ホーチミンの『獄中日記』を読んでみよう
ホーチミンの『獄中日記』とは
『獄中日記(nhật ký trong tù)』は、ホーチミンが独立運動の支援を求めて中国で活動していた際に蒋介石政権に逮捕され、1942年から1943年の約1年間、中国国内の監獄で拘束されていた期間中に記した詩の日記です。
この作品は全部で133編の漢詩で構成されており、抑留生活での苦しみ、自由への渇望、そして日常生活の中でのホーチミンの人間らしさを描き出しています。
『獄中日記』は歴史的に重要な文書であるだけでなく、ホーチミンの思想や感情、人間性、そして自由への揺るぎない信念を表現した文学作品でもあります。この作品は解放の英雄としてのホーチミンの姿を象徴するとともに、ベトナムの多くの世代にとって深い教育的意義を持つものでもあります。
その文学的・歴史的価値は、ベトナム国内外で高く評価されており、現在でも多くの人々に愛され続けています。『獄中日記』は中国、ロシア、日本、フランス、ドイツなど、多くの言語に翻訳され、世界各国で紹介されています。
今回は、この『獄中日記』の冒頭である第1編を、漢詩、漢越語訳、ベトナム語訳、日本語訳の順に紹介します。
まずはベトナム語訳と日本語訳で内容を理解し、その後に元の漢詩を眺めながら漢越語訳を音読することで、この作品の奥深い世界をさらに味わうことができるでしょう。
第一編 「開巻(khai quyển)=日記のはじめに」
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710字
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