【ほぼ解説】リーバイスの年代判別をする時に確認する場所
パッチ、ボタン、ボタン裏、ジップ、リベット、ステッチ
赤タブだけでもビックE、均等v、、など
様々な要素からモデルや年代を推定できるリーバイスですが古着屋やリサイクルショップで必死に検索し続けるのは気持ちや周りの目を気にすると避けたいところではありますよね
いつ掘り出し物を当てるかわからないので失敗したと思わない買い物にならないよう見るべきところと判断できるようなところをまとめていきます
お断り
今回まとめた物は501などの主要ラインのヴィンテージについての判別方法です
また画像は他者様の画像を拝借するのはトラブル防止のため避けさせていただきました
手持ちのアイテムで補完しきれていない箇所多数なことをお詫び申し上げます(随時更新予定)
当方素人のため間違いがあればコメントにて教えていただけると幸いです
稀にマイナーな型だと当てはまらない場合があることをご了承ください
年代と形で価値を判断
ボタン裏刻印
この情報だけで確信をもって判断するのは避けた方がいいですがかなり見るべきパンツを絞り込むことができます
この番号が何なのか完全に判明しているわけではないのであくまで説として理解しておいてください
ただかなり覚えやすくあてになる情報ですのでまずチェックすることをお勧めします
錆びていたり擦れや刻印自体が薄い場合などで文字が消えている場合もありますので読めない場合は次の工程に進みましょう
年代
一桁 【50~70s】
A D E F J K L O S W 2 4 5 6 8 16(例外)
特にアルファベットすべてと2の刻印は希少です
2桁 【60~80s】
10 12 14 16 17 20
16工場は50s~70s中期まで長期に渡り稼働していた工場で変わったモデルが多く人気のある刻印が多いです
3桁 【80~2000年初期】
273(ポーランド) 501 513 515 522 524 527 529 532 544 552 553 558 575 624 650 653 …
3桁になって5から始まるのはリーバイス社 6からは社外になります
555工場は人気モデルを数多く製造していたバレンシア工場(96~03、最後のアメリカ製)のため人気があります(現在はLVC復刻ライン製造のため再開、初期の復刻モデルのため人気)
524工場はエルパソ工場で1桁時代に製造していた66モデルの6刻印から旧6工場と呼ばれます
復刻
アルファベット+数字
現行
4桁
ボタン周囲の確認
Vステッチ ~1960年代
ボタン裏ついでにステッチを確認しましょう
ミシンの返し縫機構がなかった時代までは1960年代まで見られます
トップボタン脇にかけてVの字のような形で折り返してくるステッチはビンテージの証と言えます
フロントボタン
ボタンの種類は様々ありここでは1950年~のヴィンテージについているものを紹介します
足長R 1950年中頃~1960年代後半
LEVI STRAUSS & CO.のRが長いものの事を指します
通称足長R
月桂樹ボタン 対戦モデル
大戦モデルに使われるボタンには社名が入りません
後に交換を受け付けていたそうなので交換後のモデルだと社名入りフロントボタンになっているところに注意です
ジッパーフライ
501ではないからと言ってみるのをやめるのはまだ早いです
というかむしろ501以外はほとんどジッパーです
(501Zや501ZXXなど501でもジップが付いたモデルもあります。このモデルは短期間しか作られなかったことと、ジップということから価値が高いです)
ジッパーで年代判別
60年代製
グリッパー(GRIPPER)やコンマー(CONMAR)のジッパーなら60年代製
70年代製
タロン(TALON)やスコービル(SCOVILL)のジッパーなら70年代製
といわれひとつの判別の目安と言われています
80年代以降
80年代初期から中期にかけてLevi's刻印のYKKジッパーが使われ始めます
この移行期にかけてLevi's刻印のtalon製42ジップがあるみたいなので詳しく見てみる価値はありますね
【サイズ推定】ボタンフライ
フライボタンでサイズ推定
年代判別はできないですがサイズを推定することができます
パッチが消えてしまってしてサイズが分からない時に便利です
勿論実寸を一番に考えてください
1番上のボタンをトップボタン2番目以降をフライボタンと言います
以下フライボタンの数とインチ(例外あり)
ウエスト29インチ以下になると3つ
ウエスト30以上で4つ
さらに大きなウエストになると5つ
パッチ
まずは型番を確認
ざっくりとですが書いていきます
※年代によって型が細かく変わってきますピックしたlotは個人的な印象ですので悪しからず
パッチの素材と印字を確認
ここまで来たら年代や型をを確信に変えていくため様々照らし合わせていきます
手持ちの印字が消えかけてしまったりしているものが多かったので文章だけのものが多いのをご了承ください
【USA製】
ボタン裏刻印でもわかりますが確定させるため
パッチに made in USA 表記があると復刻の物でない限りは年代が2003年までの物であることが確定します
【年代判別】
~58年まで(※諸説あり)
鹿革が使用される
美品でないとほとんどパッチの印字は消えてしまっていることがほとんどですが
型番の後にXX(例501XX)と表記があること
その上の段にEvery Garment Guaranteedと記載がある
この二つが特徴です
58年~60年代頃?
XX紙パッチ 通称ギャラ(Every Garment Guaranteed)入り
55年になるとパッチが欠損しやすいことから紙パッチに変更されます
デザインは革パッチの時と変わらないです
美品でないとほとんどパッチが取れてしまっていることがほとんどです
確認が難しい時には下記に記述のあるリベットをもとに確認してください
62~65年
初期と後期があります
初期
Every Garment Guaranteedの文字が消えます
代わりに小さめの文字で中央にMade in U.S.A.と記載されます
後期
同じ段に100% CUTTON Made in U.S.A. WPL 423と中央寄せ字で記載されます
66~67年
XX記載が消えます
リーバイスが品番を変更したことで混乱を生まないよう以前の型番を左端に小さく印字したことにより型番が二つ印字されているのが特徴です
通称ダブルネームと呼ばれます
67~69年
ダブルネームが廃止されますが小さい文字の代わりにアルファベットが印字されます
使用されるものは以下の通りです
A S F I
何を意味したのかは不明ですがランクや出荷先を意味しているという様々な説があります
通称タイプ物と呼ばれます
70~90年代
アルファベットの印字もなくなります
型番の上や下にCARE INSTRUCTIONS INSIDE GARMENTと印字されているのが特徴です(そのため以降のモデルは内タブが付きます)
特に501の場合型番の後ろにレジスターマーク®がついているものは比較的新しいものになります
この時代から工場が多くなったためか例外が出てくるので推定くらいで納めて下さい
CARE INSTRUCTIONS INSIDE GARMENTで判断
70~80年代中期 黒字
黒字で印字されているのは
この印字が入っている物の洗濯時の収縮率などが書かれた内タグは要チェックです(66モデルなどの可能性がありますので個別で調べましょう)
80年代中期~ 赤字
パッチの印刷に組み込まれているのか文字が赤くなります
この年代の物くらいからは物によって価値が大きく変わってくるので注意が必要です
型番印字で判断
あくまで一例の可能性がありますのでこれだけで判断しないでください
80年代前期~80年代後期まで
lot番号がスタンプで黒字
80年代後期~90年代前期まで
lot番号が印刷赤字(太字)
90年代前期~
lot番号が印刷黒字(太字)
タブ
後ろを見たついでにタブも確認しましょう
年代判別
1936年~ 片面タブ
始めてタブが付いたといわれるのが1936年です
以下が特徴です
刺繍でLEVI'Sと書かれている
裏面に何も書かれない
レジスターマーク®がないこと
1953年~ 両面タブ 均等V
特徴
刺繍でLEVI'Sと書かれている
LEVI'SのVが均等に書かれる
裏面にも書かれる
®(レジスターマーク)がある
ここからの年代から両面に書かれます
また裏の文字は上下が逆になります
1966年~ 両面タブ 不均等V
特徴
刺繍でLEVI'Sと書かれている
LEVI'SのVが不均等に書かれる(いまのVの形)
Vについては右側の細いデザインになります
1974年~ スモールeタブ
1974年ごろになるとEからeになります
特徴
刺繍でLevi'sと書かれている
1982年~ プリントタブ
デザインは変わらないがプリントになります
見分け方としては文字の立体感や糸に光沢がないことが分かります
それ以外のタブ
タブの種類
®(レジスターマーク)のみ
リーバイスがタブそのものの商標権を持っていることを示すため社名なしでRのみのバージョンを10本に1本くらいの割合で含めているようです
タブの色
オレンジタブ 1960~70年代
1960~70年代に登場した廉価ラインです
白タブ 70~80年代(画像は横文字ですが通常は縦です)
1970~1980年代につけられるものです
デニム以外につけられるタブでワークを想定していないパンツにつけられます
黒タブ
混紡素材に使われているタブです
スタプレに主に取り付けられます
内タグ 1974年以降
ここら辺から年代によって見るべきところが変わってくるのですが共通してくるのは内タグを見るところでしょうか
(今回極東リーバイスなどは紹介したものと異なる事例があるかもしれないのでご注意ください)
そもそも内タグが付き始めるのは1974年からとなります
1980年代後半~1991年までの内タグ以外はボタン裏工場番号が書かれた行に月、年の順番で書かれます
1974年~
内タグが付けられるようになった初期のものは、数字の羅列が書かれたタグが存在しました
このタグには、数字が3行に分かれて書かれており、製造年月と工場番号が一番下の行に記載されています
書かれる順番は、左から製造月、製造年の下2桁、そして工場番号です
このタグは、現在のタグとは異なる印刷方法や生地、書き方をしていますので分かるようになりましょう
1980年後半~
1980年代後半のモデルの内タグは、以前よりもタグに書かれている文字の量が増え7行になりました
6行目には工場番号が7行目には製造年月が記載されるようになりました
この内タグには、製造年が下1桁しか書かれておらず製造月と製造年の数字が繋がっているという特徴もあります
さらに、この内タグは染み込みプリントのようなプリントの仕方に変わっています
つまり、1980年代後半のモデルの内タグは文字量が増え、工場番号と製造年月が明確に分かるようになった一方で、製造年の表示が変わりプリントの仕方も変化しました
1991年~
1991年から1994年にかけて製造されたものは、1990年以前に製造されたものと比較して内タグにペラペラで薄い生地が使われていることが特徴です
この内タグには一番上に数字その下に洗濯時などの注意点が書かれ、さらにその下に2行の数字の列が書かれた構造となっています
そして、製造年月と工場番号が書かれているのは下から2行目になります
この内タグには左から順に工場番号、製造月・製造年、製造番号が記載されます
1995年~2003年
逆にタグに時代を感じます
一番わかりやすいですね
バックポケット、足元ステッチ 1977年
足元は裾上げしている場合があるので重要視はしない方がいいです
シングルステッチ ~1977年頃
バックポケット裏のステッチがシングルステッチだと~77年であることが分かります
チェーンステッチ 1977年頃~
リベット
年代判別で分かりやすいところは隠しリベットか内側リベットの素材でしょう
また、ギャラ入りのころのモデルだと違いが出てくるため判別する時があると思いますが今回は省略します
隠しリベット 1937~66年
外側から見るとバックポケットの付け根にリベットが見えないことに対し、内側を見るとリベットがあるというのが隠しリベットです
リベット内側素材が鉄の銅メッキからアルミに 1963年頃
ほとんど先ほど紹介したギャラ入りか無しかと同じ年代に変わっていますパッチが欠損しているときにはここで判断しますほとんどこれだけです
ベルトループ
ほとんど形は同じだと思いますがヴィンテージになるとここでも違いが出てきます
オフセットベルトループ 1950年代後半~1964年頃
1950年代後半~1964年ごろまでの501XXの特徴的なディテールです
後ろの中心部のベルトループの取り付け位置が中心部より左側にずれているものになります
これは当時の技術では中心部に重ねてしまうとデニム地が層をなしすぎてしまうため縫い付けることが厳しくなってしまうことの対策としてこのような取り付けになっていたそうです
買うにあたって見るべきところ
リペア、破れ、解れは狙って買わない限りは避けるべき
ダメージデニムやそれを良さとして買わない限り下記に書く条件に当てはまる物は避けるべきです
股ズレ、中途半端な位置のダメージ、素人によるリペアこれは味のあるデニムには直結しません
古着としての価値
リペアやダメージ、色落ちはブランドなどで新品として売られているときには加工費がかかるため販売根が高くなる傾向がありますが、古着としてはリペア、ダメージ、色落ちというのは価値が下がる傾向があります
もし割安だと思った時には特に注意してコンディションを確かめるのがいいかと思います
まとめ
まだまだ赤耳やベルトループの太さを見るべきかもしれないですが、そのあたりとなると型番や年代をかなり絞れていると思うので個別にある特徴を細かく見ていくことをお勧めします
年代の見方を知ると古着を観るのがさらに楽しくなります
お出かけしたときにこの知識を生かしていいお買い物の役に立てましたらうれしいです