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漢字を覚えるには:Anki 暗記 & FSRS

紹介

GA Technologies のAISCのイリーンです。よろしくお願いします。

日本に住んでいる外国人としては、「日本語を学び続ける」ということは毎日の課題です。今まで日本に9年間住んで、日本語能力試験N1の最大資格を6年前くらい取得しましたが、自分の日本語知識が不足していることを痛感しています。
ここで学ぶべきことは何より語彙・単語および漢字です。僕はロシア語、英語ができます。それでドイツ語やフランス語、スペイン語などもラテン語、ギリシア語が祖語であるため、共通点が多いです。しかし、日本語は僕にとって事前知識、知っている言語との共通点のない言語であり、ゼロから学ばなければなりません。更に、言葉を聞き取れていても漢字を別途で学ばないと読めるようになりません。
会話だけでは漢字の知識が上がりませんので、効率よく勉強に力を入れる選択肢しかありません。どうやって、大量の漢字を暗記すれば良いのでしょうか??

暗記で覚える

「暗記」という言葉は、日本語のWikipediaをみますと「記憶法の一種」と書かれており、そこにも「暗記カード」という概念が出てきています。ご存じかと思いますが、カードの「表」・「裏」に対応される概念を書き、表を見て裏に書かれていることを思い浮かばせてみて、裏を確認する流れです。掲載する内容は、例えば「母国語の意味:外国語の意味」、「書き方:発音」などです。


ロシア語の日本語の漢字の暗記カード。昔僕は似たようなのを持っていました。

人間の脳に最適化:Spaced Repetition (間隔反復)

確かに、復習だけであらゆることを覚えられます。しかし、私は一生日本語を学ぶつもりなので、単純な反復ではすべてを覚えるのは不可能です。
良いことに人間の暗記過程が研究されているから最適化はできます。
人間の脳に置いて「短期的」「長期的」という記憶があると言われています。今回の重要な要素は以下です:

  • 復習した直後、復習したばかりのことをはっきり覚えている。

  • 覚えていないことは思い出せない。

  • 復習する回数が多ければ、覚えていられる期間が長くなる。

まとめますと、効率良くあらゆるものを覚えられる答えは、

  • 覚えられなくなる直前で復習すること

です。
これで間隔反復が成り立っています。復習することで、覚えられる間隔が長くなり、それで次の復習が必要な時点が遠くなります。


《出所》Wikipedia: Forgetting curve
Memoryは、定着率、つまり覚えたことを覚えていられる確率。時間経過とともに覚えられる確率が下がりますが、数回思い出したことのある物に対して定着率の低下が遅くなります。

僕の使い方

今だと間隔反復で学習するアプリは多くあります。その内一番多く使われているのは、単純にAnkiと名乗っているものであり、僕もそのアプリケーションを使っています。

左:表、右:裏。表の漢字の読み方と意味を見て、自分で漢字をスマホ画面で書いてみる。Show Answer で裏面を見て、筆順も含めて確認する。覚えていられなかったり、間違ったらAgainを選択。できたらGood を選択。

詳しくいうと、Ankiはカードデータベースであり、Androidで触れるアプリケーションはAnkiDroidです。カードのデッキは他のユーザーに作られていて無料であり、およびカード自体がHTML/CSSで書かれているカスタマイズ性の高いものです。
これはこれでアプリケーションとして好きであり、自分でいつも知らない言葉に出会ったら、その語彙をノートし、自分でカードを作って復習し始めることもありますが、現時点で基本的な利用は漢字を学ぶことなので、漢字検定のレベル別の漢字デッキで表・裏の表示項目をカスタマイズし使っています!
カスタマイズしたポイント:

  • このデッキは元々日本人が漢字の書き方を勉強するためのデッキです。

  • 僕は漢字自体を学びたいから、表面には漢字自体が出てこないようにし、意味と読み方だけを残しました。

アルゴリズム・個人に最適化

Ankiアプリの最も重要な部分は、アルゴリズムです。
初めて閲覧したカードは、次にどの時点で見せたら良いでしょうか?その時点でまた思い出せたらいつ頃将来へ飛ばすべきでしょうか?もちろん理想はカードが復習候補として上がったら速やかに復習するのが一番ですが、復習がスケジュール通りに予定の日にできなかったら、このカードのステータスへの影響はなんでしょうか?
物理的なカードだったら自分で考えるしかありません。
アプリだとデフォルトでAnkiアプリにアルゴリズムがあります。(1990年に開発されたSuperMemo2のアルゴリズムに基づいています。)
しかし、一定の不変なアルゴリズムです。人によって、カード内容によって、そして望ましい定着率(99%で覚えられる知識が必要ですか?または80%だけでいい)のパラメータに対して、最適化できませんでした。
1年前でAnkiアプリは最新のアルゴリズムが対応可能になりましたので、今ではFSRSアルゴリズムを使えるようになっています。
このアルゴリズムは今までのカードの履歴によってパラメータを調整し、望ましい定着率(標準90-95%)へ対応できます。
(無理に定着率を99%に設定しますと、1日あたり数時間くらいの復習がかけられるので、デフォルトで97%が最大値です 😀)
最新アルゴリズム利用によって、個人に対しての最適な学習を進められます。

アルゴリズム詳細

FSRSのアルゴリズムは、「記憶の3コンポーネントモデル」に基づいて作られています。このモデルに置いては、記憶が:

  • R = retrievability = 記憶確率は、覚えられる確率を各時点で表している。

  • S = stability = 安定性は、Rの時間との劣化を表す。Sは、復習回数と増加する。

  • D = difficulty = 困難度は、Sの増加しにくさを表す。

つまり、時間が立ってから記憶確率Rは復習時刻から100%から減って、その速度はパラメータSによって定まります。

《参考》: A technical explanation of FSRS

安定性Sは、復習が成功した場合、必ず増加する、つまり、下記方程式のSIncは1以上出なければいけません。および、増加の幅は、D難度に依存する。

《参考》: A technical explanation of FSRS

復習する際に、ユーザーが復習に対して評価Gを与える。
最初の困難度Dは、この評価Gに依存する。

《参考》: A technical explanation of FSRS

この方程式では、ωiの値は、パラメータです。FSRSv4は、17個のパラメータを使用します。
方程式の通りに、各値が方程式だけであり、いくつかのパラメータの下でRを継続定期に計算し、記憶確率Rが望ましい記憶確率以下になる時点で復習を設定する。
ここでFSRSは以前のアルゴリズムに比較しての頂点は:

  1. 望ましい記憶確率Rを自分で設定できる。

  2. FSRSのパラメータは、最急降下法で、大量のデータの下で最適化されている値が使われています。また、自分の学習データの下で再最適化を行うのも可能です。

または、FSRSの詳細は直接開発者が公開しています。FSRSのGithubはここです。

Github: fsrs4anki

この記事の内容は、そのテクニカルな説明を参考にしています。

A technical explanation of FSRS

終わりに

僕は、高いレベルの日本語力を目指しますので、学び続けます。
漢字知識に対して、少なくとも高校在学レベル相当の、日本漢字能力検定準2級を目指します!
単語知識に対して、分からない単語が出てきたらノートを取り、継続的に復習を続け、最終的に分からない単語が現れてこない状態を目指しています!
漢字以外にも、このツールを使えば、様々な概念を効率よく覚えることができます。他に僕が暗記のアプリによって覚えたいことは:

  • 楽譜

  • 数学・物理学方程式

  • 微分方程式型への解き方

  • 地図上の国

などです。
ぜひ、自分の学びたい物に対しての最適なデッキがないのかを調べてみて、Ankiしてみてください!

AISCは、様々なトピックの記事を公開しています。この記事も読んでみてください!


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