カトリック信者は祈ることができ、祈らなければならない。天主の介入だけが真理を明らかにすることができる。(2020年11月13日)
ヴィガノ大司教はまた、10月にトランプ大統領に語った「黙示録的な言い方」が非常に正しかったことを、この新しいインタビューで話しています。
ヴィガノ大司教「米国の選挙はまだ終わっていない。アメリカ人はいい結果になるよう祈らねばならない」
2020年11月13日
【編集者注】以下のカルロ・マリア・ヴィガノ大司教へのインタビューは、ジュゼッペ・ナルディが「Katholisches.info」のために行ったものです。2020年11月13日(LifeSiteNews) -
1.あなたは何年間か、駐米教皇大使でいらっしゃいました。あなたはこの国を、特にいわゆる自由世界で指導的なこの世界の大国を、非常に身近な経験からご存じです。今、米国では何が起こっているのでしょうか。
ヴィガノ大司教:ここ数カ月、米国は世界統一主義の計画の実現を目の当たりにしています。この計画は、例外はほとんど稀なほど世界のすべての国を巻き込むものです。この計画には、この最も重要な西洋民主主義の国家【つまりアメリカ合衆国】を含めないことができません。それは、この国の経済力と国際政治バランスにおいてこの国が果たす役割という二つの理由からです。
世界統一主義の独裁体制は、反対の声つまり、同調した主流の考えに反対して逆らう声が存在することを容認することはできません。しかし、もしもドナルド・トランプが大統領となり、共和党が議会や州政府で過半数を保持した場合、米国はそのような声になるでしょう。
世界統一主義の左翼のイデオロギーは、それに疑問を呈する不調和な声を受け入れないということを忘れてはなりません。私たちは計画的で高度に組織化された攻撃を目の当たりにしています。それは、政府機関のかなりの部分、ほとんどすべてのメディア、そして多くの多国籍の権力と国際機関の資金調達による協力を利用しています。さらに、経済的な面でも、民主党候補者の支持の面でも、外部からの干渉があることは明らかです。
私はまた、BLM(ブラック・ライブズ・マター)やアンティファのような民主党に近い運動が演じた不安定化させる役割を強調したいと思いますが、これらはすべて[ジョージ・]ソロスによって資金提供されています。ジョー・バイデンの勝利の不十分な発表と、選挙の真の勝者が確定するまでの間の時間の差は、左翼がディープ・ステートのよく知られた手口に倣って、暴動や市民の不安をあおるために利用する可能性があります。
2. 10月末、あなたはトランプ大統領へ公開書簡を送られましたが、その中で黙示録的な言い方を使っておられました。これらの言い方は正当なものだったでしょうか。この選挙は、その言い方を裏付けたと感じられますか。組織的な不正行為についての懸念や非難は正当化されているでしょうか。
ヴィガノ大司教:この文脈で「黙示録的」という用語を使用したことは、私には全く正しいように思えます。なぜなら、この用語は聖書で告知された天主とサタンの間の最後の戦いを指しているからです。私たちが目の当たりにしている出来事は、おそらく、反キリストが勝利し、教会と伝統的な社会が容赦なく迫害されるような最終的な戦いの一部ではないかもしれません。
しかし、確かに、この歴史的局面は、反キリストの国が確立されるであろう方法と時代【どんな方法か、いつごろか】に直接影響を与えることになるでしょう。その意味でトランプが大統領であるということは、ディープ・ステートに対して、そしてその思想的本質が反人間的で反キリスト教的な世界統一主義に対して、強力な障害物となることができるのです。世界の命運がかかっているとすれば、その言い方は黙示録的なものにならざるを得ないと私には思えます。
最近浮かび上がっている不正選挙については、担当機関が、規則に沿った集計を保証するように、明確さを作り出すことが必要不可欠だと思います。国民の意思が、エリートが受け取ることを欲することから離れるや否やすぐさま、それをポピュリズムとしてそれを無効化する時、交代する政治局面において民主主義の名前が使われることはできません。世界の左翼は、権力を獲得してそれを維持するために、武器あるいは詐欺による暴力だけを常に使ってきました。私たちは社会主義的全体主義のことを考え、ナチズム、ファシズム、共産主義といった、そのそのさまざまな化身のことを考えています。
3. すべての代議制民主主義国家のモデルの国家である米国で、どうようにして選挙が操作されてしまうのが可能になるのでしょうか。
ヴィガノ大司教:選挙が操作されている可能性があることは、事実の証拠によって証明されているように私には思えます。ソーシャルメディアに投稿された何十本もの動画の中には、集計員が投票用紙を操作している様子や、ごみ箱に投げ捨てられたり道端に捨てられたりしている票のいっぱい入った袋、トランプへの憎しみから票を改ざんしたと自慢する狂信者たちの姿がありますが、これらはすべて疑う余地を残していません。検証すべきことは、これらの不正の存在ではなく、その程度および重大性です。そして、票の管理を担当している複数の企業の株主やオーナーによって行われている票をスキャンするためのソフトウエアに改ざんがあるのが発覚したことも忘れてはなりません。
ここで私たちが話しているのは、ある特定されていない郡での小さな詐欺のことではなく、外部による干渉が組織的で、常にバイデンを支持しトランプに損害を与えるようにだけ調整されていることが明らかにされているシステム全体のことです。この選挙の結果は、誰が最終的な勝利者であるかに関係なく、これらの深刻な不正によって引き起こされた疑念によって、妥協したままにすることはできません。裁判所が何百もの糾弾を経て、今、実際に何が起こったのかを検証するために行動を起こしているのは偶然ではありません。
しかし、私は、一つの非常に重要な要素を強調したいと思います。それは、民主主義が、左翼によって権力の道具とみなされていることです。つまり、もし市民が、メディアによって巧みに説き伏せられて、左翼のために投票するの[が良い]と信じ込まされるがままになるのを許せば、国民は勝利を収めた、とされます。しかし、もし国民が政治家から繰り返し叩き込まれる洗脳やユートピア的な約束に屈しなければ、もし国民が左翼ではない政党や候補者に投票するならば、今度は【マスコミ操作や選挙不正などにより】国民は誰に統治されるかを選ぶことができなくなります。その時、エリートである上流階級が、大衆にとって何が良くて何が悪いかを、国民の代わりに決定するのです【これが「民主主義」です】。
4. バイデンや民主党、大多数のマスメディアが主張しているように、選挙は終わったと考えていいのでしょうか?
ヴィガノ大司教:選挙は非常に緻密な法律と規則によって規制されています。決定的なデータのように見せかけているテレビネットワークの予測に頼るのは、自分たちの望みを議論の余地のない現実として押し付けたがっている者たちの手のうちに滑り落ちる(auf jene zurückfallen)危険があります。
世界の指導者たちが、メディア、多国籍情報企業、世界金融、人道的組織、そしてベルゴリオの教会自体と一緒になってどちら側に立っているのかを私たちは十分に理解しています。しかしだからと言って、このことによって不正の存在が本当でなくなったりはしませんし、法を遵守した慎重な再集計の必要性が急務でなくなるわけではありません。--- もし法を尊重することが、まだ民主党にとって何か意味があるならの話ですが。
5. あなたは、カトリック信者やすべての善意のアメリカ人にもアピールをしています。それに耳を傾けてもらえると思いますか。歴史的に見て長い間、民主党に近い立場にあったカトリック信者は、今回の選挙でどのように投票したのでしょうか。
選挙結果から今のところ理解できることで言えば、カトリック信者の大多数はトランプに投票しました。米国司教協議会と自称カトリック信者の進歩的知識人たちによる中傷キャンペーンに、ホルヘ・マリオ・ベルゴリオと彼のバチカンの「マジック・サークル(魔術陣)」という異常な組織編成が加わって実行された中傷キャンペーンにもかかわらず、米国のカトリック信者は、妊娠9カ月目までもの妊娠中絶やジェンダー理論、LGBTQイデオロギー、世界統一主義の要求を支持する自称カトリックの候補者よりも、生命と家族を擁護するプロテスタントの候補者の方が望ましいと理解していたのです。
【訳注:教皇フランシスコの"マジック・サークル"とは、インサイド・バチカン紙によると、ローマでフランシスコと親しい友人たちの少数グループのことを指して使われている、とのことです。特に、影響力のある「進歩的な」イエズス会士らがその中に入っているとのことです。元教理省長官のミュラー枢機卿もこの言い方を使って、フランシスコの「マジック・サークル」のメンバーたちは、スパイをして誰がフランシスコの敵か味方かを区別し、オープンでバランスの取れた話し合いをすることを妨げていること、彼らは神学的な素養がない、教皇にへつらって、自分の利益だけを考えている、と批判しています。ヴィットリオ・メッソーリも、クリエレ・デラ・セラ紙に疑問を投げかける記事を書いたところ、「マジック・サークル」からこの新聞に圧力がかかり、メッソーリは協力者から外されたとのことです。】
浮かび上がってくることは、紛れもなく、カトリック位階階級の最高レベルが背信的にも世界統一主義の奴隷となっていることに目の当たりに見て、信徒が方向性を見失って【どうしていいか分からなくなって】いることです。さらにまた、キリスト教徒の国民と彼らの牧者たちの間に、はっきりした溝がますますできていることです。これらの牧者たちは、不法な外国人の無差別な歓迎を嘆願したり、公衆衛生委員会の「命令」(diktats)に従って教会を閉鎖したりするのに忙しいからです。
確かに、進歩的な司教たちの大部分の金融スキャンダルや性的スキャンダル、その道徳的な緩み、その教義上の逸脱は、米民主党、そして世界中の左翼一般に位階階級が与えた政治的支持と完全につじつまが合うものです。広い範囲で相互になされている支持で、私たちをいやでも考え込ませてしまいます。
6. トランプは、4年間にわたり、誹謗中傷され、嘲笑され続けてきましたが、2016年に得た(最新の数字によると)800万票は、政界左翼の一種の世俗的な「救世主」であったバラク・オバマよりも多くの票を得ています。果たしてトランプは、ロナルド・レーガン以来、最も人気のある米大統領と本当に言えるのでしょうか。
ヴィガノ大司教:トランプの人気を測るには投票の最終結果を待つしかありませんが、私たちは、これらの価値と健全な愛国心の感覚を兼ね備えている彼の能力に注目できると思います。こういったものは、逆に民主党が、世界統一主義の計画への無条件の愛着という名目のもとに、否定し、打ち消したがっているものです。トランプは、米国の有権者の大多数の声を表現する方法を知っており、彼の人気はそこから来ています。残念なことに、他の国々においては(in anderen Ländern)、たとえばイタリアのように、野党は、門番(Gatekeeping)的な役割に追いやられ、つまり、昔は他の政治運動が担っていたが今では政府の一部となっている役割で満足しているようです。土壇場で考え直すこと(Umdenken)がない限り、これは一種の理解しがたい政治的自殺への前奏曲のように私には思えます。
7. トランプは大統領在任中の4年間で、連邦機関の完全なコントロールを得ることができなかったと言われています。ディープ・ステートと呼ばれるものは存在するのでしょうか。存在するとすれば、選挙でもディープ・ステートが活動してきたのでしょうか。
ヴィガノ大司教:民主党政権が何年にもわたって続いた後に米国の大統領になった者が、短期間で明確な制度システムを改革できるとは想像できません。トランプがこれまでに行ってきたことは、彼の称賛に値する関与を示していますが、同時に、権力の中枢にディープ・ステートが広く浸透していることを明らかにしています。イタリアでも見られるように、左翼による政府機関、司法、メディアの支配は、数十年にわたる破壊活動、任命、脅迫、利害の衝突の結果です。私たちは、このような一般化した状況を4年以内に修復できるとは期待できません。特に、法を尊重して行動し、法と司法に対する組織的な違反 -- これを他方はするのですが -- によらないで行う場合には、そうです。
8. 聖座と教皇フランシスコが、このトランプを疎外するのを自分たちのやり方で支持したというのは、どうしてありえることなのでしょうか。私たちは混乱しています。民主党とカトリック教会の間に関連性があるのでしょうか。
ヴィガノ大司教:カトリック教会は、民主党とは何の関係もありません。その思想がキリストの教えと相いれないからです。むしろ、明らかなことは、ディープ・チャーチのディープ・ステートへの利他的ではない支持です。それは、政治的進歩主義が宗教的進歩主義と結びつく同盟であって、独自の「普遍的な宗教」を持つ反キリスト的な社会を確立するという目的のためのものです。
進歩的知識人と民主党の結びつきがなされたのは、1968年に、学生運動にまでさかのぼることができます。この結びつきは、第二バチカン公会議が採用した、ある意味で左翼が政治の領域で行ったことに劣らないほどの破壊的な、刷新の行動計画(アジェンダ)の教会の側面に基礎をおいています。カトリックの大学や団体でさえ含めた、十数年にわたるイデオロギー的洗脳の後には、社会に悲惨な結果を見ないわけにはいきませんでした。
確かなことは、今日、ベルゴリオは、ジョン・ポデスタが「教会の春」に関する有名な電子メールで表現した「切実な要求」(desiderata)に基づいて、世界統一主義の霊的役割の保証人として世界的レベルで選ばれたということです。私には、このアルゼンチン人の教皇がこれまでに行った仕事は、民主党と、さらに一般的には新世界秩序(New World Order)を打ち立てよう望む人々とにとって、まさに拍手に値する功績を持つように思えます。
【訳注:ジョン・ポデスタは、2016年のアメリカ大統領選挙の時、クリントンのための選挙対策長だった。自称カトリックのポデスタは、カトリック教会内にリベラルなグループの浸透を画策し、アメリカの司教たちに対してリベラルな反乱を起こさせるように図った。彼は、特に避妊について教会の教えを変えさせるために、左派にメールで「カトリックの春 Catholic Spring」を呼びかけていた。】
9. 選挙の数日前、ナイジェル・ファラージ[ブレグジット党(現リフォームUK)代表]は、「勢い」はトランプにとって好都合だと発言していました。票の集計からは、その反対の意見が出てきたようです。あなたのご意見では、トランプは今、何をすべきなのでしょうか。
ヴィガノ大司教:トランプの任期は2021年1月20日までとなっています。私たちは、法律で求められているように、またこの問題のすべての当事者が望むべきこととして、投票の再集計の結果と不正行為の糾弾の結果を待っているところです。その時点で、ファラージが正しかったかどうかを判断できるようになるでしょう。それまでの間、米上院で確認されたように、トランプには、透明性を要求し、投票箱で表された有権者の意思を守るために法律が彼に提供するあらゆる手段を行使する完全な権利があります。
10. 私たちは心理戦も目の当たりにしているのでしょうか?
ヴィガノ大司教:この戦いは本質的に心理的なものです。これは、主に主流メディアの仕事によって、大衆をあからさまに操作することに基づいています。虚偽だと恣意的に判断されたニュースをブロックするメディアの権利があるという名目で、ソーシャルメディアやテレビでの米大統領の発言を検閲するまでに至っています。しかし、このような検閲の姿勢は、イデオロギー的に同じ団体による「ファクトチェック」と、公式の物語に適合しないニュースを「フェイクニュース」と呼ぶ試みで始まったのです。
同じことが、世界的レベルで、パンデミックに関する情報で起こっています。公式データは、このパンデミックが大災害であると私たちに伝えるメディア発の内容に容赦なく反証しているのですが、これにもかかわらず、大衆はまだ恐怖にさらされています。なぜなら、新型コロナウイルス感染症は、その死亡率を考慮せずに、そうしないと受け入れられないような基本的権利に制限を課すための道具として使用されなければならないからです。ですから、バイデンが次の都市封鎖を発表し、どこでもマスク着用を義務化したいという彼の願望を聞いても、驚かないでください。彼は、パンデミック緊急事態の背後にあるのと同じ権力と一致しているのです。
世界人口の削減に熱心な「慈善家」のビル・ゲイツが株主であるファイザー社が製造したワクチンの発表でさえ、バイデンの勝利と想定されるとの発表後に延期されたことは、製薬会社が科学的研究という手段で追求する政治的なアジェンダ(行動計画)を露骨に表していると思います。私がインターネットで読んだところによると、PD[イタリア民主党]の元副大統領で現在はコンテ政権の次官を務めるサンドラ・ザンパが、この作戦に対してファイザーに感謝したということです。
11. あなたの考えでは、米国や世界中のカトリック信者は何ができるのでしょうか、あるいは何をすべきなのでしょうか。
米国のカトリック信者は祈ることができますし、祈らなければなりません。なぜなら、これほどの大規模な反対勢力の展開に直面しているため、天主のご介入だけが真実を明らかにすることができるからです。明らかなことですが、このことは、社会秩序の中でカトリック信者の首尾一貫した証しを新たにすることを排除するものではありません。
しかし、この人間的な行動は、常に共通善に触発されたものであって、超自然的な次元を見失ってはならないのです。イエズス・キリストは歴史の主であり、諸国の王でいらっしゃいます。彼らがイエズス・キリストとその至聖なる御母に忠実に依り頼むならば、主は試練の時にも子どもたちをお見捨てにはなりません。