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思い出のブックマッチ
毎日新聞の夕刊の1面に「ブックマッチの火 消える」という記事が載っていました。
国内におけるブックマッチの生産が終わるのだそう。
よくお店などに置いてあった紙製のマッチを、本のような形状からブックマッチと呼ぶことを、今日はじめて知りました。
ひとつだけ捨てられずに取ってあるマッチがあります。
大学の時、駅前にあった喫茶店のもの。
同じ年代に同じ学校に通っていた人なら、もしかすると見覚えがあるのかもしれない。
今あらためて見ると、Coffee&Whiskeyとあるから、夜はバーだったんですね。
入ったことがあるのはほんの2回くらい。
なのになぜ捨てられないかというと、なんだかとてもいい時間を過ごした思い出があるから。
あの頃は、授業が終わって夕方になるとクラブ活動の練習に行かなくてはならなくて、友達とゆっくりおしゃべりする時間があまりありませんでした。
この喫茶店に行ったときは、練習までにまだ少し時間があったのでした。
お店は学生がやっているという噂もあったけど、どうだったのかな。
カウンターにいたスタッフは若い人で、スタッフもお店自体もかっこいい雰囲気がありました。
そういうおしゃれなお店で友人らと一緒に過ごすのは、学生時代ならではの自由で貴重な時間だと思うのだけど、厳しいクラブを選んでしまったがために、そんな時間はとても大切でした。
お店にいた時の状況は今でも覚えていて、友人と2人でカウンターに座っていて、Earth, Wind & Fireの曲がかかっていました。
あと1時間で練習に行かなくてはという状況だったけど、ずっとその場にいたくて、その時間の心地よさを噛みしめていたような気がします。
若いころは今よりももっと修行体質で、厳しくてめんどくさいほうに行ってしまっていたのですが、気楽なサークルで遊んでいたほうが楽しかっただろうに、と思います。
だからこのマッチは、学生時代の自由な時間の象徴のようなものです。
そういえばもう、お店のレジのところにマッチがあることはほぼないですね。昔はショップカードというものが無かったのだな。
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