[過去記事まとめ] 定型構文特集
ベトナム語の文法力は語順やかたまりで見る能力の他に、枠組みとなる「構文力」も必要です。今回はベトナム語でよく使う構文についての過去記事をまとめました。
1. 話題提示構文を使いこなそう ~よく使う3パターンを参考に~
ベトナム語にも日本語と特徴が似ており、日本人なら直感的に語順を並べることができる構文があります。それが「話題提示構文」です。
話題提示構文とは
例えばKim tóc dài.という例文を見てみましょう。意味は「キムは髪が長い」です。ではこの主語は何でしょうか? Kim?それともtóc(髪)?でしょうか?
これは述語の部分を見るとすぐにわかります。述語はdài(長い)なので、長いのはキムではなく髪になります。つまり主語はtócです。
ではKim tóc dàiという文でのKimの役割は何なのでしょうか? それは「キムに関して言うと / キムっていうのはね」という意味でKimが話題提示(主題)の役割として文頭に出ているのです。
つまりベトナム語の話題提示構文とは「文頭にその文の主題(テーマ)を置く構文」だと覚えておきましょう。
話題提示構文を一般化すると
となります。これは日本語訳の語順そのままなので、日本人にとっては非常に身につけやすい構文です。
ちなみに発音する際には主題の後にカンマ「,」を入れたつもりでKim, tóc dàiのように一拍置くと相手に伝わりやすくなります。
話題提示構文の3パターン
話題提示構文は細かく分けると主に3パターンあります。
①主語の一部が前に出る
S của A + V~
→A(主題) + S + V~
先ほどのKim tóc dài.の文はこのパターンです。もとの文は「Tóc của Kim dài=キムの髪は長い」です。そこに所有・所属を表す「của=〜の」が省略され、Kimが文頭に出ると最初の話題提示構文の形になります。
②目的語が前に出る
S + V + O
→O(主題) + S + V
S + V + Oの文において目的語のOが話題提示のために文頭に出て、O + S + Vとなっているパターンです。
③行為主体(人)が省略されているパターン
[主題] + (S=人) + V~
これは一見普通のS + V〜の文に見えますが、主述関係を見ると話題提示構文となっているパターンです。
例えば
・Vấn đề này giải quyết rồi.
この問題はもう解決した。
という文の場合、主語はVấn đề này(この問題)に見えますが、実際にgiải quyết(解決する)主体は"問題"ではなく、人です。Vấn đề này(この問題)は本来目的語であるはずです。
これを主述関係に従って文を作り直すと、
・[人] giải quyết vấn đề này rồi.
[人]はこの問題を解決した。
となります。本来目的語であるはずのVấn đề nàyが主題として文頭に出て、「人」の部分を省略すると最初の例文の形になります。
このような文での「人」が省略されるパターンは、
の以上の2つの場合が主に考えられます。
③はもとの文を考えると複雑そうに見えますが、
どのパターンにおいても話題提示構文の基本形である
をおさえておけば日本語で思い浮かべた語順通りにスムーズにベトナム語文をつくることができます。この構文はネイティブも頻繁に用い、汎用性もあるので、ぜひ実践で使ってみて下さい!
2. Cảm ơnの様々な表現を学ぼう
cảm ơn(ありがとう)は最初に習うあいさつの一つですが、その表現には様々なバリエーションがあります。今回はcảm ơnの基本から応用的な表現まで学んでみましょう。
cảm ơnはもともとは「感謝する」という意味の動詞です。漢越語では【感恩】です。「ありがとう」はあくまで意訳の表現であることに注意して下さい。cảm ơnが動詞であると覚えておくと応用表現が理解しやすくなります。
またcảm ơnは口語では声調を上げたcám ơnもよく使います。cám ơnは特に南部で多用されます。ここでは便宜上cảm ơnに統一して紹介します。
ここから先は
¥ 350
Amazonギフトカード5,000円分が当たる
この記事が気に入ったらチップで応援してみませんか?