あの日乗り遅れたバスの行き先を僕達はまだ知らない。
会場は9色の光で包まれていた。会場はいつものライブハウスより少し大きくて、2階席まで埋まった観客を見てメンバーは嬉しそうだ。
アンコールは『笑DNA』だ。
「以上つぼみ大革命でした!ありがとうございました!」
「せーの乙!胸はれー!幸あれー!」
お客さんは笑顔だけど少し涙ぐみながら乙をして、メンバーは閉まっていく幕の隙間から最後まで手を振って名残惜しそうだった。
つぼみ大革命の最後のライブはきっとこんなふうになるだろうといつもいつも想像していた。それはいつか来る日の心の準備をしていたのかもしれない。
SHIBUYA PLEASURE PLEASUREでのデカワンマン『ENJOOOOOOOOOY!』を観た時に『All tag need』への導入とOvertureから『正念場Do Da』の流れがすごく気になっていました。
渋谷ヨシモト∞ホールでのデカワン『ENJOOOOOOOOOY!』の公演前日に
麻貴さんの「ひとりひとりが責任を持って発声をお願いします。」というツイートを見て、あれはファンも含めて完成する演出だったんだなと遅まきながら理解しました。
と前置きが終わってここからライブの感想です。
まず会場に入った瞬間から会場の雰囲気が違ってつぼオタの今日はやってやる!感でメラメラと燃えたぎっていました。絆の二人の場内アナウンスから盛り上がって、一曲目の『笑DNA』からボルテージMAXつぼみのライブを観に来たというよりも一緒にライブを作りに来たというか、いつもの何十倍もライブに参加してる感覚がありました。
麻貴さん脚本のデカワンマンはシームレスにコントと曲が繋がっていくのが特徴なんですが、何度も聞いてるはずの『いつキスすんねん』もコントの流れで見ると思わずおぉー!と心の中で感嘆しちゃいます。(恋をしても一人もそう!)そもそもひとつのライブの中で『All tag Need』と『正念場DoDa』と『逆襲のYEAH!』(1回目公演のアンコール曲)がセトリに入ってる時点で理解不能なわけでそれを違和感ない流れで繋げていくのだから天才以外の何者でもないでしょう!あとコントが始まった時点で『ちゅき♡らびゅ』がくるんだろうと思ったら『ちゅき♡らびゅ〜HARD ver.〜』をぶち込まれた時はやられたぁ〜と思いました。(麻貴さんもメンバーもHARD ver.好きやなぁ〜)
コントとしてはときメモ風な恋愛シミュレーションのゲームキャラになったメンバーが全然プレイヤーがいないことを嘆きながら始まるんですが、
リリースされて13年はリアルな年数すぎてこちらも胸が痛かったです…
プレイヤーがログインしなくなってから5年経つという設定の5年ってどっから決めてるんだろうと思ったら『All tag need』に「それから早八年」って歌詞があるんで、ゲーム発売後〜All tag need リリース頃まではプレイヤーがいたっていう設定なのかなと思って、そこも伏線あったんだなと驚きました。あと、バグでメンバーが攻撃されてる時になんでバットで打ち返してるんだろうと思ってたんですが、『ノーテンキパラダイス』に「カッキーン打ち飛ばそう」という歌詞があるんでこれも伏線かぁーと後から気が付いて麻貴さん尾田栄一郎先生超えてもうてるやん!と感動でした!
とまぁこのライブの一番の盛り上がりは『All tag need』と『正念場Do Da』なんですが、配信でも声援入ってましたが会場だと揺れんばかりの大コールでつぼオタになって史上最高にどデカイガチ売れ口上で、本当の意味での『All tag need』の完成をみたようでした。「ア・イ・シ・テ・ルー!」の大合唱を背中で受ける9人はカッコ良すぎて痺れました。
『正念場Do Da』はストーリーを進めるために内容が変わった特別版なんですが、今回の『とってもペイズリー』とか『JOYちむ』とかもどう考えて作っているのか全く想像できないです。こういった音楽的な楽曲の編集までデカワンマン仕様になるところが他の芸人さんではなく麻貴さんしかつぼみ大革命の脚本を作り続けられない理由なのかもしれません。
1公演目と2公演目の間にみどりこさんと恵梨華さんの卒業発表がありました。再演だけど何から何まで全く意味も景色も声援も違ったライブになりました。改めて2公演会場で見れて良かったと思います。
麻貴さんとつぼみ10人の旅を見ていて
スタンド・バイ・ミーのラストシーンを思い出してました。
『あの12歳の時のような友達はもう2度とできない。もう2度と…..』
(ラストシーンで主人公が書いている小説の最後の文章)
間違いなくつぼみは青春だ。
その一方で青春の終わりも近づいているのかもしれないと思いました。
ただこんなにも早いとは思わなかったし、こういった形になるとは予想もしていませんでした。正直すんなり受け入れるのは難しくて、けどそれでも夢ができた二人を応援したいし、けどそれ以上にやっぱり淋しくっていまだに気持ちをどう整えたらいいかしっくりきてなくて、でも12/28まで全力で応援しようと最後の瞬間は笑顔で見送ろうと でもでもやっぱ泣いちゃうのかもと思います。デカワンマンも絶対泣かないと思ったけどノーテンキパラダイスで笑顔で並ぶ9人を見たら僕の涙腺はもうだめでした。
尊敬しているつぼオタさんから掛けて貰った忘れられない言葉があります。
僕がまだ新規の頃「あとから入った人間ですし、昔のソイヤさんのことなんて何も知らないですし…」と言うと「いつ入ったかは関係ないよ。目指している終着駅は一緒なんだから」と「最後まで一緒に乗ってくれたらそれでいいんだよ」と言ってくださいました。その言葉を聞いてより多くの人が乗り込んでくれるようにしようと、乗ってきて貰ったら一緒に終着駅まで行けるようにできるだけ居心地のいい雰囲気になるように努力しようと思いました。
あの日からたくさんつぼみのファンが一緒のバスに乗るようになりました。
女性のファンもたくさん増えてもうコールで勝てないくらいです(笑)
みどりこさんも恵梨華さんも道は別れるけど夢に向かって旅を続けるのでしょう。次に別のバスに乗るのかもしれないし、新幹線くらい速い乗り物であっという間に進んでいくのかもしれないし、電動自転車で一生懸命に進んでいくのかもしれません。けどここが終着駅でないということはこれからもつぼみ大革命が進んでいくという事はまた誰かがつぼみと出会って好きになって一緒に夢の終着駅を目指してくれるかもしれないという事です。
これからの道のりは果てしなく遠いのかもしれないし、もうすぐ旅は終わってしまうのかもしれません。それでもライブに行ってペンライトを振ったり、コントで笑ったり、SHOWROOMでコメントしたり、いいねを貰って喜んだり、会えなくて淋しくなったりするそんな日々を重ねていくんだろうと思います。
そんなこんなしているうちに今回の配信で初めてつぼみ大革命のライブを見た人がリリイベに来てくれるかもしれません。そうあの日の僕のように
???「ふとん屋ですさん?なにそれ?はじめましてかなぁ?」