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すぅくぅあぉぁらぅえるぅぅ V.1.7.8.3(2017/9/24投稿)

お邪魔いたします。シカゴ大学太田です。

逆であるからといって、必ずしも逆のことをすべきとは限らないが、ちゃんと逆であることを認識しそれぞれに対応する必要はある。そして、その異なる対応でも大抵の場合同じゴールに到達する。ん?よくわからん。

文化の違いはその最たるものではないでしょうか。
アメリカ:Do you want to be grounded? (外出禁止にするぞ!)
日本:「もうお前などうちの子じゃない!家から出ていけ!」
日米の子供への躾けもしくは罰を与える方法の一種ですが、その手法は真逆ですね。もちろん私は日本人ですし、しかもかなりの真性インドア派ですので、アメリカ方式のお仕置きはとてつもないご褒美になってしまいます。まあ余計な話はいいとして、つまりこれは精神的に不快で受け入れがたいことをする・させることにより反省を促し更生へと導くという同じ目的が存在します。

留学を志す情熱あふれる先生方によく見受けられるのが、
「やる気だけは誰にも負けません!!」
「がむしゃらに頑張ります!!」
「何でもやります!!」
私も例にもれずこのような感じでした。日本においてはこのような姿勢は体育会系なイメージでポジティブな印象を与えるものと認識しています。しかしアメリカにおいてこの対応は人によっては「自分が何の取り柄もなく無能である」と宣言しているようなものだと考える人がいるのも事実です。私がピッツバーグ大学でリサーチフェローをしながらクリニカルフェローのポジションを探している時、当時の私のボス(心臓外科医)が面接の経験のない私のために模擬面接をしてくれたことがありました。そこで私は上記のセリフを声高らかに謳ったわけです。はい、すぐにダメ出し来ました。やる気があって頑張るのは当たり前のことであり、もっと具体的に、自分はこのプログラムからどのようなことを期待して応募しているのか、プログラム修了時にはどのような外科医になっていたいのか、自分が雇われたならこのプログラムにとってどのような良いことがあるのか等、具体的かつ冷静に理路整然と論じよ、しかし例の禁句のセリフを宣っていた時のエネルギーを保て。と言われました。ムズイ。基本的な概念として、雇う側が応募者を査定し選ぶのはもちろんのこと、応募者側も雇い主を査定し選ぶという習慣が存在するアメリカでは、決して自分を卑下し懇願するようなことはしてはいけない、今まで自分が積み上げて来たものを対等の立場でしっかりと相手に伝えよ、とも言われました。つまり「一生懸命頑張りますので、お願いですから雇ってください。まだ何もできませんが、やる気だけは誰にも負けません」という日本人的には思わず勢いで言ってしまいそうなこのセリフは禁忌肢のトリプルコンボというわけですね。私の場合は、苦手な英語を練習しあらゆるシチュエーション対応できるように文面を準備し暗記する、文化の違いに対応し適切な表現およびアプローチを学ぶ、周りの経験豊富な人たちに助言を求める。面接という漠然とした準備しにくい事柄も分析を重ね最大限の準備をすることで何とか乗り切ることができたと思います。結局はこれも異なる文化に対応するため違った角度から切り込んではいるものの、自分の情熱を相手に伝えポジションを勝ち取るというゴールはやはり同じなのでしょう。北原先生は私の伝授した少ない面接のノウハウを参考に自分自身で準備し、見事に面接を乗り切りオファーを勝ち取ってくれました。北原先生の実力を知る私からすると順当であるという印象を持ちますが、米国専門医を持たない日本人が渡米後1年経たずにアテンディングのポジションを勝ち取るのは異例中の異例であると申し添えます。
ってブログに書く前にそのアテンディングのオファーを断ってシカゴでフェローを続ける選択をするという常軌を逸した離れ業をやってのけちゃいましたね。漢ですな。テキサスどうも先生の言うところのハードゲイ!

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写真:何か失敗したり解決すべき問題を抱えている時に「次こそ頑張ります!」「以後気をつけます!」「すいませんでした!」と言って反省するのは誰にでもできることです。というか何もやってない状態ですね。実際に解決に向けて何か具体的に行動を起こしアクティブに改善を試みることは非常に重要なことだと思っています。先日の北原先生の投稿にもありましたが、一旦私と北原先生がしゃべると異様に時間が経過してしまいます。物凄くどうでもいいことを延々と議論し、話が逸れまくるのは当たり前で、本来話し合わなくてはいけない重要な議題は5分もあれば終わるはずなのに2−3時間経過してもまだその議題自体取り上げられていないなんてことは日常茶飯事です。女子会レベルに話し込んでいるのに終了時には何を話していたか全く覚えていない。シカゴ大学に見学に来ていただいた方には何となくわかっていただけると思います。とりあえずこの北原女子会は例えば午後7時に始まって気付けば深夜12時を越えるなんてこともあり、生活に支障をきたすレベルです。改善の余地ありということで、一体どうしてこうなるのか、どちらが悪いのか、いろいろ話し合っております。おそらく延べ数時間以上この件について話してますが、解決の糸口はまだつかめておりません。ってことで、具体的な解決策の一環としてタイマー買いました。あーーしんど、やっと言えた。はい、タイマー買いましたよ。成果は。。。まあとりあえずお互いが思っている以上に時間は早く経過している、のを発見いたしました。女子会の時間短縮にはまだ至っておりません。北原女子ハードゲイ的には「急かされているようでちょっとイライラする」らしいです。まあ急かすためというか時間短縮のためのタイマーなんですけどねえ。ま、こんな感じでシカゴ大学で働いてます。

あとがき。
この投稿は、北原先生と私が「タイマー」という同じお題でブログを書くとどうなるか。ということで投稿いたしました。本当は、北原先生と同日に投稿したかったのですが、北原先生の仕事が速すぎるのと、私が熟考に熟考を重ねるタイプであるのが災いして、時期がずれてしまいました。しかし、いつも思うのですが、北原先生の「どうでもいいことを全く読み応えなく、それでいて読んでいて嫌でなく、むしろちょっと面白く読めるブログを書く才能」ってすごいですよね。ほんとにうらやましいです。

あとがきのあとがき。
あのーーもうひとついいですか?
もういい加減長すぎてほとんどの人はここまで読んでくれてないついでに、上記の「女子会が長引くのはどちらのせいか」って問題ですけど、このブログを見て頂いているほとんどの人は二人の文面から推測するに、私のせいだとお思いになると思います。しかし、それがそうでもないんです。おそらく北原女子のせいだと思います。根拠は、1、その日のトピック提供数が大概北原先生の方が多い、2、北原先生が来る以前にいた私のリサーチフェロー(日本人)と話をしてもこのように長引いたことはない、3、北原先生の人脈が豊かで話題を牛耳る大物ネタがゴロゴロしている。この証明のために今度は将棋や囲碁で用いられる双方の費やした経過時間がわかる「対局時計」を購入しようと思っているのですが、それは北原先生に頑なに止められています。おそらく証明されるのが怖いんだと思います。まあいいんですけど、効果や証明はさておき対局時計を真ん中に置いて女子会をする光景はおもしろいと思うんですけどねえ。

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