なぜラオスではベトナム語を話せる人が多く、日本では少ないのか?
以前バイクでラオスを縦断した際、ラオス語とベトナム語の言語体系は大きく異なるにもかかわらず、多くのラオス人がベトナム語を話せることに驚きました。
特にラオス南部では、ベトナム系の移民やハーフの人たちだけでなく、純粋なラオス人でもベトナム語を流暢に話していました。それに対して、日本人の間ではベトナム語を話せる人は依然として少ないように感じます。
今回は、なぜラオス人はベトナム語を話せる人が多いのに、日本人は話せる人が少ないのか、その背景や理由について考察してみました。
歴史的な人的交流によるもの
ラオスとベトナムは隣国として長い歴史を通じて密接な関わりがあり、人的交流が盛んにあります。これが言語の交流や習得を促進しています。
ラオスとベトナムはかつてフランスの植民地でした。当時のフランス植民地政府は人口が少なかったラオスに人種的な類似性を持つベトナム人を公務員として派遣し、移住させることで、間接的にラオスを統治していました。このため、植民地時代から都市部には多くのベトナム人が居住していたと言われています。
また、近年ではラオスの道路やダムなどのインフラ建設に関わるベトナム人も多く、北部や中部ベトナムから商売のために移住する人も多いです。
このような歴史的背景から、ラオスにはベトナム系の住民が多く存在し、現在のベトナム系コミュニティーの数は約10万人とされています。ラオスの総人口が約740万人であることを考慮すると、この比率は非常に高いと言えます。
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