出てくる。この中でハイムはフェルドマンの知り合いの42歳の男から性被害を14歳から2年ほど受けたと発言。そしてフェルドマンもそれを知っていただろうと(←お前が引き合わせなかったら…という恨み節が込められてる感じでしょうか?)。
フェルドマンの妻も撮影の裏で一触即発だったと語っていたり、和やかなムードのリユニオンではなかった様子。で、結局ケンカ別れみたいになってしまう。

そしてその数年後の2010年、38歳でハイムの方が死んでしまう
最終的な死因は肺炎や心臓の問題ということみたいだけど、それまでの薬物問題から過剰摂取についてもかなり疑われたよう。直接の原因は肺炎かもしれないけど、長年の薬物使用の影響がなかったということはないんじゃないでしょうか。

そして彼の死後ぐらいから、フェルドマンは「The Two Corys」でも話題になったハリウッドでの少年時代の性虐待について発言するようになっていく。
2011年ハリウッドの大物(当時はまだ匿名)がハイムに性被害を与えたと言及。
2013年に「Coreyography」という回想録を書いて、そこでも二人が性被害にあっていたこと、映画「Lucas」の撮影時にハイムがその大物から「ハリウッドでは男同士のセックスは当たり前」と言われ性行為を強要されたことなどを記述。

ただ当時はそれを世間もそれほど真剣に捉えていなかった模様。
加えてハイムの母がフェルドマンが嘘を言っている、注目と金が欲しい売名行為だと主張し、訴えることも辞さないと圧力をかける。

さらに別のリアリティショーでフェルドマンがコリーズ・エンジェルズというグループをプロデュースするという企画をしていて、その中で立場を利用したセクハラ、パワハラまがいなことをしまくっていたので、「奴は信用できない!」的な動画もいくつか出てくる。キャラ的に世間からはあまり信用されていなかったから性被害についても深刻に捉えられていなかったという背景があるようですね。←元々なのか、トラウマによる影響なのか、被害者がおかしな言動や加害者のようなことをしてしまったことに対して、「あいつは信用できない」として性被害の告発も嘘だと言って貶めようとする人って絶対出てきますよね。現在のおかしな状態が性被害による歪んだ認知の由来だと捉えれば何もおかしくないし、そうだからといって性被害が無かった証明にはならないのに。

しかし2017年のハーヴェイ・ワインスタインへの#Me Too運動を契機にハリウッドでも性被害を訴える機運が高まる。ここで再び潮目が変わりフェルドマンが以前から訴えてきたことも注目されるようになる。

そしてスポンサーも集まるようになったからか、フェルドマンは自分とハイムが受けた性被害についての映画を2020年に制作する。

「(my)Truth:The Rape Of 2 Corey's」

映画はタイトルに(my)と付けてるだけあってあくまでフェルドマン視点でのドキュメンタリー。

*ティーン時代の状況や30代で「The Two Corey's」で再び共演したときの状況などを当時の妻や関係者の話を織り交ぜながら語る。(当時の妻とは離婚して今は別の女性と再婚)
フェルドマンの息子も出てきて当時接したハイムが優しい人物だった等語っている←ケンカはしたけどいい人物だった。そんな彼は被害者なんだと強調している感じでしょうか。

*ティーン時代、ハイムから二人でオナニー(セックスかも?)をしようと誘われたことがあると言及。それがゲイで恋愛の対象だから言われたのでなく、彼が大人の男たちに「大丈夫、男同士でするのは普通だよ」とグルーミングされてきた結果であると説明する。

*二人のティーン時代を知ってる複数の関係者の話なども織り交ぜて客観性を持たそうとしている→しかし出演者の内の二人はこの撮影の後に死亡。死因はハッキリ語られないが自殺っぽい←その人物も性虐待被害者で証言中に涙を流したりしていた。

*ハイムの母とフェルドマンに確執があったことにも言及。ハイムの母が余計なことを言わせないように(虐待の原因を作った毒親というレッテルを貼られるのを避けるため?)フェルドマンに色々と妨害行為をしてきたとメールなどを見せて説明。それも彼女一人でなく”Wolf Pack(オオカミの群れ)”と呼ぶグループ(バレたらマズイ権力者達が協力していたということですかね?)による嫌がらせを受けてきたことなど。←ウン?最近日本でも同じような話を聞いたような…某大物お笑い芸人性加害事件の裁判に証人A子さんを出廷させないように圧力加えてきたとかなんとか…。

*そしてフェルドマン自身に性加害を与えた人物を実名告白。
当時のマネージャー的な人物。スティーボーの動画でも言っていた人物達です。

*加えてハイムが映画「Lucas」で性被害を受けた相手の実名を告白。
それは共演者のチャーリー・シーンだと。←チャーリー・シーンは勿論否定している。
しかし映画の中では元妻デニス・リチャーズへのDVの件などを引用して彼の暴力性を強調。実際彼はアルコール、薬物、セックス(5000人の女性と関係をもったとか…)と依存のオンパレードだった。俳優一家の出身でそもそもハリウッドの上位層出身であると同時に、2000年代中頃から数年間は「Two and half men」のヒットで彼自身の力も一番強かった時期。一本の出演料もハリウッドで一番高いとかだったはず。だからハイムの母と結託してフェルドマンへの妨害等を裏で工作してしても驚きはしない…かなぁ。反対にフェルドマンがチャーリー・シーンの知名度を利用した可能性もなくはない。しかしさすがにこれほどの告発を実名でするのに嘘を言うかな?という気はするし、他の加害者は実際に捕まって実刑を受けてる人物もいるので信憑性はある。ハイムが性被害を受けていたこと自体は本人が言ってるから事実だろうし…。でも芸能界は汚い世界だから(性被害でなく子役時代にいじめられた腹いせ的に)落ち目のチャーリーをトコトン貶めてやりたいとか、別の思惑を疑わないわけでもない。難しいですね。というか、チャーリー・シーン自身が子供の時に性被害にあってる可能性が高そうだと思うんだけど…どうなんだろう?経歴見ると9歳からテレビドラマに出てる。明らかに何か大きなトラウマ抱えてるから各種依存になっているのでは?


神の子供たち

コリーのことは実際よくわかりませんが、ハリウッドを中心としたエンタメ業界はかなりのToxic Environmentであるのは間違いなさそうです(日本もですけど…)。

で、ここで考えたのです。

コリー・フェルドマンでさえ(←失礼😅)そんな目に遭っていたとしたら、「スタンド・バイ・ミー」で共演していたリバー・フェニックスは大丈夫だったのか?と。

コリー・ハイムが性被害を発端に負のスパイラルに陥ったのなら、リバーが薬物過剰摂取で亡くなったというのも、もしかしたらそこに原因があったりしないのだろうか?と。

しかしハリウッドでの性被害云々の前に、リバーは4歳でSEXを強要されたという話がある。当時親が入信していた「神の子供たち Children of God」(現ファミリー・インターナショナル)というカルト宗教のせいで。

この話は有名なんだけど、この「神の子供たち」という団体が一体どういったもので、どういう経緯で4歳の子がSEXをすることになるのか?気になったので調べてみたら、アマプラで「カルト集団と過激な信仰」というドキュメンタリー・シリーズを発見。その中で「神の子供たち」を扱った回がありました。

7つあるエピソードの内のエピソード3です。(気分が悪くなりそうなので他のエピソードはまだ観れてない)

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ドキュメンタリーは元信者のAmy Bril エイミー・ブリルの証言を中心に語られる。

「神の子供たち」は、元牧師のDavid Bergデビッド・バーグ1968年頃から始める(←写真で見るとかなりキショイ爺さん。当時で49歳ぐらい)。
(この後、時系列が割と大事だと思うのでなんとなくでも頭に入れておいてください)
バーグは反体制文化の言葉やシンボルを使い(時代的にヒッピー文化と繋がった感じかな?)、独自の解釈でキリスト教を説いた。

布教活動に音楽などを使用。フランスでは教団が結成したLes Enfant de Deiu(フランス語で神の子供たちの意味)という有名バンドが好セールスを記録するほど。アルバムタイトルは「Bible」曲名は「Come and Follow Me」など(←わかりやすい(笑))。
子供たちに「愛があればキスしてもいいんだよ。ハグしてもいいんだよ…」なんてことを歌わせてる。←一見ラブ&ピース的な歌だと勘違いしてしまう。まさかそれが”愛があれば子供にキスしたり触ってもいい”というペド行為を正当化しているとは思わないわけで…。

エイミーの父ジェレマイアは14歳の時にバーグに出会う。神の子供たちを創設した直後でバーグがジーザス・ムーブメントを始めた頃。←つまりかなり初期からのメンバー。
ジェレマイアは歌手だった。芸術の才能がある若者から始まり、キリスト教徒ヒッピー家出した少年少女にムーブメントが広がり信者を増やしていった。そして世界各地に130のコミューンが作られるようになる。

バーグは教義を”モー・レター”というイラスト入りの文書で説いて伝える手法をとっていた(モーはモーゼスの意味)。←イラスト入りなので子供にも伝わりやすい。その中で自分のことを「牧師」「王」「預言者」「遂行者」と呼んでいたそう。

そんな教義の中で最も急進的だったのは「Flirty Fishing 浮気釣り」
1970年代後半から、男女、特に女性のセックス・アピールを利用して信者を集める方法。資金獲得信者拡大を図る。
魅力的な体は神から与えられたもの。だから男を喜ばすために使うべきだという考え。信者の性的魅力を利用して教団の利益を生むように仕向けた。
それで釣れた魚(←魚言うなw)は22万3千人以上。

「浮気釣り」と同時に示されたもうひとつ重要な教義が「愛の規律 The Law of love」。この規律に従っている限り彼らの性に関する行為は正当化された。「教えを実践してSEXをした。すばらしいことだ!」「体を聖堂として我を迎え入れなさい」という風に。

→実体はクリスチャン・セックス・カルトだった。

2004年ファミリー・インターナショナルに改名。80か国に信者がいる(日本にも)。←バーグの死後(1996年没)彼の二番目の妻であるカレン・ゼルビー Karen Zerbyが後を継いで代表になっている。

エイミーは言う。最初の信者。つまり1世信者は疑うことをしない。しかし2世信者(エイミー達)は疑い始める。しかし彼らはそこにも予防線を張っていた→疑えば追放や罰を与える。相互に束縛し合うように操作していた。

エイミーは教団内で初の赤ん坊(1972年生まれ)。母は10代で出産。←割と特別扱いだったっぽい?でも1972年で初の赤ん坊はちょっと違和感…。教団設立から4年も経ってる。セックス・カルトじゃなくてももっと早く赤ちゃんが生まれてると思うんだけど…。

8歳でフランス支部に。そこからギリシャなど各地を移動。レコーディングしたり教団の番組に出演し世界各地に放送された。←オウムもメディア展開して似たようなことやってた。
その後両親から引き離され、そこから教団の性的側面を見せられるようになっていく。まずは性的環境に置かれて眺めさせられる。8歳の子供が見るには不適切な行為ばかり。(モー・レターのイラストでは子供が「親がセックスしてるのを見たわ。凄く楽しそうだった」「よし僕らもやってみよう!」と話して推奨している)
同じ年の子供たちはその環境に苦しみながら耐えていた。

バーグの誕生日にダンスを踊れというモー・レターが来る。細かい指示があり、女性は裸で薄いベールだけを持って踊るというもの。「優雅に服を脱いであなたの美を解き放そう!」と。そして誰かが「子供たちも」と言い出し、それをビデオ撮影することに(←児童ポルノ案件)。子供たちには当時、性的なものだという認識はなかった。バーグによって徐々に慣らされていった、グルーミングだった。
裸体やダンスは日常茶飯事。解禁期には誰もが触ってくる。そこに拒絶という概念は教えられない
位の高い人に近づけば近づくほど両親や社会から引き離される。そして最終的にバーグの住む家に入れられる。

13歳の時にフィリピンにあるバーグの家に入るように言われる。
当時は「選ばれた Chosen」と思った。しかし初めてバーグに会って衝撃を受ける。偉大な予言者だと思っていた人物が、実際は老けて太ったただの男性だったから。←子供は正直~wwwその直感、大事よ!
周りの人間は絶えず彼の体にキスをしていた。
彼の話す言葉を妻のカレンが全て書き留めていく。←モー・レターの元になる?
ローテーションで毎日別の女性が選ばれ彼の部屋で過ごす。

ある日エイミーも彼の部屋に呼ばれ、彼と結婚するように言われる。それは意志に関係なく決定事項。指輪をはめられ、彼の所有物になって彼の要望に応えるようにと。そしてその後に性行為が行われた。
反抗的だったので6ヶ月で別の家に移されることに。
しかし親友であったMerryメリーを残してきたことが心残りだった。

メリーはバーグの実の孫。エイミーとは音楽ユニットにも一緒に所属し、同じ部屋で寝食を共にし、姉妹のように育った関係
彼らはメリーにも指輪をはめてバーグの妻にし、性交することを強要した。

メリーは拒絶し、処罰の対象にされた。彼女は数々の虐待により正気を失った。悪魔に憑りつかれたという誹りを受け、マカオにある非人道的な矯正キャンプに送られた。そこでは拘束され叩かれるなどの暴力を受け続けた。そしてそれが他の信者への戒めにされた。←教祖の孫でさえ拒否すればこうなるんだという強力な戒め。
メリーは18歳で教団を脱退←”sent away”だから追い出された感じかな?
2017年、45歳でこの世を去る。

メリー脱退後、教団は虐待の容疑で捜査される。メリーは虐待の証言をすることに。
その後、彼女はホームレス状態に(理由は後ほど出てきます)。何度も死にそうな境遇に陥るがなんとか踏みとどまってきた。彼女は(脱退した)第二世代信者の英雄だった。
死因は自殺ではなかったがPTSDによるアルコールやドラッグ依存が関連している。←コリー・ハイムと一緒ですね。
教団での自殺率はとても高い。教団での知り合いが亡くなったと聞くと即座に自殺だと考えてしまう。なぜならそれが一番理にかなっているから。

組織には自責の念や後悔は存在しない。脱退して苦しむ元信者に対して教団は何もしていないことから明らか。
殺人や自殺がカルト内で横行。信者は命だけでなく夢や希望、家族も失っている。
エイミーは断言する。トラウマに起因する依存等によるSlow Deathも含めると100人は自殺者の名前を挙げることができると。
2005年時点で公式に25人の自殺者が確認されている。←番組制作は2018年。
エイミーの父親ジェレマイアも自殺をしている。彼女が20代半ばの時。
リーダーに賛同できなくなり組織から拒絶された。それは彼にとって家族から拒絶されたと一緒で絶望したのが理由だろうと。

父の死後、エイミーは葬式でドイツ人のカップル、ロンとアネカに会う。彼らは元信者脱退希望者を手助けしている。エイミーはこの時点まで脱退することを全く考慮していなかった。しかし彼らの言葉で脱退するなら今しかないと決断し脱退。ロンとアネカは今まで50人以上の脱退を手助けし、一時的な居場所や職の紹介などをサポート←教団からは敵認定されている。

1972年頃のロンとアネカの写真が映る。リーダーがロンに20歳の女性との性交を命令してきた。彼は拒絶し、アネカの寝る部屋に戻ってこの教団は間違いだった、出て行こうと言って脱退することに。

脱退の難しさについても語られる。まず教団が脱退しようとする人物には、罪深い人間だ、恐ろしいことが起こると脅してくる。
加えて、組織内で子供を作り、その子供たちに外の世界で生きるスキルを全く教えない。これも(二世信者が)脱退しにくくさせている。

→そして脱退しても生きる術を持たない、社会に馴染めない元信者たちは絶望や生き辛さから自殺する道を選ぶようになる。←もしくはメリーのように依存からスローデスに…。

2005年リッキー・ロドリゲスによる殺人と自殺の事件が起こる。
リッキーはバーグの妻カレンの息子でバーグの養子。 1975生まれ。事件当時は29歳。カレンが浮気釣りで信者に引き込もうとした男との間に出来た子供。しかしバーグの息子、教団のプリンスとして育てられる。終末期に預言者として人々を導く存在になると言われて。そのステイタスから母親を含むほぼ全ての周りにいる女性との性交が行われた。←トドラー(ハイハイする頃)から性交されていたらしい。
犯行前に撮影した動画では4歳から自殺を考えてきたと言っている。幼い頃から信者との性交を強制されてきたからだと。
教団はリッキーへのしつけを子育てのモデルとしてきた。
動画を撮影した翌日、信者(元ナニー兼彼の性虐待者の一人)をナイフでメッタ刺しにし殺害。その後拳銃自殺した。

元信者たちは言う、教団の子育ての影響には脱退後の今も苦しめられていると。そもそも教育を受けられなかったし、親やコミュニテイーから仕事の仕方も何ひとつ教えられなかった。人生の形成で重要な要素を何も与えられなかった。独り立ちする術を持っていない。

1988年、告発や捜査の結果、教団は公式声明として大人と子供との性交は廃止したと言及。しかしシークレット・レターが存在し、子供を愛することは罪ではないと裏で言い続けていた。
そもそも組織にいる人が変わってないのだから抜本的改革などありえなかった。←某事務所とやってることが一緒だな…。
当時の信者だった女性は、年上の男性(12歳の時に20歳の男性と)の性のはけ口にされることに対処しなければいけないことが最も苦痛だったと言う。

信者には性的虐待という認識がそもそも無い上に、外部の人間が入ることもできない。←改善しようがない。
脱退者がFBIに情報提供(名前や場所)をしてきたが、結局法で裁くことは難しかった。拠点が海外にあるのも理由のひとつ。←現地の法律との違いや犯罪者受け渡し協定の有無など壁は高い。よって今まで誰も有罪になっていない。←しかしリバー・フェニックスの関連動画で児童レイプ犯の教団関係者の写真が出てたので捕まった人物もいるみたい。

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カルトの手法というか、囲い込んで情報を遮断し、洗脳して認知を歪める部分なんかは散々見聞きしてきたことなのでそれほど驚きはしなかったです。ただSEXを勧誘ツールとして積極的に利用していた点はちょっとビックリ。てっきり内々だけでやってるもんだと思っていたから。女性信者はどうかわからないけど、入信した男性信者の中には教義なんかどうでもよくて女性信者とヤリまくれる、少女にも手を出せるということで入ってきた輩もいるんじゃないだろうか?コワッ&キショ~!

それと私的に余り意識が向いていなかった部分、脱退信者のその後、という部分に光を当ててくれたのは良かった。確かに歪んだ認知をもって外の世界で生きていくことは非常に難しいだろうなと想像できる。そんな信者たちの認知の歪みを強制してくれる施設とかサポートシステムとか民間ではあっても公共では無さそうですし。

それでオウムの元信者にも同じようなことがあるのでは?とググってみたらこの記事が出てきました。

サティアン内部の劣悪環境や強制捜査当時の記憶など、非常に興味深い内容。確かにメディアは外部視点の報道が殆どで当事者視点での報道ってあまりしてこなかったですもんね。しかしそこに学べることは沢山あるはず。
麻原にもハーレムみたいな状況があったと聞いた記憶がある。オウムのセックスカルト的部分とかもある程度オープンに語られる環境は必要かもしれない。個人で一夫多妻みたいなのをしている人とかもたまにニュースで見るけど、そこにカルト的洗脳要素はないのか?判断する材料になりますし。でも日本ではハードル高いだろうなぁ…。

この記事に出てくる元信者の方も成長期、主に思春期をオウムに捧げ、生き方のベースとなる部分を学ぶ時期を無茶苦茶にされてしまった。つまり人間としてベースとなる思考パターンをオウム式で最初に獲得してしまった。よってそれ以外の思考パターンに完全に上書きすることが難しい。洗脳が解けたかのように思える今でも、ふとした時にオウム式で物事を考えたりしてしまう。

閉鎖空間での洗脳は何もカルト宗教だけじゃなく、一昔前の田舎の集落なんかも同じようなものがあっただろうし(夜這いの風習が残ってて大量殺人に発展した津山事件とか似た構造を感じる)、現在の核家族で親からの思想しか入って来づらい状況もプチカルト化を生みやすいなとは思う。やはり成長期にいろんな大人が関わり、多様な価値観に触れておくことは色んな意味でのセーフティーネットになる気がします。何かあった時に逃げ場所が出来るし、思い詰めて自死に向かうことも防げるかもしれない。とはいえ親以外の大人も信用できないパターンが度々報道されるので、う~ん、難しい所ですよね。


ちょっと長すぎてスクロールするのも大変なので今回はここまで。
次記事は「神の子供たち」におけるリバー・フェニックス一家のことや、そこから脱退してからの軌跡、リバーのドラッグ問題や死に関する陰謀論などについてです。「マイ・プライベート・アイダホ」を理解するのに知っておいた方がいい、助けになる部分もあるので(私的にはありました)興味ある方は読んでみてください。

次記事のパート②はコチラ。


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