「VIEWMOREとわたし」 EP.4 スタジオ5回でレコ
VIEWMOREのギターのゲンキです。
VIEWMOREが始まってから1年以上がたった。
今回は2022年のバンドの立ち上げから、年末におこなった初ライブまでのことを、5つのエピソードにそって、私の目線で書いてる。
タイトルはズバリ「VIEWMOREとわたし」
今回は全5回のエピソード4。よろしく。
EP.4 スタジオ5回でレコ
スタジオ5回でレコ
これはシンプルにおかしい。全員。頭が。
謎のスピードで曲を作り始めた(EP.3)VIEWMOREのメンバー(当時はノダさん、にんちゃん、もんさん、ゲンキの4人)
初スタジオからほぼ毎週、ピグスティのスタジオに入り、練習しながら曲を作っていった。
過去3回の記事を読まれた方であれば、発起人・バンドマスター・Mr.VIEWMOREであるノダさんの人物像が、少しはイメージできるようになってきたはず。
ただここまでのエピソードというのは、まだ序の口といっていい。誤解を恐れずにいうなら、この人は頭のネジが吹っ飛んでいる。
スタジオでMTGを兼ねることが多いのだけれど、会話の中でスケジュールが発表される。バンドの初期なんて、いいところ数ヶ月練習して、とりま初ステージを踏むというのがいいところ。
少し戻って富士山の初顔合わせで、ノダさんから発表されたのが「とりあえず年内にレコーディングを進める。それも初ライブの前には録り終える」というものだった。それが8月だ。
そこからレコーディングをしたのが11月。なんやかんや微調整は入ったものの、初ライブをやった12月には結局、最後のコーラス録りまで終えた。そして年明けには、ほぼリリースの準備が整っていた。
このスピード感。ほんとにノダさんは頭のネジが吹っ飛んでいると思う。
今聴き直すと、もちろん手直ししたい部分もたくさんあるのだけれど、まさに初期衝動とも言える勢いのある作品が出来上がった。その時のVIEWMOREのメンバーの状態をそのまま切り取ったみたいな。
スタジオ5回でレコ。
もしあなたがこれからバンドを始めるのであれば、一つトライするか検討してみてほしい。
「やっぱりアイツら頭がおかしい」
ってことがわかるはず。
一発で決めるもんさん
レコーディングの情景を少し。
場所は円山のリボルバー。コスケさん (THE DRUNK BO!S/THE KNOCKERS) がレコーディングとミックスをしてくれた。
レコーディング当日、仕事終わりにノダさんが車で私を迎えにきてくれ、リボルバーに向かった(ノダさんはスタジオの時も、いつも送迎をしてくれる)
曲は基本一発録り。ドラム、ベース、ギターで息を合わせて集中して録っていく。久しぶりにギターを手に取り、触るようになって2ヶ月程度のわたしは、かなり緊張した記憶がある。「様子がおかしい」とメンバーに笑われた。
確かに謎な行動をしていた気がする。道中、ギターのチューナーを忘れノダさんに家まで引き返してもらったり、土壇場で使うアンプヘッドを取り替えたり、直前にギターパートを増やしたり。これはあれだ。「テンパる」というやつだ。
そんな感じでふわふわしながら、ギターを弾く。それもでもほとんどの曲は1回。多くても2、3回のテイクで仕上げていく。録ったばかりの音を、その場で聴いてみても、悪くはない。
なんとか必死にギターを弾き続ける。集中すると音の聴こえ方が、普段と変わってくる感覚がある。いつもは気にならないような間や、音の細部にまで、意識が向いていることがわかる。
つまり緊張から「いつもと違う状況」になっているわけだけれど、このときは、緊張がいい意味でプラスに働いたかもしれない。
それでも余裕がないことは事実で、なんとか、もんさんとノダさんについて行くように、ギターを弾き続けた。
こんな感じでレコーティングは進む。すると気づくことがある。必死にギターを弾くわたしを尻目に、涼しい顔をしている男がいる。いつもと変わらない様子で、平然とドラムを叩いている男。
もんさんだ。
わたしがこんな状況になっているにも関わらず、もんさんはいつものスタジオと変わらない雰囲気で、確実にビートを刻んでいる。
場数というのか、そもそもの性格なのか、そういう人間なのか。
わたしの記憶するかぎり、もんさんのミスでリテイクになったのは、この日一日を通して、一回もなかった。
一発で決めるもんさん。
その様子からわたしはプレッシャーを受けるわけではなく、むしろ逆で、なんか安心感があった。なんか、かっこよっかた。これはまじですごいと思う。
ナバナゲーム
レコーディングはしていないんだけれどVIEWMOREの曲に『ナバナゲーム』と呼ばれる問題作がある。なんでこう呼ばれているのかの説明は、正直、書くのがめんどくさいのと、書くほどのことでもないので割愛する。
この曲の正式名称は『excite mosh』といって、曲のタイトルは、歌詞を書いているにいちゃんがつけた。
曲のベースとなる案はわたしが持っていった。これが問題作で、割りと初期からやっている曲ではあるんだけれど、これまでも何回か改造を施して、なんとか今も残っているという感じ。
この曲に関しては、お客さんからもメンバーからも不思議とコメントを貰える機会が多くて、それも賛否両論。かなりシンプルなコード進行でアルペジオが入ったり、他の曲と比較すると少し異質に聴こえるらしい。
そろそろライブでやる曲数も増えてきたというところで、ボツ曲の筆頭。もしかすると2023年で終了、、、という感じなので、これまでにライブで聴くことができたあなたはラッキーかも。
初期のナバナゲームは、ギターのオクターブの鳴きから曲が始まる。そこに「マッチョの外人が叩く跳ねるドラム」(わたしがもんさんにリクエストした)が入ってくる。ほぼ3コードの展開勝負の曲。曲の後半は、ストップ&ゴーで、オクターブの鳴きでゴリ押しする。
まぁイメージはあったわけだけれども、
まぁそれほど意識したわけではないけども、
まぁそんなにバレることはないかなー、、、と思ってたわけだけれども、
この曲をライブで聴いたまっさん(REAL SHOCKS MATTAR/Gt.Vo.)には「あれ○○○○○○やろ!」ってことで、2秒でバレた。
ワンチャン見逃してもらえないかーと思っていたが、やっぱりだめっぽかったので、そこから改造を余儀なくされた。それにしても北海道でこのツッコミができる人ってどれくらいいるんだろうか。
どうあれ、これからもいい曲作って、いいライブをしていけたらいいなと思ってる。自分の好きな1990年代、2000年代のハードコアの良い部分と、あたらしい時代の音や感覚を絶妙にクロスさせながら、新鮮で良い意味で異質なものをVIEWMOREで創っていきたい。
第4回はこんな感じ。
次回もよろしく。ラスト一回!
VIEWMORE ゲンキ