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日本ワイン検定2級・3級共通必勝勉強法②歴史編:CBT練習問題付き

今回は日本ワイン検定の中でも最初の障壁となる(?)「歴史」編です。理系人間なので歴史はちょっと苦手・・・でも、ちゃんと攻略法を見出しました!


私はワイン初心者で、ワインエキスパート試験も未受験ですが、日本ワイン検定3級の勉強から初めて、3級が50問中44問正解、2級が45問正解で合格できました!(意外と難しかった・・)

私は東大の工学修士という理系人間なのですが、試験を俯瞰的に分析して効率的に攻略することが得意です。この特技を生かして、日本ワインの攻略法を皆さんに共有します!

これから日本ワイン検定の筆記試験を受験される方には、是非、読んでいただきたいです!

また、ワイン検定は2級と3級は出題範囲の分布が少し違うだけで、問題はほぼ同じなので、3級を受験される方もこのシリーズを参考にされてください。
試験全体の攻略から、分野別解説まで、こちらのマガジンにまとめています。


日本ワイン検定を受験する上で、公式テキストは必須です!これだけは手元に用意してください!!

テキストが用意できたら、テキストに沿ってこちらの構成で学んでいきましょう!


「歴史」の学び方

「歴史」は公式テキストP35~P60で、ボリュームはややあります。本番の出題数は9問で、P56の人物図とP58の年表を含めて各節から1問ずつ出題されます。内容は、本検定独自の内容が多いので、出題数9問のうち、6-7問の正解を目指したいです。

一見、内容が細かく難しそうなのですが、「ブドウ誕生」~「江戸時代」までは試験に出せる情報が少なく、勉強すべき内容は絞れます。ここは確実に正解したい範囲です。

メインは明治以降で、情報量も多いです。ただ、運営が重視している事項はなんとなく分かってきたので、そこはしっかり覚えて、もしそれ以外の内容が出たら捨てても良いかもしれません。

それでは、各テーマ別に学んでいきましょう。

ブドウ誕生から日本への伝来:難易度(易)、優先度(中)

ここで絶対に覚えておきたいのは、ブドウ品種の甲州についてです。
P37右下の記述はしっかり読んでおきましょう。

  • 甲州=ヴィニフェラ種約70%、ダヴィディ種約30%

  • 酒類総合研究所が分析

ヴィニフェラ種やダヴィディ種を聞かれたり、種の%を問われたりします。ワイン概要編でも山梨30%の話がありましたが、ここでも甲州30%です!
甲州ブドウについてはしっかり覚えましょう。

それ以外のトピックは、ブドウが生き残った地域張騫がワインに出会った時代、など。

甲州に関する情報は確実にインプットして、それ以外の内容が出題されたら捨てる、という戦略もアリかと思います。

古代〜鎌倉時代:難易度(易)、優先度(高)

ここはテキストの記述が「ブドウの記録はない」とか「可能性は否定できない」といった内容が多く、問題として出せる情報が少ないです。

必ず覚えておくことは、ぶどうを持つ仏像に関連する「覚禅鈔」と「薬師如来」。必ず出る、と言い切ってもいいくらい出ると思います。私が受験した時も出ました。

それ以外の重要ポイントはこちら。

  • 古事記の作成された時代

  • ブドウの和名が初めて登場する「本草和名

室町時代〜戦国時代:難易度(易)、優先度(高)

ここも公式テキストが1ページ分しかないので、出る問題は絞れます。
必ず覚えることは、日本人が最初に飲んだワインは中国産であることと、それが「ブドウ液と酒を混ぜた製法」であることです。

また、ブドウ液と酒を混ぜた製法が記載されている書物が「今古調味集」であることも確実に覚えましょう。ちなみに、今古調味集が作成されたのは戦国時代です。

江戸時代:難易度(中)、優先度(高)

江戸時代については、まずは当時のブドウ酒の製法について覚えましょう。

ブドウの搾り汁に焼酎や酒、砂糖などを混ぜる

です。

江戸時代には、欧州と交流があったので、ブドウの糖分をアルコール発酵させる製法オランダの書物に記載されており、知識としては入ってきていました。この、オランダというのも覚えておきましょう。

江戸時代は、細かい問題も出ます。P42の検地の話です。
江戸時代の勝沼のブドウ栽培は、

  • 最も広い場所=上岩崎

  • 上岩崎は1843年に13町4反

少し細かいですが、これは出ます。私も3級で出題されました。

明治時代:難易度(難)、優先度(高)

歴史パートの本命は明治時代以降です。人物図と年表も実質的には明治期なので、明治期だけで3問出題される重要分野です。テキストのページ量も多くややこしいので、まずは情報を絞って系統立てて大筋を理解しましょう。

まず、明治期に誰がどうやってワイン生産を立ち上げたか、を時系列で整理してみます。覚えやすいように、少し意訳して書きます。

  1. 横浜が開港して外国人がワインをたくさん飲んでいた。

  2. 山梨のお寺の僧侶、山田宥教がそれを見てワインが儲かると考える(自分の寺院にヤマブドウが自生していた)

  3. 山田宥教が、お寺の信者であり造り酒屋を営む詫間憲久に相談して、共同でワインの商品化を目論む。→このワインは勧業博に出品される。

  4. 政府もワイン産業を立ち上げようとし、桂二郎ドイツに留学させる。

  5. 本格的なボルドーワインを学ぶため、高野積成が支援して、山梨県の高野正誠土屋龍憲をフランスに留学させる。

  6. 2人の活躍でワイン産業が立ち上がりかかるも、日本人に酸味が強い本格的なワインはなかなか浸透しなかった。

  7. そんな中、神谷傳兵衛甘味ブドウ酒を発明し、これが日本で普及した。

  8. 高野積成と土屋龍憲に学んだ川上善兵衛岩の原葡萄園を開設。

自宅にブドウが自生してる山梨の坊主がワインにビジネスチャンスを感じて、自分の信者の酒屋と一儲けしてやろうとワインを作り始めた、なんて想像すると、いかにもありそうな話で、一発で覚えました(笑)

キーマンは桂二郎でしょう。桂二郎は試験でも頻出なようです。ワインを調査していましたが、留学先がフランスやイタリアではなく、ワイン生産には馴染みが薄いドイツであることはしっかり覚えましょう。

その後、高野正誠土屋龍憲が本格的なブドウ栽培とワイン製造に尽力し、川上善兵衛による交配に繋がっていきますが、この辺りは後のワイナリーとセットで覚えると良いでしょう。

次に、農場・醸造所の流れを整理します。

  1. 1876年:札幌葡萄醸造所

  2. 1877年:三田育種場

  3. 1881年:播州葡萄園

  4. 1885年:三田育種場でフィロキセラ発見

まずはここまでで大丈夫です。この4つは頻出なので必ず覚えましょう。札幌→三田→播州(兵庫)です。

三田育種場は重要なので、テキストに記載されていない話を補足します。

三田育種場は、ワインやブドウ専用の施設ではありません。様々な農作物の種苗を試験栽培して、日本に合った農作物やその栽培方法を研究していた場所です。種苗だけでなく、牛や馬を使った耕作方法や農機具の研究などもされていたそうです。
今はNEC本社がある三田駅前にこうした施設があったのが驚きです。

なぜこの話を補足したかというと、フィロキセラが三田育種場で発見され、その後、日本全国にフィロキセラが波及したことと関係がありそうだからです。
ここからは想像になるので本当かどうかわかりません。世界中から種苗を集めていた三田育種場には、当然フィロキセラが紛れ込む可能性が高く、さらに、三田育種場から最新の種苗を全国に発信していたので、その流れてフィロキセラが日本全国にばら撒かれた、というようなことを想像してしまいます。
そう考えると、三田育種場でフィロキセラが発見された、ということは自然に頭に入るのではないでしょうか。

最後に、偉人たちとワイナリーの関係を整理します。

  • 土屋龍憲=まるき葡萄酒

  • 高野積成=サドヤ醸造所

  • 川上善兵衛=岩の原葡萄園

  • 神谷傳兵衛=牛久のフランス型シャトー

  • 福羽逸人=播州葡萄園の責任者

ここまで頭に入れば、大丈夫でしょう。

大正〜昭和時代:難易度(易)、優先度(高)

明治期とは反対に、大正以降はトピックが少なくなります。試験に出る内容も絞れます。
ここで最も大事なのは川上善兵衛関連です。

  1. 明治期に岩の原葡萄園を開設

  2. 1890年からブドウ約500種の試験栽培を続ける

  3. 1922年から品種交配に取り組む(53歳)

  4. 1927年にマスカット・ベーリーAを交配

  5. 1940年に22品種を公表

この流れと年号は必ず覚えましょう。

また、ロッシェル塩についても理解しておきましょう。

日本海軍が潜水艦の聴音機にロッシェル塩を活用。ロッシェル塩は酒石が原料になるため、ワインの増産を奨励。

という流れになりますが、重要なのは”酒石”が使われた、ということです。

平成〜令和時代:難易度(易)、優先度(中)

平成以降は主だったネタが無いので、テキストに書いてあることから前後の脈略なく出題されます。
歴史の流れで唐突に生産量の問題が出たりして、びっくりするパートです笑

あまり系統だった整理ができないのですが、テキストP53-55にはたしかに書いてあるので、このあたりのトピックは覚えておきましょう。

  • 日本ワインの生産量

  • 現在の甲州ワインの生産量

  • ナチュラルワインの酸化防止剤の添加量

  • KOJ

  • ワインツーリズム

明治期ワイン造りの全貌:難易度(易)、優先度(高)

明治時代のセクションと出題ポイントは同じです。

日本ワイン史年表:難易度(中)、優先度(高)

運営が重要だと思ってるのではないか、と想像する年代のうち、これまで出していないものをピックアップします。

  • 1907年:赤玉ポートワイン

  • 1922年:未成年の飲酒が禁止

  • 1967年:山梨県葡萄酒鑑評会

  • 1975年:日本のワイン消費でワインが甘味ブドウ酒を上回る

  • 1994年:輸入ワインの消費量が国産ワインを上回る

  • 2003年:国産ワインコンクール

  • 2008年:ワインツーリズム

  • 2010年:KOJ開始

赤玉ポートワインはなぜか出やすいので絶対に1907年と覚えておきましょう!

歴史のサンプル問題

歴史分野は以上ですが、実際に主題される問題をイメージできるように、各分野の問題を1問ずつピックアップしたCBT形式のサンプル問題を用意しました。下の枠からジャンプして、雰囲気を感じてみてください。

もっと本格的にたくさんの練習問題を解きたい方には、本格的な練習問題をご用意しました。

歴史分野で全53問作りました。(けっこうがんばりました・・・)そこから本番と同じ出題数(各分野1問ずつ9問ランダム)が出題される本格仕様です。

有料になりますが、力作なので是非ご活用ください!

歴史のCBT形式練習問題

歴史分野の練習問題はこちら。

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