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蕨市〜日本最小の市とワラビスタン〜
皆様は埼玉県蕨(わらび)市という街をご存知であろうか。
埼玉・川口市と東京・十条の近隣の市であり
「日本最小の市」である。
総人口は約7万5千人ほどであり、面積は5.11平方キロメートル。
市長は頼高英雄(よりたかひでお)。
この街は外国人が多く住んでいることで知られているが、
特にクルド人と呼ばれる方々が多いことを皆さんはご存知であろうか。
クルドとは?
中東に住むイラン系の山岳民族であり、
国を持たない民族とされる。
それゆえ彼らは世界中に散布しており、特にトルコ共和国に多く暮らしている。
日本でも川口市や蕨市に在日クルド人が数多く住んでおり、ケバブ店を営んでいる方もいる。
しかし、国を持たない彼らは「迫害」を受けているのが現状である。
トルコ民族・政府から現在進行形で圧力がかかっており、
現地に住むクルド人の証言によると
「クルドのことを口に出したら、警察が来る。もしクルド人であることがバレたら逮捕されてしまう。それゆえ、僕たちは自分たちのことを公にできない。」
とのこと。
なぜ蕨市にクルド人が多く来たのか?
クルド人はなぜ埼玉県の蕨市という日本一小さな市に住み込むようになったのか?
実は蕨市の市長が公言するマニフェストに大きく関係している。
市長は日本共産党に在籍している方であり、蕨では簡単に外国人でも住民権が獲得できるそうだ。
しかし、クルド人の多くがオーバーステイらしいので、収容所に収容されてもおかしくない状況にある。
「仮放免」という状態であるのでなんとか生活できるが、
入国管理法改訂により、「強制送還」される可能性が高まった。
それゆえ、クルド人の方々は不安な状況であろう。
ワラビスタンを歩こう
蕨市を歩くと、まるで海外に彷徨ったのかのように外国人にしか遭遇しない。
クルド人のみならず、中国人、インド人、ベトナム人など、国際的といえば国際的である。
蕨市は全体的に見て、汚くジャンクである。
道をぶらぶら歩くと、体に障害がある方にたくさん遭遇した。
これは一度ではなく、何度もだ。
私の考察では、蕨市では障害のある方にとっても住みやすいように福利厚生がしっかりしているのではないか?と思う。
言い換えれば、ワラビスタンは「マイノリティの街」でもあるのだ。
ワラビのグルメ
蕨市に訪れたら、ぜひよって欲しいのはケバブ屋さんである。
ハッピー・ケバブというお店のケバブは美味しい。
店内もクルド人の方々が現地の言葉で会話しているので、リアルに彼らの生活を感じることが可能である。
僕が注文したのは、オーソドックスなケバブサンドの辛口ソース。
スパイシーなソースとそれを引き立てるかのような甘さの野菜。
そしてジューシーな鳥肉のケバブがミックスされて、極上のハーモニーを演奏してくれる。
その他にも、ケバブ丼などユニークなメニューもあるのでぜひ寄ってみてはいかがだろうか。
東京十条のクルド料理レストラン・メソポタミア
ここでさらに触れておきたいのが、クルド料理専門店が東京・十条に存在することだ。
十条には蕨駅から電車で約15分ほどで着く。
その駅の近くにあるお店が「メソポタミア」である。
私はこのお店に三度ほど訪れている。
私が写真の先生に従師していた時代にプロジェクトの一環として訪れた。
その時に東京外語大学で講師をしているワッカスさんに取材をした。
ここでは扱わないが、日本政府に対して難民申請をしているクルド人は多いが、
そのほとんどが認定されないそうだ。
毎年クルドフェスティバルをさいたま市で行っている。
残念ながら2020年度と2021年度はコロナウイルスの影響で開催されなかった。
開催されていた時の話や映像を見ると、色彩豊かな伝統衣装を身につけた女性が
伝統音楽に乗せて踊る。
平和的なお祭りな一方で、現地の方々は今でも迫害に苦しんでいるということ事実を知ると、複雑である。
クルド料理を何度かご馳走になった。
最初に食べたのは、ケバブである。
串刺しになったチキンのグリルと小麦粉の生地がマッチしており、非常に美味しい。
次にヨーグルト。
ヨーグルトは中東が発祥である。
日本のヨーグルトは甘いが、本場の者は酸っぱい。
そしてそれを中和するように蜂蜜が口にとろける。
なぜ入国管理法が問題視されているのか。
現在、ミャンマーでは大規模な軍事クーデターが行われてる。
インターネットも遮断されており、現地の住民が不当に攻撃・殺害されているというのが現状だ。
日本に住んでいる彼らが強制送還されるとなると、危険地帯に再び戻らなければならないというリスクを背負うことになる。
クルド人も同じである。
蕨に住む多くのクルド人はトルコからやって来た。しかし、トルコ政府の弾圧により差別的な待遇を受けたり、逮捕をされるため日本へ逃げるような形でやって来た人も少なくない。
日本に住むクルド人は「仮放免」という状態である。
言い換えれば、正式では無いため活動がかなり制限されているという状況である。
実際、入国管理局よって拘束されているクルド人は多い。
数年前のこと、管理局職員による不当な扱いの動画が話題になった。
さらに2020年には、渋谷で職務質問されたクルド人が抗議を行い
それに便乗した日本人や人権団体などがデモ行進したことも記憶に新しい。
(このデモの件に関して日本クルド文化協会は否定的な意見である。)
2021年国会による入国管理法改定案では外国人に対して刑事罰を加えることが可能になる場合がある。
与党では問題がないという姿勢であるが、実際のところ問題を解決していないのが現状である。
しかし、在日外国人は増加している。
小学校のクラスでは外国にルーツを持つ学生がいるのが当たり前である。
Z世代にとって外国との距離は身近であり、多様性がごく普通の社会と化している。
もちろん日本におけるクルド人も例外ではない。
蕨の街を歩けば、外国人の家族に必ずと言っていいほど遭遇するだろう。
まとめ
日本一小さな市『蕨』はその狭さに似合わないほどのシリアスさを持った街である。
日本に外国人はたくさんいるが、
国を持たず迫害されている民族が住んでいることを知っている人はどれほど位いるだろうか。
あくまでもこの記事に書いてあることは私個人の取材によるものである。
実際には現地に住んでいる住民にしかわからないこともあるだろう。
今後更なる調査をしていきたい。