え?何でPayPay使ってないの?
「え!カード使えないの!」
お会計のさいにたまに聞かれる台詞です。
小さなスナックなので、基本〝にこにこ現金〟でお支払いいただいております。
クレジット払いをご希望される方が殆どおられないので、カードを使えるようにはしていません。だけどね、私は言います。
「PayPayなら使えるよ!」
「いや俺はPayPayはしてないよ。なんかめんどくさそうやん。良く分からんし!現金もたん人のためにカード使えるようにしてた方がいいよ!」
あぁ…いやいやむしろ何でPayPay使ってないの?めんどくさいってカードの契約はできてるじゃん!カード翌月払い、PayPay即金ってだけだよ。お財布に現金なくても支払いができるって使い方は同じだけど、カードを切る手間もなく、なんなら現金より早く支払い完了するよ。真夜中にチャージしたって、ATMみたいに手数料引かれるようなこともないし、遠隔で支払いもできちゃうし、送金だってできるって知ってる?カードを使いこなしてるなら、ぜひぜひPayPayも使えるようになったほうがいいですよ!と、言えるはずもなく…
「ごめーん。利用される方がほとんどいらっしゃらないんで、あんまり考えたことなかったぁ。」
と笑顔で答えます。
今はほとんどの方がスマホを携帯していて、5年前くらいまでは頑なに「ガラケーが使いやすい。」と言い張っていた方々もいつの頃からかすっかりスマホユーザーとなっています。
が、それはスマートフォンとしてではなく、単に
携帯電話であり、連絡手段としてのライン(メール)のみ!で時々インターネット!な人が殆どです。
夜のお仕事をしていると、幅広い年齢、さまざまなご職業のさまざまな立場の方々と近しくお付き合いをさせていただきますので、個々のスマホのご利用なども自然と知ってしまいます。
還暦を過ぎた方であってもランチの写真を撮影しInstagramにアップする。地図アプリを使い行きたいお店を検索する。Amazon、楽天でポチッとなする。ネトフリを見る。UberTAXIを呼ぶ!って人もいれば、30代40代でもゲームしかしてない。インスタは閲覧のみ。ネットショッピングしたことない。ラインのスタンプはいつも同じ。って人もいる。
年齢を考慮せずに、どちらの割合が多いのかと言えば、断然に後者です。後者にちょっと使えるアイテムがひとつふたつとプラスされたくらい。
これからはAIが来るよ!AIの時代になるよ!って頭の良い人たちは未来を見ているけれど、それってホントに近未来?私が生きてるうちに来る?と現場にいるとその世界で生きている彼らを想像することができそうもない。
「コレ、頼んで欲しいんだけど。」
ネットショッピングの代行を頼まれることも多いのだけれど、ただ頼んだほうが楽だから〝面倒〟でそれをしないのか、本当に操作できないから出来る人に頼むのか…否、答えはひとつ。
そもそもスキルアップしようとする気がない。に尽きると思う。
新しいことに興味がない。仕事じゃないから必要ない。覚えなくても生きていけるし、できる人に頼めばこと足りる。
今回のコロナワクチン接種のネット予約にしてもそうでした。
(私の暮らす町では接種日の予約がPCサイトもしくはLINEでの受付です。)
自宅に届いた封書持参で駆け込んできたお客様が数人おりました。
「これ、どうすると?」
どうするとって…市役所LINEをお友達追加して、そこに封書で届いた必要な情報を入力し…
「分からん!して。」
つまり「どうすると?」は「どうしたらいいの?」ではなく「分からんけんして!」なのですよね。
確かにご高齢者ばかりのご家族は予約に戸惑ったことでしょう。時代はとっくに〝ネット=日常〟ということになっていますが、現実はまだまだ…。50代の方でさえ追いついていないのなら、ご高齢者ありきで考えたとき、この方法はあまりにも不親切でした。
確かにネット予約のほうが処理する側は楽でしょう。結局「ネット予約の方が簡単です。」というこの窓口は、受ける側ではなくて、提供する側が簡単なっているんですね。
これってすでにIT難民ってことじゃん。
あまりにも足早にやって来るIT化はますますIT難民を生みますね。
結局、AIの時代が来ても、携帯電話としてのスマホと同じように、他人事と興味もなければ、受け入れる寛容さもなく「分からない!」と 便利になる術を放棄し文明の利器の恩恵をなんら享受することなく〝不便〟を不便だとも思わず「難しい」と言いながら生きていくのだろうなあと思う。
ああ、そうか…これが二極化なのね。
どちらが良いとか悪いとかそういうことではなく、個々の生きるフィールドが2つに別れて行く。ただそれだけのことなのか。
じゃあもう言わない。
「PayPay使ったらいいのに!」
どちらのフィールドで生きて行くのか…それはもう自分で選ぶしかないのだから。
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