病院の法則が乱れる・関東の歯科編
眼科、耳鼻科、と続けざまに私の脳内の病院像は乱されまくっていた。が、関東で住んで一番に感じた法則の乱れは「うわっ!…歯医者、多すぎ…?」である。近所に何の店ができるのだろうかと期待すると、3回に1回は歯科が爆誕する勢いなのだ。
眼科を探すときに「若い医者の方が新しい技術への理解と関心が高い」と学んだ私であったが、いくら技術があっても、歯科においては設備が物を言う所が大きい。そして設備なんておいそれと買い替えたりはできないものだ。
知らない土地で歯科を選ぶにあたっては、新しい建物の歯医者を選ぶのが筋ではないだろうか。とはいえ、いくら技術に理解や関心があっても、数をこなしていない若すぎる医者も心もとない。なかなか悩ましい。
話は変わるが、当時、家から少し離れた所に絶賛大開発中の土地があった。今後、マンションがガンガン建つらしい。しかしその時点では強風が吹きすさぶ荒野に、ショッピングセンターだけがポツーーンと建っているだけの地域だった。そのショッピングセンターの2階がクリニックモールになるという。だが、まだ人類未踏の地に開業しようという強者がいるわけがな……いや、一軒だけいた。もちろん、歯科である。
その歯科は、私が理想とする条件を満たしていたが、それ以上に常軌を逸している、荒野のあらくれ者であった。
朝の9時~夜20時まで開院
365日年中無休
医者 1人
こ、これは…!!個人開業医でこの条件、色々とおかしい。自作自演の過労死なのだろうか。いや、診察全自動化やサイボーグ医者の可能性も視野に入れたい。なんだかわからないが、とりあえず勢いと心意気は感じた。何より関西人ならここを選ぶしかない…。
そして家族全員がここに通っている。3年ほどした頃、常駐の医者も増え、他人事ながら心から安堵しているものの、3年間無休だった院長、一体何者なのだろうか。
荒野のショッピングセンター周辺も、今や賑わい過ぎて明らかに人口過密状態だ。
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