ベトナム語の婉曲技法
日本語は遠回しに言う表現が多いとされていますが、実はベトナム語も同様に、直接的な表現を避け、遠回しに物事を伝える技法があります。特に、明確な拒否やタブー、下ネタ、あるいは皮肉を使いたいときに、直接的な表現を避けるためのさまざまな言い方が存在します。今回は、ベトナム語における婉曲表現の5つの技法を紹介します。
① 否定語を使う
ベトナム語では形容詞などでの直接的な表現の代わりに、否定語を使うことで表現を和らげる技法がよく使われます。たとえば、「嫌い(ghét)」の代わりに「好きじゃない(không thích)」という表現を使うことで、表現のトーンを少し柔らかくすることができます。
「ghét」と「không thích」は理論上同じ意味のように見えるかもしれませんが、実際には「ghét」の方が強い嫌悪感を示します。こうした否定表現を使って程度の違いを意識することで、婉曲的に気持ちを伝えることが可能になります。
② 反語を使う
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