私が根に持っているできごと
今から6 〜7年前の話です。当時は家族でまだ私の地元に住んでいました。JKちゃんは小学校4年生。主人が単身赴任だったり長女のOLちゃんが精神的に病んでいたり、私はまだ小さかったJSちゃんを育てていたりと何かと大変な時期でした。
JKちゃんの担任はIという50代位の男の先生でした。Iは生徒たちにすごく嫌われていてJKちゃん曰く「全てが最低でキョロ充!」なんだそうです。私の経験上そのくらいの学年は荒れる生徒がクラスに数人いて学級崩壊が起こるなんてことも珍しくないと思います。そしてJKちゃんのクラスでも学級崩壊の危機に陥り、保護者会が行われたこともありました。
それよりも少し前の家庭訪問の時期、家にIがやってきました。保護者として対面で話す限りでは特に嫌な印象も受けなかったし、正義感の強いJKちゃんは問題を起こすような生徒でもありません。和やかに会話は進み、その後私は先生にどうしても伝えておかなければいけない話を切り出したのです。
その頃主人は地元から飛行機の距離の土地まで単身赴任で行ったり来たりしていました。そしてJKちゃんが4年生から5年生になるタイミングで家族ごと赴任先へ引っ越すことに決めていたのです。
月日は流れ今年度も終わりに差し掛かった頃、小学校の修了式が終わるのを待って我が家は引っ越しすることに決まっていました。もちろん学校への連絡や諸々の手続きも滞りなく進み修了式の日、帰ってきたJKちゃんの話を聞いて私は驚きました。
最後の学活でIからは転校の発表も挨拶も何もなく、そのまま学校は終わったと言うのです。
私は困惑したものの、最近の小学校はそんな感じなのかなと考えました。昔私が小学生の頃は転校していくクラスメイトがいたら、みんなでプレゼントを作ってお別れ会をしたものです。でも幸いなことに、JKちゃんは先生の発表がなくても個人的に何人かのお友達からプレゼントや手紙をもらっていました。
JKちゃんが新しく入った学校は地元よりもはるかに都会な文教地区にあり、子育てをするのにとても良い環境でした。公務員官舎などもあり転勤族の街とも呼ばれる地域なので転校生なんて日常茶飯事。なのでJKちゃんはすぐに新しい学校に慣れることができ、楽しい生活を送っています。
ただ転勤族の街なので転校していくお友達を見送ることも多く、その話を聞くたびに私は複雑な気持ちに襲われます。やはり、今の小学校でも担任とクラスの生徒が一丸となってお別れ会を開くんだそうです。自分が転校する際には発表すらしてもらえなかったJKちゃんが、どんな気持ちでお友達を見送っているのだろうと思うと切ない気持ちになります。
今は高校生のJKちゃん、今日は部活がお休みなので自室にこもって作業をしています。今年度はコロナの関係で大会がなくなり、例年よりも早い時期に先輩方が引退します。一昨日が最後の練習だったので、昨日今日と先輩を送り出すために一生懸命準備をしているようです。JKちゃんが優しい子に育ってくれて本当に嬉しく思います。
・・・という一連の話を、もし買い物中にテレビのインタビューで「あなたが怒っていることは?」と聞かれた場合に答えられるよう準備しています。いえ、話は実話なんです。