黄昏
何のために生きるのか。
誰しもが考えたことがあるだろう。
家族、恋人、夢、欲望...。
動物的な本能で言えば、子孫を残すためだ。
だが、人間はそれだけでは満ち足りない。
いつの頃からそうなってしまったのか。
様々なものを求めてしまうから、様々なことに失望してしまう。
何にも誰にも期待せず、求めずに生きれるなら楽だろう。
だが、それはできない。
誰かに求められ、何かを為せなければならないと宿命付けられている現代社会では。
全ての既成概念を取っ払って生きれるほど、自分は強くないし...。
夕陽を見ると何故か虚しく、儚さを感じてしまうのは、悲しい思い出や上手くいかない辛さを感じているからではなく、
その心底には、誰かに何かを求められ、常に何かを為さなければならないということへの
煩わしさを感じているからなのかも。
世間一般の"善良"な人間でいるには、親から求められたレールを歩み、
それなりに安定した職に就き、結婚し、子供を育てて、杓子定規な"幸せ"を実現しなければならない。
...何か違和感を感じてしまう。
自分の信念は、心から湧き上がる情熱は、どこに行ってしまった。
見失った信念や情熱を取り戻せるのか。
夕陽を前にした虚しさはその自問への答えなのかも知れない。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?