利用者の残存能力を引き出し、生活の再構築を支援する思考過程

介護保険法においては、介護を必要とする人たちの自立(自律)を支援し、尊厳の保持を目的としています。利用者の残存機能を活用し、個別性の高い専門的な介護が提供されることが必要です。利用者の思いや希望を聴き取り、支援課題を導き出し、計画的に段階的に支援していく能力が求められます。専門的に提供されるべき介護サービスにおいて、知識と技術に基づいた介護予防や悪化の防止が求められています。利用者の生活課題に向けた支援を計画的に行う思考過程が必要です。介護者は、利用者の障害を有する部分やできないことばかりに注目するのではなく、要介護という状態にあっても、一人の人として利用者を理解する態度が大切です。生活のなかにリハビリテーションの発想を取り入れながら、状況の改善を図ることが必要です。自分自身の物の見方を冷静に見極め、先入観に捉われた見方をしないことが大切です。利用者の生きていく意義を見出し、充足感を高めるには、どのように関わり、どのように働きかけていくのかを考えながら関わっていくことが必要です。介護の専門性の観点からは、知識と技術に基づいたサービスの提供することが求められます。