詩…「幻燈夏」
古い映写機を
今年は回すことにしたの
もう後ろを向かないと
決めていたけど
思い出は美しい
過ぎるほどになお深く
同じ結末(おわり)と知って
忘れたように繰り返す
あの日が最初で最後だったんだろう
永遠などないと今ならわかるけど
襲いかかるように
雲が流れてゆく
晴天の青さは
嘲笑うかのよう
私が生きてることを
あまりに強く知らされる
なのに夢を見ているみたい
それが本当だとしたら
同じ痛みだわ
変わっていないはずよね
この手の感覚なら思い出せるのに
ずっとはいられないわ
燈火がやがて絶えるように
消さなきゃならないの
秋が訪う前に
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