斜陽の日本
歴史を紐解けば、どれほど権勢を誇った国や一族も、斜陽を迎え、没落していきました。
どれだけ栄華を極めた国でも、人間の驕りや慢心、保身や怠惰などが国に蔓延し、少しずつ且つ確実に内部を蝕んでいきます。
そして、その腐敗しきった国を新たに生まれ変わらせようと、内部から革命が起きたり、外部の強国に取り込まれたり。
人類の歴史は、腐敗と刷新の繰り返しであったとも言えます。
では、現代の日本はどうなのか。
国が腐りきっているという訳でもなく、かといって新興国のようなダイナミズムや勢いを感じる訳でもありません。
しかし、何か違和感は感じます。
古き良き日本が持ち合わせていたはずの義理人情や、助け合い精神、徳の心なんかは影を潜め、
利己主義や排他主義などが目立つようになってきています。
これは、日本だけではなく今の世界の潮流なのかもしれませんが...。
人材派遣業にも携わる者として最近感じるのは、日本人一人一人の"人間力"が低下してきているのではと。
核家族化による、コミュニティの崩壊や、企業が人を育てるという企業の社会的責任の希薄化による、会社組織での濃いコミュニケーションの消失。
様々な要因が重なり、日本人が人間力を鍛えていく場面が少なくなっているのでは。
加えて、少子高齢化が要因とされる深刻な労働人口の減少の埋め合わせとしての外国人労働者政策。
人間力が低下し、おおらかさを失った日本人は、外国人労働者の母国の文化を受け入れず、
日本で働くには日本のルールに従えと言わんばかりに、外国人労働者の人権を剥奪するような行為に及ぶ者もいます。
間違いなく日本は、隆興の最中にあるのではなく、衰退の道筋の途中であると言えるでしょう。
私も昔の日本人を知っている訳ではありませんが、
戦後からの脱却を目標に頑張っていたあの頃の日本人は、もっとパワフルで人間力に溢れ、尚且つ義理人情を忘れずにいたはず。
この国の人間力の低下が、斜陽の日本がより衰退していく大きな要因になるような気がしてなりません。
20年後・30年後に、パワフルでダイナミズムに溢れる中進国や新興国に、
日本がとって代わられるような未来がくるのではと、本気で考えています。
日本という国には、そういった危機感があまりにも欠けていると思います。
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