太宰治「走れメロス」
教科書に載っているので、
能動的に読んだ記憶はないが、
何度も読んだことはある。
改めて番組を見ながら考えたことは、
メロスが、友人の命と引き換えに王の赦しをもらう理由として、
「妹の結婚式」というのは、軽すぎないか?ということだった。
いや、うがった見方すぎることはわかるが、
ずる休みをする時の言い訳のトップが、
「家族や親せき(それも遠いほどよい)の冠婚葬祭とか入院とか危篤とか」
だという日本的な本音と建て前的な美学がここに現れている気がして、
太宰治は走れメロスの舞台を日本から一番遠いところに置きながら、
きわめて日本的な文化を入れてしまったということか?