トランス型脂肪酸と飽和脂肪酸、どちらに注意すべき?
佐々木敏の栄養データはこう読む!
第1章:「トランス型脂肪酸の問題点」より
飽和脂肪酸/トランス型脂肪酸と血中コレステロール(LDL÷HDL)変化量を観察した研究をまとめた結果によると、
同じ量を摂取した場合は、トランス脂肪酸の方が血中コレステロールにより悪い影響を与えることが分かった。
しかし、日本国内で成人男女の食事を調べた研究によると、トランス型脂肪酸の摂取量平均は総エネルギーの0.8%、飽和脂肪酸の摂取量平均は総エネルギーの7.2%であった。この摂取量換算で血中コレステロール(LDL÷HDL)の増加量を見ると、それぞれ0.06と0.17となり、日本人にとっては飽和脂肪酸の方がそのインパクトが大きいといえる。
日本人の飽和脂肪酸とトランス脂肪酸の摂取源はかなり異なり、その主な割合は、
飽和脂肪酸は肉類27%・乳類25%、トランス脂肪酸は菓子類18%・パン類18%・油脂類17%となっている。
以上のデータを元に単純比較すると、注意すべきは肉類(の脂身)、乳類(乳脂肪)、菓子類(に使われている油)の順に注意すべきということになる。