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♯3 本の紹介:渋谷ではたらく社長の告白

″嫌な人に会わなければいけない″、
″結果が出ない″、″クレームの処理″

日常には逃げ出したくなることが多い。

そんな時にあえて″渋谷ではたらく社長の告白″を読んで欲しいと思う。

サイバーエージェントの創業者、藤田晋社長の自叙伝。
どちらかと言うと起業を目指す若者が読みそうな内容だが、日常の逆境に立ち向かう人こそ読むべき作品だと思う。

最近だと2022年W杯の全試合無料生中継をABEMAで実施し、話題になったサイバーエージェントの創業秘話が赤裸々に綴られている。

▪️藤田晋という人間

個人的には、下記のような人間だと思う。

裏切り、執念、渇望、エゴ

字面にするとひどいが笑

メンターとも言える人を巻き込み、起業を提案したにも関わらず、現職の社長からより良い条件を出されると白紙に戻し、自らが社長として別会社を設立するくだりは、現実の生々しさを感じた。
(それが後のサイバーエージェントとなるのだけれど)

自分なら絶対に出来ない決断だ。
気まずい、どころでは言い表せられない、
尋常じゃない居心地の悪さを想像できる。
それでも藤田社長は歩みを止めない。

勿論、賛否はあると思うが、社会人として、こういった姿勢は心に響くものがある。

▪️ITバブル崩壊という地獄

本書の中盤〜終盤、藤田社長とサイバーは地獄のような苦境に立たされる。

ITバブルの崩壊だ。
アメリカで過剰気味だったIT投資熱が鎮火し、日本にも株価下落が波及していった。

当時上場したばかりのサイバーは、多くの投資家から期待されていた。しかし、日本でもIT株下落が始まると状況は一転する。

サイバー株も下がり続けると、上場時に高値で買った投資家達からはとてつもない怒りを買うこととなった。

その後、状況は悪くなり続けた。
株主に振り回され、社員は辞め続け、世間からはハシゴを外され続ける

この辺の、終わりの見えないトンネルのような描写はとても苦しい。
絶望に絶望を重ねた先で死体蹴りされる、そんな感覚だ。

▪️感想

本書はサイバーの創業秘話の裏話であると同時に、一人のビジネスマンが逆境に打ち勝つ物語でもある。

世の中に逆境に打ち勝つ物語は、数多くもある。
ヘレン・ケラーの自叙伝、ビクトール・フランクルの″夜と霧″など、
しかし、ビジネスマンの奮起の物語は、より身近で、日々の逆境に立ち向かう支えになると思う。

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