Babe of Infernoの作り方

JumpKingカスタムマップ多すぎ問題

2022年はJumpKing豊作の年、そう聞いて納得しない人はいないでしょう。
1月のBabe of the RealmsリリースからBoD、BFTB、BoM、BTTB、IB+、BoH、BoU、そしてBabe of Infernoと9つのカスタムマップがリリースされるというコンテンツ供給過多。

継ぎ目なく供給されるカスタムマップに疲弊と苦悩する人々。
その最後に君臨したまさに地獄、それがBoIでした。JumpKing引退した人もいるらしい、罪深いマップとなってしまった。

というわけでどうも皆様、こんツ目三昧四ツ目兎です。
2022年初頭から延々とリリースされるカスタムマップを苦悩しつつ遊んでいたわけですが裏では延々とBabe of Inferno、通称BoIの制作を一人黙々と行ってたわけなんですな。

溶ける時間、病む精神、さまざまな障害を乗り越え11月20日にリリースとなったBoIがどう作られるに至ったのか。そんな振り返りをしてこのBoIという物語を締めくくっておきたいと思ったわけです。

長くなるとは思いますが、裏話裏エピソード満載でお送りするので楽しめるとは思います。何卒よしなに。

この記事を読むメリット!

その1
JumpKingカスタムマップの作り方がこれでわかる!助かる!!!
カスタムマップ制作はハードル高いなぁって思う人もなんとかなると思えたらいいなぁ実際ハードル高いけどスタートライン踏み出す参考にはなると思います。
四ツ目さんもゲーム制作は0知識から手探りでスタートしてるので、この記事を読んで予習できるだけでもかなり助かるはず。

その2
あのJumpKing Nexile Award 2022のNexile’s Map-Design Awardに選ばれたBabe of Infernoがこんな風に作られたのか!?という裏話が学べるよ!
いやすげーよ表彰されるのは実際。
Nexile Awards 2022 - YouTube
みんな見てくれよな

この記事を読むデメリット!

当然ながらこの記事にはJumpKingカスタムマップ『Babe of Inferno』のネタバレをめちゃくちゃ多く含みます!
まだ遊んでない人は今すぐやれ!ナーフ版も出てるから実力が微妙な人も安心!

あと、ともすると「こんな制作のやり方してたんかい、幻滅しました」とか思う場面が出てしまう可能性があるので、そういう可能性も思いつつ許容できる方は見ていってください。今更隠すこともないなと思ったので書いてます。

カスタムマップができるまで

さてまず、実際真面目にカスタムマップ制作をしようと思った時の手順をざっくりおさらいしておきましょう。
解説記事は気が向いたら作ります。質問あれば答えますが

興味がなかったら読み飛ばしてくれぃ!

その1:Modsファイルの構成を学ぶ

Home – JumpKingPlus – An enhanced version of Jump King. ✨
はい、全英語ですね。厄介です。
MicrosoftEdgeのブラウザ自動翻訳機能を使えば読めるのでとりあえずなんとかなる。
基本的にJumpKingカスタムマップは『mods』と呼ばれるファイルの中にすべての構成を詰め込んでるのでこの中のファイルを弄って自分のカスタムマップを作っていくわけですね。

拡張子.xnbとかいう普段絶対見ないファイルがいるぞ!

各構成のどれを消したらどう影響するか調べてくところからのスタート。
今でこそ全体像把握できたからいいけど当時はBoDのmodsファイルを手あたり次第消したり戻したりして各ファイルの意味を読み解いてました。

改造 – ジャンプキングプラス –ジャンプキングの拡張バージョン。✨ (jumpkingplus.github.io)
このページを隅から隅まで読んだ上で完全に理解できればカスタムマップは作れちゃうんだよなぁ。それがめんどくさいんだけど


その2:ツールを用意する

ツール – ジャンプキングプラス – ジャンプキングの拡張バージョン。✨ (jumpkingplus.github.io)
まずカスタムマップ制作に役立つツールを上のリンクから抽出していく。
・XNBCLI
・TConvert
・Hitbox2Screens
・Jump King Manager
あたり入れとけばBoIは作れます。
ほかのツールを使いこなせてない(知らない)……公式さんありがとう

あとはイラストがらみ。
個人差あるのでお好きな方法でいいですが、Asepriteを買っておくのがめちゃくちゃオススメです。ドット絵ツールの最高峰

足場書くのなんかはWindowsペイントでいいぞ別に。
後はまあ随時必要になったら色々探るという感じ。


その3:足場を書く

modsファイルの『level.xnb』とか書いてるのが足場です。

Windowsペイントで書いてます

その4:背景を書く

後景、中景、前景、スクロール画面、マスク画面の5構成をひたすら書いてきます。これが一番ハゲる

中景
後景

やりながら色んな技法が生み出されていったのが面白いところではある。
地獄だったけど


その5:BGMを決める

フリーBGMでいいぞ!(思い入れとか無い)


その6:Babeイラスト(エンディング絵)を描く

無理だったので外注しました。外注サイコー!
そこらへんの話もまたやります


その7:リリースに向けた調整を行う

JumpkingPlus運営陣とやり取りしてリリース日とかテストとか進めていきます。もちろん全英語なのでGoogle翻訳フル活用で乗り切ったぞ


その8:リリースする

やったぜ!リリースだ!

という感じ。書いてみるとなるほど、手順を踏めばやってやれなくはないなというところですね!
実際は地獄のような作業量と構成分析がいるんですけどね!

まあ私の場合はこんな感じでしたという話じゃな。
先にこういう情報入れとかないと後述の話で伝わる部分と伝わらない部分が出ないかなと思いました。杞憂でありたい

実際に作ってみた

というわけで読者の皆様が本来見たかったであろう、BoI制作にあたっての話をしていこうと思います。
それぞれの場面でこんなことやってましたみたいなことが見れると楽しいと思います。

足場を作る

足場をつくる、とはつまりJumpKingが乗る足場のことですね。
上でサンプルを出したように、ドットで打ち込んだ色情報が足場に反映されるというシステムなんですね。

この時はAseprite導入してなくて、なんなら背景含めて全部Windowsペイントでやってやろうとか思ってました。今思うと無謀オブ無謀なんだけど、勢いってすごいと思いました。

マジでこんな作業風景

足場作成→プレイ画面で確認→微調整→プレイ画面で確認っていう作業をひたすら繰り返して進めていった感じです。
背景無しの時は足場情報だけが出てくる感じなので、それだけでも十分遊べるものにはなるわけですね。

最初の段階では漠然とスタートしたカスタムマップ作りも、作りながらこんな要素足そうあんな要素盛り込もうみたいな試行錯誤と理由付けをしていった感じです。

足場だけでも世界観がわかるようにしよう、というのは考えて作ってました。背景は二の次で考えてたところはあります。


足場だけで構築する、苗床の世界観

裏テーマとして考えてたのは『中心軸』『秩序』『荒廃』あたり。
気付いた人はいるのかいないのか、BoIのマップは基本的に中央に一本の軸が通ったマップ構成になっているのがわかると思います。
鍾乳洞の中央滝、現実から地獄、大砲登り、図書館、風、砂、谷、どこを見ても何か中央に軸があるような構成で組んだ印象はあります。

終盤に出てくる『蜘蛛の糸』というエリアを印象付けたいために中央に寄せた構成にしている所はありましたね。地獄に垂らされた糸を登ってJumpKingは諦めを踏破する、というテーマがありました。

無理やり中央に軸を持ってくるスタイル

よくよく観察するとどのマップも中央に一本なにか走ってるなってわかりますね。

新ギミックについてはどうしても盛り込みたいと思っていて、これまでにないものをとやりたい放題やってました。
水+低重力とテレポートが主だった新ギミックでしたが、テレポートについてはIB+が先にリリースされたのでチラと見た感じで「うわっ!先にやられた!!!」って感じはありました。
そこはまた別の話。

苦労したのが風エリアの煙突部分で、調整がめちゃくちゃ難航してました。
新しい感覚の跳び方ではあるものの、足場の場所によっては煙突の途中から入り込めてしまったり最大ジャンプが成立しなかったりしてましたね。
最終的に頑張れば煙突途中から入れるけど失敗したときのリスクは大きくというところで調整完了した感じでした。
代わりに最大ジャンプだけでいけるのは優しさです。

足場構成は四六時中、それこそ仕事中とかPC触ってないときとかも思考してた感じです。

大砲エリア、蜘蛛糸エリアイメージメモ
タワーオブインフェルノ構想メモ

紙の上でもJumpKingは作れるということが証明できましたね。
Jumpkingに脳みそ侵されてるのでは?と不安になりました

とまあ、色々とライアンドエラーでごにょごにょしつつ足場ができたわけですね。

仮マップで遊んでもらう

背景、BGM、Babeイラスト無しの完全に足場だけの状態で一旦Jumpking公式サーバーの方でテストしてもらえませんかとぶん投げるという動きが一回入りました。
正直な話ネタバレ防止の点からいくとダメな動きなんだけど、ここでぶん投げたおかげで協力者やコネクションが得られたという所は正直あります。
日本人勢みんなネタバレ嫌がるもので日本人協力者は地獄連合(四ツ目さん所属のJumpKingプレイヤーを応援するVtuber団体)のマオさん、ジドーさんだけというね。感謝感謝

ここからBoD、BoM作者のcjm氏、Immortal Babeを初見5時間クリアするbroiiler氏の協力を得られカスタムマップ制作が加速します。

フィードバックありだと難易度調整も捗ります。当初めちゃ難しかった砂エリアやお手手谷エリアもかなりナーフしたものです。(それでもムズイ)

足場だけマップを先出ししてたので、その時点の意見をもらえたのはモチベーションが上がりました。
タワーは最高だという意見が多くて完成まで頑張ろうと思いました。

そして時は7月、背景制作編へ。
地獄のはじまり

背景作りこんでいくぞ!

いよいよ足場も完成して背景作りという段階。
正直後景とか前景とかさっぱどわからず、なんなら背景はWindowsペイントとAviUtlで編集した画像使えばいけるかなとか思ってました。
実際背景で通用したのは氷エリアの背景まで(星の表現)。

拾い物の画像を使う、Windowsペイントで描く背景でいろいろな問題が浮上します。

Jumpkingの背景はそのドット絵ベースの世界観であるが故に、3D背景やぼかし表現があるとめちゃくちゃ違和感があるということ。
良さそうな背景があってもそのままぶち込むとJK世界観にマッチしないのですね。

そこで導入したのがドット絵こんばーたというサイト。
ドット絵こんばーた (monopro.org)
ドット絵変換を行ってくれる神サイトで、これがなかったらBoIは無かったと言っても過言ではないと思います。

そしてペイントじゃやっぱり無理!絶対無理!
仕方ないのでAsepriteというドット絵完全特化アプリを購入し1からドット絵を学ぶことに。
ドット絵ってグラデーションを2種類のドットだけで表現するんだなぁレベルのところから学んでます。マジな0から運用。

氷エリア

丸太を1本描くのに1時間くらいかかってた気がする・・・
背景の樹木は終盤も終盤で拾い物からドット絵こんばーた変換してます

1枚目から前途多難な感じですが、背景が乗るとめちゃ良いなぁとモチベーションが乱高下してました。
作業の長さによる絶望感と、これから完成版できたらどうなってしまうんだというワクワクで情緒不安定なるで。

氷エリアから地獄連合鯖で色々意見もらいながら背景進めてました。

Immortal Babeイメージ、これじゃない感で苦悩
我ながらここの氷よく描けたなって関心する。多分もう描けない

で、氷表現をドット打ち込みするの大変だとなって途中から手抜き表現に切り替えました。作業効率化を考えないと終わらんと思ってました。
氷と氷を繋ぐ感じは公式表面の氷エリアを参考に。

グラデーション氷(BoDも似たような感じする)

鍾乳洞エリア

タイル機能実装!

第2エリアからは作業効率化のためにタイル機能というものを覚えました。
これは最小限のイラストだけ描いていけばあとは繋げて並べられるというものです。Aseprite最高。

一部だけ作れば後は並べてOK

鍾乳洞タイルについては当時世界一になっていたSafeClimbingというゲームから参考にして描いていました。知ってる人は知っている

みんなもやろうSafeClimbing
https://store.steampowered.com/app/1154640/Safe_Climbing/

今世界二位で一位返り咲きは無理かなぁって萎えてるとこ。また違う話なんですが

滝については公式Ghost of the Babeより滝のエリアから色味を参考に描いてます。やっぱねぇ、公式の背景描写は神。

鍾乳洞エリア

足場だけが水という鍾乳洞エリア。
水中エリアはジャンプが遅くなるのプレイが遅くなってめんどくさいよね!という所から着想を得たステージですね。逆にめちゃくちゃ難しいとキレられました。

前景に黒で鍾乳洞を描いて魅せる表現は我ながら最高のアイデアだと思いました。とてもクール。
後景の青い背景は古いフリーの鍾乳洞イラストをドット絵こんばーた変換して使ってたり。自分で描いたり転用したり頑張って描いてます。

ここすき

やろうと思えば先の方のエリアから鍾乳洞エリアまでスカラベ落下するのもできたけど、さすがにヤバイと思ってやめときました。英断

個人的には鍾乳洞エリアまではめちゃくちゃ簡単な印象なんですが、プレイヤー側的にはめちゃ簡単派と全然難しい派に分かれる様子。BoIやっていい実力かどうかが見える指標かもしれない。

地獄入りエリア

最終的に落ち着いたけど微妙なとこ

個人的にここのエリアもうちょい良い表現あったかなぁは感じてるところです。井戸についてはBoAの井戸から。今度見返してみてください、そのまんまです。

BoAを参考した井戸

地獄堕ちしたときに目がこっちを見てくるという表現もやりたかったなぁとか思ってましたが、勉強不足すぎて上手く表現できませんでした。
敗北感。

雑だけど、こういう感じの表現もありだったのか・・・?わからん

魂浄化プラントエリア

大砲で上まで行くエリア。
ここのギミックはレルムズから参考にしてます。言わずもがな
三角足場に引っかかった後、風の影響が限界値を突破すると三角足場をすり抜けてカッ飛んでいくという仕組みです。
中央だけで上に行くように部分的に低重力を仕組んでます。若干たいまつあたりの挙動がおかしいのもそのため。

レルムズギミック

あと大砲の顔はDBのゴテンクス3が絶叫で時空の入り口開けるとこです。わかる人いるかなー

で、背景についてはめちゃくちゃ検討したけどしっくりいくものがなかったり個人的には納得してない出来だったりします。
色合いは公式裏裏面からもってきてます。アンタンブラの色味。

背景難しくてひたすら試行錯誤してます。

色々試したけど現在の形に落ち着くという。

あと書いときたいのはこんなとこ。

もっと上手くやりたかったかなぁ・・・タイル機能ガンガンに使ってる。
中央の赤い水は色が濁るとただの汚水で色味が悩ましくて今の形になりました。眩しすぎるという意見多くて悩ませてくれます。申し訳ねぇ

地獄大図書館エリア

ここから新しい試みを導入していくスタイル発動。
本棚エリア3枚については全部自分で描いてましたが、レベル違いの表現力のところはAIに描いてもらいました。
無料でできたのが図書館エリア分までだったので、図書館部分だけはクオリティよさげです。
本棚表現微妙って言われてたのがほんと心残り・・・夏休み費やしたんですけどね。図書館エリア描いてたら夏休み終わりました。
こんな素材抽出できましたってのをご紹介しませう

どっかで見たやつ
個人的に最高の一枚(自分で描けない)

AIってすげーと思いました。
使いこなせば背景一瞬でできちゃうじゃんって思ってました。

まあ実際はそんなこともなく。
やー、本棚ねぇ。一生懸命本棚描いたんですけどね。
カラフルにして画面映えさせないと画面寂しすぎるかなって思って色変えてたんですけどめちゃくちゃ不評のようで。

ナーフ版で色み落とされた本たち(お手製)

図書館の難易度はかなり簡単め、なはずなんだけど一部2Fジャンプがあったり落下強度が高すぎて上から下まで行っちゃう場面もあって賛否分かれました。
直すとしたら図書館最後の画面(風エリア手前)の一番上のとこなんだけど、途中の最大ジャンプありきで位置調整しようとすると引っかかる場面があるってので色々あって今の形に。かなり不評だし失敗した時の罪が重すぎるので反省点です。足場はレルムズリスペクト。

地獄の熱風エリア

ここで背景の雲がスクロールしているのがわかるでしょうか?
やり方をこの段階で覚えたので雲が動いてる背景になっております。

ステージコンセプトを地獄の蔓で行こうという表現はジドーさんにアイデアをもらいつつ、テクスチャ制作→タイルでビャーっと描いた後ガイドラインを整えるというやり方で進めました。

絵本ジャックと豆の木。これが
こう。完全に手書き

個人的にはすごく良い背景になったと思ってましたが、
結構にまぶしくなってしまってめちゃくちゃ不評でした。禍々しさを優先してしまったので目に悪いようで。これは反省点でした。

中央の煙突が途切れてる所についての調整は最高にクール。
ただ落下量が重すぎる(図書館上の方で止まるようにはしてたけど、たまに全部落ちる)というのが目に悪い点と合わさって地獄だったようで。

最大ポイントが山ほどあるので、わかってしまえば楽なエリアなんですけどねぇ。なかなか悩ましい。

ドットの時点でイメージは作ってた所

この風エリア最上部が私は好きでね。
本当は左右の蔦部分も省いてしまいたかったというエリアなんです。

何もない漆黒の闇、風に身を任せて跳ぶしかない勇気の試される場所。
世界観を最大限まで重視した表現でとても気に入っています。事故った人もいるみたいですが(ナーフ版でガイドつけました)。

こういう、世界観優先の表現がBoIの愛されてる要因でもあるのかなぁとなんとなく思ったりしてます。

ミステリアスパワーレインエリア

奇妙な力の沸く雨

新ギミック、水+低重力のエリアです。
中央に軸を持たせるというコンセプトで、入場から着地地点まで不思議な感覚になるエリアです。入場してすぐに「ここチャペルじゃん!?」という達成感と安心感でテンションが上がる構造にしてます。

正直難易度はめちゃくちゃ高いのでチャペルじゃなかったらダメだと思います。

足場の幾何学模様はこの段階で作って、ステージ全体の裏テーマとしても起用してます。
地獄に巣食う魔物の残渣で構成されてるというやつですね。
エリア最上部にいるのが魔物、ロバート君です。

最上部に巣食うロバート
粘膜っぽい表現でロバート体内を想定

設定上は、この雨は実はロバートの体液で落ちてきた獲物を浮かび上がらせているというイメージだったりします。
海外ニキが名付けてましたが何故ロバートなのかは謎です。
いやーミステリアス

ここの足場も眩しいみたいで、テストプレイしてたら個人的には気にならないんですがダメみたい。背景は後景と水の中にいる表現のために前景で構成されてて実は手が込んでます。

前景(薄い)
背景。わざわざ前と後ろ作ってる手の込みよう

発信源のロバートに近づくにつれ雨の音が強まっているということに気付いた人はいるんでしょうか

蟻地獄エリア

作者屈指の制作が難儀した苦悩エリア、アリジゴクです。
地獄連合内でも答え出すのに難儀したエリアですね。結局自分で答え出したんですが

現在の形になるまでに色んな過程がありましたね。

初期構想
第二案
第三案

どんだけリテイクしてもレルムズ感がぬぐえないという意見が止まらず、作者を苦しめました。表現力がなさ過ぎてダメなんだぁ・・・
ひたすら銅板って言われてました。つらみ

四ツ目さんは小説『クリムゾンの迷宮』が好きでして、地獄という表現で何かクリムゾンの迷宮に出てきた砂山をモチーフにできないかなと思っていました。

アンテロープキャニオンの美しい砂層

バングルバングル国立公園、パーヌルル国立公園、アンテロープキャニオンのグニャリとしつつも美しい砂層に惚れ込んでアリジゴクエリアは作られています。

道中に出てくる赤い目は『DOODLEBUG』と呼ばれる地獄のクリーチャー想定で描いてます。上に続く苗床と共に地獄の魔物は裏テーマで備えています。

自分で描いてみようとも挑戦しましたがドット表現で美しい砂層を表現するのが一週間くらい試行錯誤して無理でした。
行きついたのが実際にある砂層の資料をドット絵こんばーたでドット変換し、その一部をタイル素材として使うというものでした。
やっぱ実際にある砂層の美しさには勝てんのよ……結果的によかったです。

暗い背景のところの一番左だけ自分で描いてみたやつ。悪くないけど本家砂層に勝てない

結果最高の砂層表現になったので満足してます。

美しいカルバリ自然公園の風景。どこかで見たやつですね
地獄仕様だとこんな感じ
問題の箇所

この青い三角は何故青いのでしょうか。
多分作者的には「うーん、赤い目に赤い三角だと赤と赤で赤が被ってしまうぞぉ?目が目立たなくなるかな、じゃあ色を変えるか……」ぐらいの思惑です。このエリアの制作はかなり難航してたので頭がおかしくなってたのかもしれません。

じゃあ答えなんだよ!?ってなるんですが、ナーフ版で色味をほかの足場と同じにして結局これでいいんじゃね?ってなりました。謎ポイントですねぇ

砂エリアの裏テーマは「砂は上から跳ぶものっていう概念を覆したい」でした。所々砂の横面から跳ぶような構造になってるのがそのためです。

ナーフされた足場。最初は裏面の砂エリアのような形でした(上から入る入場が難しいやつ)
ナーフされたエリアその2。砂の下に水がある構造でしたが難易度が高すぎてボツに。
最後の面。描写力がないので砂山の頂上がきれいに描けない(´・ω・`)

のちのジョージ(谷)で進むルートに天の川のようなぼかし表現があるのですが、本当はこの最後の面でも書いとけばチープとか言われないで済んだのかもしれない。
リリースしてから描いてなかったことに気付くというガバです。
よく見ると上から暗いツタのようなものが見えてます

渓谷(gorge)エリア

ジョージジョージ言ってたけど
実際はゴージでしたって今気付いた私です(ガバ)

並べると美しさに感嘆するって構図です。
Immortal Babe5エリア目に似たような足場があって、そこからインスピレーションを得て作っています。亡者の手は3Dモデルのゾンビ手をドット絵変換して配置してます(自分で描けない)
亡者の手エリアの足場が赤いんですが、最初は青くしてたら氷足場と間違うぞってことで海外ニキに修正指示受けたためです。些細な事ですね。

最初は全足場2Fジャンプの想定でしたがめちゃくちゃ批判されて今の3F→最大ジャンプ→2F(弱いと救いあり)というバランスになってます。難易度調整は大事です。

上から鳥足場に行く際のドット目印(赤)

鳥を追う時に絶対ヤバイという想定で作った奇跡の1Fジャンプなんですが、実は下からつついたら鳥捕れるということに1月時点で海外ニキが発見するという驚きがありました。
作者も気付いてないってんだからヤバイね。

苗床エリア

苗床(SEEDBED)

テーマは蜘蛛の住処、苗床。実力の無い者たちはたちどころに絡まれ、縛られ、養分になるだろう。
という繭エリアの上にいる蜘蛛さんの住処が苗床です。

終盤も終盤なので難易度上げておこうってやった結果思ってた以上に2Fジャンプが連発することになり頭をかかえたエリアでもあります。
ナーフ版製作にあたりほぼ全箇所のナーフが入った稀有な所でもあります。

最初のエリア、ここで初めてシークレット壁の使い方を覚えないといけない!となってファイル構成の部分を勉強することになりました。
手探りが過ぎる・・・

グロテスクであり、鳥かごをイメージさせる中央部のオブジェ

鳥かご部分は中に入った後外に飛び出して事故らないように、という配慮で左側から出られないようにしてたんですが逆に「見た目に反してて進み方がわからない!」と思わせてしまったところが失敗です。
ビジュアルを重視しすぎてしまう部分があったようです。ナーフ版で修正

左右ワープのギミックを使用してるがためにバグで予期しないエリアにワープしてしまう現象がリリース前に起きており(まゆ手前)、バグ修正のために壁を追加したら2Fジャンプになってしまったという話もあります。
進行のために難易度を上げざるを得ないという苦悩がありました。

さてこのグロ足場、いろんなパターンを試して現在に至ります。
当初はゲームソフト「沙耶の唄」から参考にして、人肉の壁・ピンクの壁かなぁとかいってその手のグロ資料を読み漁ったりしたものです。
流石にプレイするのがキツすぎるかなと思い現在の形に。

試行錯誤の末に到達したのがショゴステクスチャという手段でした。

ショゴス(無料版)

ショゴス4種!! - カトシキスーパー - BOOTH

この絵を見た人は「ああっこれかぁ!!?」となったと思います。
ドット変換を加えてますが、このショゴス1枚絵のみを弄りまわして苗床エリアはできてるわけですね。
ショゴスショゴス言ってたのはこれでした。

おかげで個人的に大好きなエリアになったと思います、苗床。
難易度高すぎてブチ切れそうになるんですが。
カトシキスーパーさんに最大限の感謝を。

まゆゆ

苗床のまゆについてはBLAZBLUEよりアラクネの繭を参考に。好きなんすよねアラクネ。
PならばQ中のPの否定で発動するグラフィックを参考に描かれてます。

蜘蛛は最初ナスカの地上絵に出てくる大きな鳥をイメージしたドット足場から進めているため、無理やり感があります。気に入ってるけど異形は異形。最初は鳥だったんですねぇ、はぇー

蜘蛛の糸エリア

背景がうごうご蠢く

タワー手前のエリアだけあって難易度は上げすぎないように注意した蜘蛛の糸エリア。思い入れはそこまで深くなく、コンセプトである日本人的な地獄表現として芥川龍之介氏より「蜘蛛の糸」から構成のヒントを得ています。

地獄に落ちる糸をたどり、地獄を抜け出すJumpKingという構図ですね。

足場が見づらくならないようにというのをめちゃくちゃ気にしたのと、
その上で演出を、と考えた結果が背景で黒い糸がスクロールする演出だったりします。

ここまで制作進めていると演出もこなれてるもので、斬新な表現にできたかなぁとは思います。

最後のジャンプについては2Fしかなく、難しすぎたかなぁというのは確かに思いました。

問題のシーン

ただ、ここ3Fにすると延々とタワーチャレンジできちゃうかなぁと思って2Fのままにしました。

なんならテスト段階ではタワーから落ちたら苗床の繭まで落ちる仕様にしてたので譲歩できるラインって感じです。2F成功すればタワーに挑戦し続けられるバランスです。いや難しいわ

蜘蛛の紋章はハンターハンターより幻影旅団の蜘蛛タトゥーから。

THE TOWER OF INFERNO

ラスボス(タイトルが見づらい)

四ツ目さんが心血注いで気合い入れまくった最終ギミック、タワーオブインフェルノ。
これまでの苦悩と苦痛と陰鬱とした世界観をブチ飛ばしつつダーク感は守っている傑作だと思っています。BGMの飛翔が神過ぎる。

制作にあたって地獄とは?という資料を穴が開くほど見まくってイメージを膨らませていました。研究を進めて最終的に行き着いたのがファイナルファンタジーの万魔殿パンモデニウムでした。

万魔殿パンモデニウム
どこかで見たような柱の模様

資料は参考にしつつ、自分でドット打ち込みをやって作りこんでいます。
タワー背景は数種類のタイルをコピーした後に紫部分だけボカシて不規則部分と規則性のある部分を設けています。

参考資料を見るにもうちょっと手の込んだ背景にもできたとは思いますが、時間がかかりすぎるかなというのもあって現在の形におちつきました。

ギミックについてはImmortal Babe+とTrue Babe of Ludwigにてワープギミックが出ていたんですが、差別化を図るために独自のワープ解釈の見た目にしていました。というか制作時点で知りませんでした。

読者プレゼントのワープ魔方陣

オマージュ等は行っていましたが、パクリと思われてはいけないという点においては注意を払って制作していました。過去に格闘ゲーム作品の動画で批難を浴びてからオマージュとパクリのラインについては考えさせられてる所ではあります。

鳥かごに囚われるJumpKing君

背景、BGM、ワープポイントのグラデーション、一本螺旋を描いてるあたり含めて私はこのタワーの見た目は気に入っています。落下の芸術もめちゃくちゃ意識して端に落ちないのも大事だって思わせてます。

このエリアに感動してくれた人がいたので、私は報われた気持ちになっています。ここまで登ってきてくれてありがとうと、そう言いたいですね。

最後の最後にやってんなコイツ!と思わせた極悪姫ジャンプ

足場については自分で描きましたが、背景の燃える地球のような天体は有料コンテンツをポチってドット絵こんばーた変換したものになります。

多分どんだけ逆立ちしても感動できる最終絵が描けないなと判断して購入に至ってます。この背景自分で描いてたら凄すぎです。
夢壊れたって人はごめんね。

と、なんだかんだ色々ありましたが
結局一人で背景まわりは全部描いてたんだなぁって思うと改めてすごい執念だったなと思いました。1年これに費やしてたんだなって思います。

Babeイラストは描いてもらった

これについては本当に感謝してます。
のりきちゃん、オサノアさんがいなかったら私のインフェルノは完成してなかったと思います。もうちょっと早めに依頼してたらリリース日は1か月早まったかなぁと思います。

オサノアさん発信で「Babeイラストが1カスタムマップに4つもあるのは前代未聞じゃない?」というところから異例の4Babeエンディングが産まれました。凄いことですよマジで。

私も体をはってBabeイメージを提案した甲斐がありました(表面ウィングブーツED)

まだ見てない人はセーブ機能を使ってもいいので、表面と裏面のBabeイラストは見ておいた方がいいと思います。
幸せな気持ちになります。特に裏面ジャイアントブーツEDはBABEイラスト賞とってます。ヤバすぎる

BGMを決める、リリースに向けて動く

BGMについては作曲の技能はまるで無く、全部がフリーBGMから拝借しています。EDクレジットから検索すればたどり着くとは思います。

選曲にあたり、協力して探してくれた寄道ジドー氏には絶大な感謝を。
助けられて選定して、素敵なカスタムマップができたと思います。

とまあ、そんな感じで細かい調整をしつつBGM選定も終わり、リリースに向けた準備をしていたわけです。

手順としてはJKPLUS管理のPhoenixx19氏、MERNY氏と連絡をとってリリースしたい日付予定と作成したトレーラー動画を展開して、MERNY氏には公式テストプレイを行ってもらい最終の難易度修正をしてリリースと。そんな流れになっていました。Google翻訳必死です。

色んな過程を経て、一人で作ってたはずが色んな人と出会い意見を貰い協力してもらい、一人じゃない作品になったのがBabe of Infernoだと思います。

cjm氏、Broiiler氏、dew氏、Phoenixx19氏、MERNY氏、そして地獄連合からマオちゃん、ジドーさん、オサノアさん、友人として海苔規さん、本当に感謝してます。

最後に

そんなカスタムマップBoI秘話、いかがだったでしょうか。
裏面の話がない?それはまた機会があればということで……まあやりたい放題だよねってことで!(裏面はボツネタ集!)

編集アプリを導入するレベルで0からのスタートでも、執念があれば作品は作れちゃうんだよってところがわかってもらえれば幸いでございます。

BoIを踏まえて思うのは、
一人でカスタムマップ制作なんて絶対やるもんじゃねえぞ!ってことですね。時間は溶けるしリリース急かされて気は病むし思うように制作進まなくてまた気は病むし、後半早く解放されたくて仕方ないというイメージの方が強かったです。プレイするも地獄、作るも地獄ということで。

そんなわけでね、みんなで作るカスタムマップがあったら楽しいよねって思うわけですよ私は。また時間かかりそうですが企画したいと思いますので、興味ある方はぜひということで。

BoIの作り方といいつつ裏話集になりましたが、この記事は以上になります。
ここまで見ていただき本当にありがとうございました!感謝感謝

皆様と、何より私の人生が前に進んでいけますように。なむなむ。
ではでは、乙目兎ー。

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