本の紹介「わたしのウチには、なんにもない。」
私が買い集めていた収納の本を小さい頃から読みあさり、見事なミニマリストに成長した次女(JK)から強請られてこの本が我が家に来たのは今から3〜4年前だったと思います。私はまだちゃんと読んでいなかったのですが、これを機に読んでみようと思いました。
作者は、ゆるりまいさん。断捨離ブログランキングで1位をとった「なんにもないブログ」をコミックエッセイ化した本です。
我が家にあるのは
・わたしのウチには、なんにもない。「物を捨てたい病」を発症し、今現在にいたります
・わたしのウチには、なんにもない。2 なくても暮していけるんです
・わたしのウチには、なんにもない。3 モノとの上手なつき合いかた
・わたしのウチには、なんにもない。4コマ総集編
・なんにもない部屋のもの選び
の5冊です。これ以外にも何冊かでていますが、次女が必要だから欲しいと思ったものだけ購入しました。
この話全体の中で作者の信念となっている考え方があります。
「持たずに生きていたい」という願望と「持たなければいけない」という現実→→→どうせ持たなければならないなら、お気に入りの物を持つようにしよう
というわけで、作者のこだわりやお気に入りがふんだんに紹介されています。
物語は10年前から始まります。主人公は生まれも育ちも汚屋敷出身!お母さんとおばあちゃんと一緒に暮らす実家は、ひいひいおばあちゃんから現代までのたくさんの荷物で溢れかえっています。ひいおばあちゃんはかなりの潔癖症で家の中がいつもきれいに片付けられ、ピカピカに磨き上げられていたそうです。その反動なのかおばあちゃんとお母さんは物をたくさんため込んでいて家はかなりの汚屋敷状態です。小さい頃からそれが当たり前に育っていた作者ですが、ある日突然「ものを捨てたい病」を発症します。
・理解のない家族との戦い
・東日本大震災
を乗り越えて汚屋敷→きれいに片付いた家へ家族の意識が変化していくお話です。
東日本大震災では家中にあった物達が一瞬にして凶器になり、がれきと化することにより物の儚さを知ります。安全な家とは何かを考えさせられ、物をたくさん持つことが、もっともっと嫌になり、捨てたい病が加速します。
作者も最初はやり方がわからずに手探り状態で片付けを始めます。ところが法則性もなくただ片付けると、よく物がなくなるので家族に怒られてしまいます。
そんな作者の成長をまとめると
STEP1 捨てられない期 明らかにゴミなものだけ捨てる
STEP2 モッタイナイの壁崩壊 使っていない物を処分
STEP3 捨て中毒発生 どんどん自分に不要なものが分かってくる。最初は捨てられなかったものが次々捨てられる→→→捨てるの超きもちいい!
ところが相変わらず家族は片付けに協力的ではない。なので自分のところだけ片付けて、あとはシャットダウンして見ないようにしてしのぎました。
その後入社した会社がブラックだったので、仕事が忙しくて家に帰れない状態が続きます。自分が帰らないと片付ける人がいないのでどんどん家が汚くなります。せめて家がキレイだったらもう少し身体も心も休まるかもしれないのに。たくさんの物に囲まれているということは頭にたくさんの情報が入ってくるということ。些細なことでも私をイラつかせ、ダメージを与えてくる…と作者の心は荒むのですが、退職や震災を経て次第に事態は変化していきます。
おばあちゃんが認知症になった話にも少しだけ触れています。片付けによって生まれるおばあちゃんの心の変化がとても素晴らしいです。
多くの経験を経て作者が出した結論は、眼から鱗です。
「物を捨てる=粗末にしている」は必ずしもイコールではないし、持っているだけでは大切にしていることにはならない。自分の管理できる範囲で物を持ち、それらを丁寧に使い手入れをして永く使う・・・それこそが物を大切にするということ。
そしてキレイになった家に住めるようになり、作者はこう思うのです。
なんにもない部屋は心がとっても落ちついて、なんにもないと毎日の掃除が楽だから家はどんどんキレイになる。
掃除のあと、家の中を通り抜ける風は最高に心地いい。
物を捨てるときは、持ち物はすべてお気に入りの物だけにするという考えで捨てるんだそうです。
収納するにあたって気をつけていること
①よく使うものは、立ったままワンアクションで取れるようにする。
②用途が近いものをまとめて収納する。(カテゴリー別に分けるということ)
③家族から文句が出たら即収納場所を変える。
片付いた部屋で暮し始めると、猛烈に「きちんとした暮し」を送りたくなると言います。自分の心地よさを求めてやっていたことがじつは「禅」の精神に通じていたのです。そのおかげなのか、家族はいつもニコニコしていて作者も心穏やかに生活できているそうです。
本書では、このほかにいろんなテクニックや、お気に入りの道具や雑貨をたくさん紹介しています。本当に片付けや掃除が大好きな作者が苦難の末にたどり着いた究極の片付けを知りたいとは思いませんか?私もこれからこの本の内容を踏まえて、自分なりのやり方を模索していきたいと思います。