勇気を出して、リーダーとしてチャレンジをする人を僕は応援したい!
〜人生のオーナーシップを自らの手に〜Vol.14
現在、僕はエグゼクティブコーチとして、主に
大手企業(多くは上場企業)の経営陣、事業統括職(執行役員や部長職)などへのコーチングをしていますが、もう一方で中堅・中小企業の経営者の方へのコーチングもしています。
その中堅・中小企業の経営者の中でも、特に2代目社長など後継社長の方へのコーチングに力をいれているのですが、たまに
「なんでそんなニッチ(隙間、特定された)な人にやっているの?」と聞かれることがあります。
決して起業家や創業者を応援したくない訳ではないのですが、
なんだか、2代目・3代目などの後継社長を応援したくなるんですよね。
なんでかなぁ?と自分なりに考えてみました。そこで見えてきたものを紹介させてもらいます。
まず、起業家・創業者は、自分のパッション(情熱)であったり、
問題意識(社会に対してだったり、既存サービスに対してだったり)、自分の得意分野を持って、それらを原動力として、事業を立ち上げ、仲間をみつけ、顧客をみつけ、拡大をしていきます。
集めた仲間の中では、起業家本人が1番情熱があったり、こだわりがあったり、知見があったりで1番の発言力があり、また、強烈にみんなを率いていく迫力があったりすることが多いでしょう。
何も無いところから、立ち上げて行く中では、それくらいの迫力と覚悟と決意がなければ続けられないのも事実だろうと思います。
その意味で、起業家・創業者にとって、自身で立ち上げ、育ててきた会社は我が子のような存在と思われている方が多いように感じます。
一方、同族企業の2代目・3代目などの後継社長は
親御さんが立ち上げた事業だったり、代々続けてきた事業を引継ぎ、働く社員の方々、そのご家族も含めた生活を守る責任と同時に親の立ち上げた事業への想いや情熱を大切にしたいといった尊い想いをお持ちの方もいらっしゃいます。
但し、2代目・3代目などの後継社長の難しいところは、既に働いてくれている幹部や社員の方々がいる組織の中に分け入っていき、リーダーシップを発揮することが求められるところに起きがちです。
多くの場合、本人よりも幹部や社員は事業に精通していたりするし、事業で重ねてきた苦労に基づいたこだわりの厚みも叶わない場合も多い。
時には引け目を感じてしまいかねず、事業に関する討議をするにせよ、自分の理解が低いことが露呈するのでは無いかと不安や恐れも湧きかねない。
そのせいか、及び腰でみんなとのコミュニケーションをしてしまっている方もいらっしゃいます。
反対に、社長としての威厳を保つためにも、なめられてはいけないと思うが余り、不安や恐れを払拭しようと強気なコミュニケーションをしてみたところ、信頼を勝ち得ていない故に、空回りして、余計に職場の雰囲気が悪くなったり。
そうした失敗を起こす方もお見かけします。
例えが適正ではないかも知れませんが、
他人の土俵に登って相撲をとることを求められているような感覚をお持ちになる方が一定数いるように感じます。
こうなると、どうしたら受け入れられるのか?どうしたら期待に応えられるのか?どうすることが正しいのか?といった気持ちになるのもわかります。
そして、どんどん被害者感情が増していきがちになります。
その結果、
嘱望され社長に就任され、意気揚々と船出したにも関わらず
内心としては、
<今更だけど、自分が引き受けてよかったんだろうか?と少し考えちゃうんだよなぁ。
自分の無力さを突きつけられちゃっている気になるよ・・・。>
と弱音を吐きたくなっている方をお見受けします。
そうした方々に対して僕はこんな気持ちになります。
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「事業を引き継ごう」
「リーダーシップを発揮して奮闘してみよう」
と思ったその方の勇気を称えたいし、その勇気が挫かれずに引き続き発揮できるように勇気づけていきたい!
そして、「その方ならでは」の経営の仕方で、事業を引き続き成長させて行く道を一緒に考えて行きたい。
※「その方ならでは」の経営とは、
その方の「強み・能力・経験・キャラクター」を活かして、且つ
その方の「価値観・信条」を大切にしていく経営
⇒まさに「人生のオーナーシップを自らの手に」した経営
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このような気持ちに僕がなるのには、二つの理由があります。
一つ目の理由は
以前発信した
<あるべきリーダーを目指し、自分の価値を証明しようとすると・・・。>
〜人生のオーナーシップを自らの手に〜Vol.12
でもご紹介したように、自分が管理職として営業から本社に異動した際の苦しみを体験しており、他人事に思えないんです。
(僕は経営者になった訳ではないけど、他人の土俵に登って、リーダーとして成果を求められるような環境に就いたときの大変さは身にしみてわかるつもりです。)
これまでと異なる土俵でリーダーシップ&マネジメントをしようとする時に感じる孤独感にどれだけ苦しめられるか?
どれだけ精神的に追い詰められるか?
どうすれば旨くいくか?どうすれば受け入れられるか?どうすれば期待に応えられるか?
どうしたってそんな考えに支配されがちになります。
このモードは最終的には被害者意識に囚われかねません。
僕とはステージは異なるものの、同じような苦しみを味わっている後継社長が居れば被害者意識に囚われずに自分の力を最大限に活用できる道を見つけられるよう少しでもサポートし、勇気づけられればと思っています。
二つ目の理由は
後継社長が背負う苦労と似通ったシチュエーションの方々のサポート・応援を仕事としていたことがあり、放ってはおけない気持ちが湧くというものです。
私がグループ経営企画部門で働いていたときに、M&A(企業買収)した会社へ親会社から派遣された社長の方々のサポートをする職に就いていました。
買収した会社に社長として派遣された場合、買収された会社の社員の方々は、前任社長の代わりに親会社から送り込まれる新しい社長に対して、必ずしもウエルカムな態度の方々ばかりとは限りません。
(社員の方々がそのような気持ちになりかねないことは理解できますが)
「お手並み拝見」的だったり、内心面白くない方々もいらっしゃいます。
(表立って、反抗してくることは、あまりありませんでしたが)
派遣された社長のみなさんの悩みを聞く度に、たくさんの難題がご本人に降りかかってくることを私も目の当たりにさせてもらいました。
例えば
M&A(企業買収)した際に明るみになる
組織風土の違い(事業内容によって必然的に異なるものでもあります)が引き起こすコミュニケーションの齟齬であったり、新たな取り組みをし始めようとする時に引き起こる変化への抵抗、そして前述したような社員の中に起こる心理的葛藤など、挙げればキリが無いほどでした。
そうした難題を目の前に、社内で孤軍奮闘しがちになりかねない中でも進まざるを得ない社長としての苦悩と格闘を見てきました。
そして、私はサポーターとして、相談相手としてお話しを聞いたり、アイディアを出したり、親会社との橋渡し役をしたり少しでもお力になれればと当時は努力をしていました。(不十分なことは多々あったとはおもいますが)
このような買収した会社に派遣された社長が背負う苦労は、社内で孤軍奮闘しがちな後継社長の苦悩や痛みと、少し似通ったところがあるのではないかと思ってもいます。(当然、各社各様で事情はちがうこともあります)
だからこそ、自分の経験も通して、少しでもお力になれればと思っています。
二つの理由をここまで書いてきましたが
結局の所
リソース(自分の「Can」):
『自分の経験・知見(買収した会社の新任社長のサポート)』を活かし、
ヴィジョン(自分の「Will」):
『自分の信条「人生のオーナーシップを自らの手に」を大切にすることで一人でも多くの方が人生の主人公になる社会を目指す』
ことが僕にとって、大きなモチベーションになっているから
中堅・中小企業の経営者の、特に2代目社長など後継社長の方への
コーチングに力をいれています。
これからも
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「勇気を出して、リーダーとしてチャレンジをする人を応援したい!」
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を体現していきたいと思います。
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自分が大切にしている「人生のオーナーシップを自らの手に」という世界観や
この言葉の言霊が僕に体験させてくれたこと、僕が思っていることを発信していく時期に
来たという感覚に従い、不定期ではあるものの、発信を始めてみました。
(何も真理を説くつもりはありませんし、どれも私の仮説です。)
ご覧になって頂いた方の何かしらの参考や刺激になれば嬉しいです。
では、また。
エグゼクティブ・コーチ
ヴィニー垂水
自分の人生のオーナーとして主体的に生きることで、自分が持つリソースを気づき、最大限に活かすマネジメント・リーダーシップを発揮したいという方は↓