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〔連続小説〕光の鍵🗝️#13

第13話:疑念の影

マナは、コミュニティの仲間たちと共に日々のワークを重ねていた。彼女は兄のマオやサラ、他のメンバーたちとの絆を深めながら、自分の能力を磨いていくことに喜びを感じていた。

しかし、心の片隅にはこないだ感じたサラの異変に対する不安が残っていた。

このコミュニティでは、彼らは自給自足に近い生活を送っており、鶏や犬、猫、羊、ヤギなどの動物たちと共存しながら、田畑を耕し作物を育てていた。自然と共生した暮らしは、彼らにとって大切な価値観となっていた。

ある日、サラがワークを終えた後、ナオとロイが彼女のところにやってきた。

二人は少し前からコミュニティに参加してきたメンバーだったが、他のメンバーからも慕われており、まるで随分と前からいるように思えるほどにすっかり馴染んでいた。

そんな二人は不安そうな表情を浮かべていた。

「サラ、少し話せる?」

ナオが言った。

「もちろん、どうしたの?」

サラはどこか違和感を感じながら答えた。

「実は私たち、マオに対して少し不信感を抱いているの。」

ロイが続けた。

「最近、彼の言動が気になるんだ。」

「どういうこと?」

サラは少し驚きながら尋ねた。

ナオはため息をつき、

「彼がコミュニティの運営について、私たちにあまり説明をしてくれないことがあるの。私たちが何を考えているのか、彼は本当に理解しているのか疑問に思う。」

ロイも頷き、

「それに、サラ、最近の君の様子も気になる。何かあったのかい?」

と尋ねた。

サラは二人の言葉を聞き、心の中で葛藤が生まれていた。

なぜなら彼女はマオの婚約者として、彼を信じている。

だがナオとロイの言葉には何故だか真実が含まれているようにも思え、否定できない気持ちがあった。

「でも、マオは私たちのリーダーだし、彼が私たちを守ろうとしているのは確かだと思う。」

サラは言った。

「そうかもしれないけど、私たちも自分たちの直感を大切にしなければならない。」

ナオは真剣な表情で答えた。

「私たちのコミュニティが本当に安全であるためには、疑問を持つことも必要だと思う。」

サラは二人の意見に耳を傾けながら、自分自身の異変やマオの行動について考え始めた。

彼女は何かが隠されているのではないかという不安を抱えつつ、もっと自分の内側をよく観察しなければと思った。

瞑想ワークをしながら、また、自分のことを含め、マオやコミュニティのことを冷静に見つめ直さなければ…

サラは心の中の不安を抱えつつも、自分自身を再評価する必要があると強く感じていた。

果たして、彼女たちの疑念はどのような真実へと繋がっていくのか…

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