病院の法則が乱れる・関東の耳鼻科編

結婚して一年目の頃、最寄りというだけの理由で駅前の耳鼻科に行った。そこは診察台のそばに待合室があり、声が丸聞こえのタイプの病院だった。私の診察までに5人ほど子どもの患者がいたが、どんな症状だろうが全員に「綿棒してない?!耳かきも奥に入るから絶対ダメだよ!」と判を押したように言うので、そうなのか…綿棒もダメなのか…なぜ子どもの母親だけに言うのだろうか…と脳内に刻み込まれた。

そしていざ自分に子どもが生まれると、なるほど、耳かきでも綿棒でも取れないような微妙な位置に、耳垢が穴をふさがんばかりの勢いで育っていく。明らかに自力では取れないので仕方なく耳鼻科に行くことにしたのはいいが、出産前に引っ越ししていたので、前の耳鼻科ではなく、新居から最寄りの耳鼻科に行くと、駅からも遠い場所という事もあって待合室は空いていた。

医者「赤ちゃんの耳垢取るの嫌なんだよね~動くし。怖いでしょ?」

(耳鼻科だけに)耳を疑った。「怖いでしょ?」の主語が誰なのか未だに理解できない。私が取るわけではないので医者だと思うのだが、医者が怖いかどうかを、なぜ患者の親に尋ねるのだろうか。

むむ、(耳鼻科だけに)出鼻をくじかれ、意外と困ったことになった。なぜなら周りに他の耳鼻科がないのだ。とりあえず通うには遠い耳鼻科に電話で「生後〇ヶ月の子どもですが、耳垢をとってもらうことはできますか?」と尋ねると、電話口の人は「もちろんですよ…?」と当然すぎる事をなぜ聞くのだろうか、という雰囲気の返事が返ってきた。ですよね?ですよね?最初に行った耳鼻科おかしいよね?この病院には何度かお世話になったが、何しろ遠い。

そうこうしているうちに住んでいる町が発展してきて、急速に病院が増えてきた。皆のもの!今こそ新規開拓じゃー!とばかりに調べると、子どもにも親切な耳鼻科があるという。待ち時間をネットで見ると、診療開始5分で16人待ち。そこからは常に26~30人待ちという、表示システムがバグってるのかと思わせる数字が並んでいた。それならば、と意を決して午後の受付終了時刻の17時前に行くと「待ち時間は2時間です。19時にまた来てください」と言われた。その病院の閉院時間が19時なのだが…?

一度家に帰り夕食を食べ、赤子と共に再び病院へ向かう。そして家に帰ったのは21時だった。私が行った時だけの話ではない。診療している日はいつもこの状態だという。一体どうなってるんだ…??

結局3軒の耳鼻科に行ったのはいいが、未だに気軽に通える耳鼻科を見つける事が出来ずにいる。子どもの耳垢にここまで翻弄されるなんて聞いてないで…。都会怖いな!

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