メタ勉28】「オープンメタバース」とは何か?を考えたので共有します。
→まずオープンメタバースの定義というか、よく言われる定義の部分で言うと以下の三点がよく語られます。
A:分散型運用
→ひとつの企業の管理下で独占的な運営が行われていない
B:デジタル資産の相互運用性が担保されている
→NFTやトークン対応
C:アバターの相互運用性が担保されている
→ここの解釈が難しいので以下に解説します。
まずはこの3つのポイント。どこかで聞いたことのあるフレーズが並んでいますが、Web3の理想世界でもありますね。
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よく叫ばれる「非中央集権」と言うところで英語で言うとDecentralizedですが、この単語をそのまま体現している著名なメタバースプラットフォームである「Decentraland」からして、クローズドに近いメタバースという事が皮肉にも「オープンメタバース」に求められる理想と現実のギャップを物語っていると思います。
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この部分で最もオープン化ポテンシャルが高いのがオープンソース型プロジェクトですね。WebverseやMozilla Hubsなどが挙げられます。
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加えてBの「デジタル資産の相互運用性」ですがこの事はNFT対応とする事でクリアできる課題ですね。
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問題なのはCの「アバターの相互運用性」なんですね。目に見える部分で素人でもわかりやすいのでこの部分を指摘する人やメディアが多いのですが、実はここの解釈が一番難しい。
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考え方が2種類あって、1:共通仕様のアバターシステムがあってそれを各自が採用する方式と、2:アバタープラットフォームを採用する方式ですね。
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プラットフォーム専用に独自に作られたアバターシステムはその会社がなくなったらせっかくユーザーが熱意を持って作ったアバターも消えてなくなる。ということが背景にあります。
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1:の共通仕様のアバターシステムは海外勢だとGLBやFBXファイル、日本勢だとVRMが一般的ですね。これだとプラットフォーム間の移動が可能になりますが一般の方にはちょっと難しいですね。
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2のアバタープラットフォームの採用ですが、これを実現しているのが「Ready Player Me」ですね。すでに全世界で3000*を超えるアプリやプラットフォームが採用しているらしいのでアバターのデファクトになっており相互運用性は担保されていると言って良いと思います。
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ただし1社が提供する独自のサービスですが、そのぶんユーザーインターフェイスが洗練されており、技術的な事を何も知らないユーザーでも簡単に使える良さを持っています。
<Ready Player Meの状況>
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という事で現実的に現在あるメタバースプラットフォームにおいてどこが「オープンメタバース」の定義に近いか?というポイントを以下の項目でリストにしたのが添付の表です。
<評価項目>
・ソース開示
・カスタマイズ可否
・相互リンクの可否
・デジタル資産<NFT対応
・アバター運用性<対応仕様
・ビジネス許認可<企業の活用に際しての
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見ていただければ分かると思いますが、ブラウザ型の方が自由度が高い事が見て取れると思います。この事を「オープンメタバース」と言うのかは一旦置いておくとしても現時点では最も理想に近い存在であるという事は言えると思います。
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最も重要な点は「相互送客」の部分だと思います。例えばですが「地方自治体」がそれぞれにワールドを作ってURLリンクで地域別のワールドが相互に繋がる。。。なんていう事はブラウザベースでなければ出来ない企画になります。
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加えて、当グループは中小企業や個人のビジネス支援の立ち位置で情報発信をしておりますので、ブラウザ領域=メタバース2.0領域の方が企業活用の自由度が高く、一般企業が関与できるチャンスが多い、と言う点も見て取れると思います。
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その上で、これらのプラットフォームが盛り上がるポイントはシンプルに「デザイン性」だと思っています。同時に今後はワールド運営の課題は集客になる事は確実で、その集客面の鍵となるのがNFTだと思っています。
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同時に最重要ポイントは無料で取り組める点です。例えばFacebookやTwitterで企業のアカウントを作って運営する作業には費用はかかりません。同様のスタンスで企業が取り組める点は大きいと思います。
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<今回の結論>
オープンメタバースに求められる定義としての「デジタル資産の相互運用性」と「アバターの相互運用性」、そしてワールド開設者が企業であっても自由に「ビジネス活用」でき、「相互送客」も自由にできる。
そして企業利用であっても「利用無料」という点ではSpatialが現時点ではもっともオープンメタバースに近い存在だと評価しましたが皆さんはどうお考えですか?
ではまた次回に