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2021年全国高等学校野球選手権大会 地方大会予想

甲子園へ行けるか、行けないか―――
この仲間ともっと野球ができるか、できないか―――
野球人生が続くか、終わるか―――

夏の大会は1球、1プレーの重みが秋、春の大会と大きく異なる。
それは高校最後の大会だということもあるし、野球を経験したものであれば誰もが憧れる甲子園という舞台につながっているからでもある。

甲子園優勝で高校野球生活を締めくくることができるのは1校だけ。もちろん全国制覇を成し遂げた高校の選手たちは幸せだろう。
だが、誤解を恐れずに言えば、甲子園の本大会で敗退した高校の選手たちも幸せなのである。夢にまで見た甲子園の舞台で自分の高校野球生活を終えることができるのだから。
それができる高校自体、全国に48しかないのだ。3500を超える高校、多くの高校球児たちは甲子園という夢の舞台に届かずに、志半ばに大会を去る。
勝者か敗者か、天国か地獄か。本大会よりも光と影のコントラストがくっきりと現れる分、地方大会に惹かれるのである。

昨年は大会は開催されたものの、甲子園につながらなかった。
今年は大会を勝ち抜けば、甲子園に行ける。この差は天と地ほどの差。
甲子園への道を閉ざされてしまった昨年の3年生の分も、怪我なく、悔いなく、元気にプレーしてほしいです。
そして無事に本大会まで終わることを祈っています。

長くてくさい前置きになってしまったが、49ある地方大会の予想をしていこうと思います。
各大会5校ずつを挙げて、短評を書いてみた。気になっている地区は長め。
わりとミーハー。投手に偏り気味。とくに左腕が好きなので左腕多め。
太字になっている選手は、大会のキーマン。3年生を挙げている(はず)。


北北海道

◎旭川実 〇クラーク国際 ▲旭川大 △滝川西 ×帯広農

旭川実の田中は北海道屈指の右腕。秋季全道決勝での北海木村との投げ合いは激アツだった。
対抗はクラーク国際に。左腕の菊池は北北海道レベルなら大崩れしなさそうで、名将佐々木監督がつくりあげた打線も怖い。
上の2校に対抗できる戦力を持つ旭川大、一発ありそうな近年の甲子園出場校、滝川西と帯広農をチョイス。

南北海道

◎北海 ○北照 ▲東海大札幌 △札幌日大 ×知内

北海道No.1左腕・木村を擁する北海を本命に。宮下を中心とした打線が援護したい。
近年、夏にきっちりと結果を出してくる北照を対抗に推す。投手陣で柱が出てくれば。
安定感のある2年生左腕・門別がいる東海大札幌、春の王者・札幌日大も侮れない。ダークホースではタレントが揃った秋ベスト4の知内を挙げる。

青森

◎八戸学院光星 ○青森山田 ▲弘前学院聖愛 △八戸工大一 ×八戸西

本命には八戸学院光星。今年も全国に通用する巨大戦力を抱える。
対抗には青森山田。中学時代から注目されてきた右腕・藤森の投球に注目。
3番手以降には2強に食らいついている弘前学院聖愛、エース右腕の黒田を中心に、投手陣の層が厚い八戸工大一を挙げたい。ダークホースは21世紀枠で選抜に出場した八戸西か。

岩手

◎花巻東 〇盛岡大付 ▲一関学院 △黒沢尻工 ×久慈

大本命は投打の大黒柱・菱川がいる花巻東。菱川以外にも安定している左投手を複数擁する。また、佐々木監督の息子、佐々木麟太郎というニュースターも入学した。
対抗には今年も強打の盛岡大付。エース・阿部の復調が絶対条件。
昨夏の王者・一関学院が2強を追う。打ちづらい投手を擁する黒沢尻工、久慈も上位進出を伺う。

秋田

◎明桜 ○秋田中央 ▲由利工 △大館鳳鳴 ×秋田商

投打に巨大戦力を抱える明桜が大本命。全国屈指の右腕・風間球打を甲子園で見たい。
2番手以降には1年夏からマスクを被り、甲子園を経験した野呂田が率いる秋田中央、秋準優勝の由利工、2年生左腕・木村が良さそうな大館鳳鳴、夏に仕上げてくる秋田商を挙げる。

山形

◎鶴岡東 ○日大山形 ▲羽黒 △東海大山形 ×山形中央

混戦模様。春季大会を辞退した鶴岡東の地力に賭けたい。ここ数年、毎年強打のチームをつくりあげてくる。投手陣の出来次第で一発も。
対抗は秋優勝、春準優勝の日大山形。投打に滝口が活躍するだろう。
3番手には左腕・奥中の状態が良さそうな羽黒。右腕・本間との二枚看板は楽しみ。
安定して結果を残す東海大山形、山形中央を抑えで。

宮城

◎仙台育英 ○柴田 ▲東陵 △東北 ×仙台一

絶対王者・仙台育英は今年も盤石。1年次から登板機会のあった伊藤も順調に成長。全国でも上位を狙える大型チームだ。
2番手以降にはエースの谷木を中心に選抜で好ゲームを展開した柴田と、安定した結果を残す東陵。
実績のある東北、春準優勝の進学校・仙台一が初戦で激突。大会屈指の好カードの勝者が勝ち進みそう。

福島

◎聖光学院 ○学法石川 ▲東日本国際大昌平 △磐城 ×福島商

15連覇を目指す聖光学院を、佐々木監督が鍛えた学法石川が追う。両校が順当に勝ち上がれば準決勝で激突する。学法石川の高橋が、長打力のあるの聖光打線を抑えられるか。
逆側の櫓を勝ち上がり決勝に進むのは、安定した投手を複数枚揃え、秋春と結果を残した東日本国際大昌平か。佐藤綾の磐城、浅倉の福島商と、ともに好右腕を擁する公立校も決勝の座を狙う。

茨城

◎常総学院 ○水城 ▲明秀日立 △霞ヶ浦 ×水戸第一

大川・秋本の二枚看板を擁し、野手にも力のある選手を揃えた常総学院が本命も、近年夏の大会を勝ち切れていないのが気掛かり。
対抗に挙げたいのは好右腕・樫村を擁する水城と、左腕の飯田を中心とした投手陣と打線がともに充実している明秀日立。
霞ヶ浦はあと一歩で出場を逃した時期を終え、夏への調整力が付いた。投では山名、打では飯塚に期待がかかる。進学校・水戸第一は石井の投球に注目。躍進に期待したい。

栃木

◎作新学院 ○國學院栃木 ▲佐野日大 △白鷗大足利 ×宇都宮工

前評判が良くない年でも、前哨戦の結果が悪くても、小針マジックで甲子園の切符をつかみ続けてきた作新学院。今年はまさにそのパターン。井上、、佐藤ら力のある投手を複数枚揃え、今年も戦闘開始。
作新学院とは逆の山に有力校が固まったのもポイント。作新学院への挑戦権をつかむのは、地力に加えスーパールーキー・盛永の入学で勢い付く秋優勝の國學院栃木か、左腕・早乙女を擁し、打線も切れ目ない春優勝の佐野日大か、投手力のある白鷗大足利か。
作新学院と同じ山では、宇都宮工が一発を狙う。

群馬

◎健大高崎 ○前橋育英 ▲東農大二 △桐生第一 ×関東学園大付

今年の健大高崎は巨大戦力。好投手に一発もらわなければ、順調に勝ち進むだろう。
その一発がありそうなのが東農大二。2年生左腕・黒岩の軟投がハマれば。
近年健大高崎と2強を形成、かつ健大高崎に相性の良い前橋育英は、4年前の兄と同じく皆川がカギ。
昨夏優勝の桐生第一、春優勝の関東学園大付は前橋育英と同ブロックに。激戦区を抜け出すのはどのチームか。

埼玉

◎花咲徳栄 〇浦和学院 ▲昌平 △春日部共栄 ×上尾

夏に仕上げてくる花咲徳栄は侮れない。浜岡を中心に強打線は健在。右投手が揃う投手陣の出来次第。
浦和学院は2年生左腕の宮城の仕上がりが良い。三奈木ら右投手との継投で頂点を狙う。初戦の聖望学園戦がいきなり山場。
昌平も世代屈指のスラッガー・吉野を中心とした強打がウリ。花咲徳栄同様、投手陣の踏ん張りが勝敗を左右する。
この3校に続くのが、好左腕・高橋と石崎のバッテリーが光る春日部共栄。私学に負けじと上尾も上位進出を伺う。

千葉

◎木更津総合 〇専大松戸 ▲千葉学芸 △中央学院 ×八千代松陰

夏の実績を評価して木更津総合を本命に。神子、島田らタイプの異なる右投手たちの頑張りに期待。
本命視されている専大松戸は、高校レベルでは攻略の難しいサイドスロー・深沢を擁し盤石。控え投手も成長してきた。選抜の中京大中京戦のような展開にならなければ最有力である。
3番手以降は難解。打で有薗、投で北田が存在感を発揮する千葉学芸、細谷擁する中央学院、近年夏に結果を出してきた八千代松陰をセレクト。

東東京

◎関東一 〇二松学舎大付 ▲修徳 △帝京 ×大森学園

糸を引くようなストレートをコーナーに投げ込む右腕・市川の関東一高か、キレのある直球と多彩な変化球で打ち取る左腕・秋山の二松学舎か、非常に難解。春王者の関東一高を本命にしておく。
修徳はノーシードだが右腕・床枝次第で上位に。昨夏優勝の帝京も甲子園出場への思いは強いだろう。制球力のある左腕・八田のいる大森学園もおもしろい。

西東京

◎東海大菅生 〇日大三 ▲國學院久我山 △佼成学園 ×八王子

攻守に洗練された野球が光る東海大菅生が本命。2年生右腕・鈴木は健在だが、左腕・本田の復調は欠かせない。国士館との初戦が想定されるが、非常に厳しい組み合わせ。
日大三は宇山の制球が安定すれば。好右腕を毎年のように輩出する國學院久我山、昨夏準優勝の佼成学園はともに力がある。八王子は超大型左腕・羽田が非常に楽しみ。

神奈川

◎東海大相模 〇横浜 ▲桐光学園 △日大藤沢 ×鎌倉学園

選抜優勝の東海大相模が抜けている。選抜でも活躍した石田、大塚らを中心に、門馬監督の花道を飾れるか。
金井の投打にわたる覚醒が条件ではあるが、横浜は侮れない。桐光学園も毎年甲子園に行けるチームをつくってきている。
この3校を追うのがスラッガー・柳澤が牽引する日大藤沢と、秋に結果を残した鎌倉学園だ。

山梨

◎東海大甲府 ○日本航空 ▲山梨学院 △甲府工 ×駿台甲府

秋季関東大会では東海大相模を破り、選抜でも優勝した相模をあと一歩まで追い詰めた東海大甲府。世代屈指の好投手・若山恵斗をもう一度甲子園で見たい。やや波のある打線の奮起が、優勝への絶対条件ではある。
春季関東大会で東海大相模を破ったのは日本航空だ。ヴァデルナが急成長した投手陣、エドポロが存在感を示す打線、いずれも全国クラス。春の勢いをそのまま夏に持ち込めるか。コロナウイルスの集団感染はマイナスか。
近年圧倒的な力を見せていた山梨学院だが、今年は静か。下級生の奮闘に期待。
右腕・末木が魅力の甲府工は、私学勢の壁を乗り越えられるか。春優勝の駿台甲府も左腕・渡辺を中心としたまとまりのあるチームで、初の甲子園を目指す。

新潟

◎新潟明訓 ○新潟産大付 ▲中越 △日本文理 ×加茂暁星

新潟明訓は飯浜、柳下の右腕コンビが強力。春優勝の新潟産大付はエースの西村の安定感が抜群。打線の奮起次第で初出場が狙える。
中越は渡辺、日本文理は2年生の田中が投打の中心。この2校が入ったブロックは他にも力のある高校が揃っており、今大会の最激戦区に。対照的にノーマークの位置から、打線が活発な秋優勝の加茂暁星が上がってきそう。

長野

◎佐久長聖 ○松商学園 ▲上田西 △東京都市大塩尻 ×長野日大

秋優勝の佐久長聖は出口、選抜で健闘した上田西は山口と、どちらも左腕エースが大黒柱。打線にも厚みがあり、順調に勝ち上がりそう。組み合わせを鑑みて、佐久長聖を上位に取る。
2校を追うのは松商学園。主軸を欠きながら春季大会を制し、選手層の厚さを見せつけた。
強肩強打の捕手・松田が鎮座する東京都市大塩尻、強打線が侮れない長野日大を挙げておく。

富山

◎高岡商 ○高岡第一 ▲富山商 △新湊 ×高岡向陵

絶対的な打者・石黒と右投手の継投で勝ち抜く力を持った高岡商を本命に推すが、稀に見る混戦模様。
秋までの主戦の小久保を欠きながらも春季大会を制した高岡第一、大型左腕・岩城の覚醒が楽しみな富山商、エース・津田を堅守が盛り立てる新湊、大会屈指の左腕・宝里がいる高岡向陵をダークホースに据える。

石川

◎日本航空石川 ○星稜 ▲小松大谷 △金沢龍谷 ×金沢

打線の力を買って日本航空石川が本命。2年生ながら4番を務める内藤は注目の大砲。春季大会は5HR、しかもそのうち4本は場外と規格外のパワーを見せつけた。投手も左右に複数枚揃えた。
投手力で対抗したいのが星稜。野口、マーガードらは下級生時から経験を積んでいる。集大成の夏にできるか。
春季大会優勝の小松大谷はエース・北方が制球力と変化球で勝負。打線も終盤の競った展開で結果を残している。大会屈指の左腕・井上の活躍次第では金沢龍谷の一発もある。機動力と堅守が光る金沢も外せない。

福井

◎敦賀気比 ○福井商 ▲福井工大福井 △金津 ×啓新

竹松、上加世田、本田と完投能力を有する投手を複数揃え、打線にも厚みがある敦賀気比が大本命。
福井の夏といえば福井商。守りからリズムをつくって攻撃につなげ、投手陣がリードを守り切れるか。
工大福井も夏に向けて仕上げてくるだろう。打線の破壊力は気比に引けを取らない。大会屈指の左腕・藤田が三振を奪いまくる金津、投手陣の層の厚さで勝負する啓新も候補だ。

静岡

◎藤枝明誠 ○掛川西 ▲静岡 △東海大静岡翔洋 ×常葉大菊川

秋、春と県大会を制した藤枝明誠が本命。安定感のある左腕・小林の存在が心強い。
春季東海大会優勝の掛川西は沢山、榊原の左右の二枚看板が武器。打線も強力で、ぶっちぎる可能性もある。
夏に向けての調整能力が高い静岡は、大型右腕・高須が君臨。切れ目のない打線が勝利を後押しする。東海大静岡翔洋は右腕の鈴木の存在が強み。夏の出場力を考えると、常葉大菊川も抑えておきたい。

愛知

◎東邦 〇中京大中京 ▲愛工大名電 △享栄 ×星城

私学4強の仕上がりが凄まじい。選抜や春季大会で結果を残したライバルたちを抑えて、敢えて推したいのは東邦。左腕エース・知崎の大活躍に期待。打でも左のスラッガー・鈴木が主役を張る。
絶対的エース・畔柳亨丞を擁する中京大中京も頂点への最短距離にいる。愛知大会の過酷な日程を乗り越えるためには、2番手以降の投手たちの踏ん張りが必要不可欠。
能力の高い投手を複数枚そろえるのは愛工大名電と享栄。名電は左腕の田村に加え、寺嶋、野嵜、松下らが成長した。田村は打線の核でもある。そしてなんと左利きながら三塁を守ることもあるので注目。享栄は投手陣が充実。竹山、肥田、菊田、沢田、浜田と名前を挙げればキリがないほどだ。他校がうらやむ陣容を生かして、名門復活を果たしたい。4強と互角に渡り合う星城も侮れない存在だ。

岐阜

◎県岐阜商 ○中京 ▲岐阜第一 △大垣日大 ×市岐阜商

ドラフト的観点からも注目の地区。県岐阜商は左腕・野崎、右腕・松野、大島を世代屈指の捕手の髙木が支える。打線も選抜で小園を打ち崩せなかった悔しさを晴らすべく、強化に努めてきた。鍛治舎監督の出場力を買って本命に。
対抗は2年前の甲子園でベスト4に入った中京。当時1年生ながらクリーンナップの一角として活躍した小田が、4番でエースの大黒柱。2番手以降を担う投手が出現すれば、春に続き夏も頂点を獲れる。
岐阜第一にも4番でエースの大黒柱・阪口がいる。個人的には大谷翔平みを感じている。秋は県岐阜商に敗れて甲子園への道を断たれた。リベンジにはやはり負担を減らす2番手以降の投手、打線の奮起が不可欠。
阪口監督が頂点を睨む大垣日大は、注目が集まらない年こそ怖い。市岐阜商も強豪に食らいつく力量がある。

三重

◎宇治山田商 ○津田学園 ▲津商 △三重 ×白山

大混戦の三重大会。非常に予想がしづらいが、捕手の三浦を中心とした野球で接戦を勝ち抜くと期待し、10年以上甲子園から遠ざかっている宇治山田商を本命にしてみる。創部100周年を飾れるか。
複数枚の投手を擁し、総合力の高い津田学園、右腕・出口の安定感が光る津商、投打にタレントが揃った、秋優勝の三重も有力。
3年前に奇跡の初出場を果たした白山は、当時のチームを見て入学を決めた代が3年生。大型右腕・町を擁して3年前の再現を狙う。

滋賀

◎近江 ○滋賀学園 ▲比叡山 △綾羽 ×立命館守山

本命の近江は、投打に飛び抜けた力を発揮する2年生の山田が軸。今年は投手陣の層が厚く、連戦に強いチームに仕上がった。
対抗には剛腕・阿字を擁する滋賀学園。力強いストレートで押し切りたい。
比叡山には島口、綾羽には金城、立命館守山には北村と、大会屈指のタレントがおり、彼らの活躍如何で趨勢が決まるだろう。

京都

◎京都国際 ○龍谷大平安 ▲乙訓 △京都成章 ×東山

京都国際は選抜の経験を力に変えて春夏連続出場を狙う。2年生の二枚看板は仕上がっており、堅いバックがそれを支える。初戦は京都翔英との激突が濃厚で、そこで波に乗れるか。
龍谷大平安はノーシードだが、ポテンシャルは府内随一。石田が投手陣の軸になれるか。
乙訓には北見、京都成章には細見、東山には2年生の橋本と好右腕を擁する高校が虎視眈々と頂点を狙っている。

大阪

◎大阪桐蔭 〇履正社 ▲興国 △関大北陽 ×東海大仰星

大阪桐蔭が頭一つ、二つ抜けている。松浦、関戸、竹中と全国レベルの投手を抱え、池田、宮下、花田らが名を連ねる打線も守備も隙が無い。全国優勝を狙える布陣だ。
対抗できるとしたらやはりタレントが揃う履正社か。興国は左腕の大江を擁し、上位進出を狙える布陣。
安定して結果を残す関大北陽と東海大仰星も激戦区の頂点を狙う。

兵庫

◎報徳学園 〇東播磨 ▲神戸国際大付 △神戸弘陵 ×神港学園

今年は大混戦の兵庫。左腕エース・久野が力を発揮すれば報徳学園が頂点に近いか。
選抜出場の2校も返り咲きを狙う。東播磨は全国屈指の嫌らしい機動力野球で、相手投手をじりじりと追い詰めていく。神戸国際大付は選手層の厚さが買い。エース・阪上が肘の状態に不安を残すだけに、楠本ら他の投手たちがフル回転したい。
神戸弘陵には時沢と山河、神港学園には加藤と三木がおり、投打の主役がはっきりしている。彼らの活躍で、夏の主役の座をつかめるか。

奈良

◎智弁学園 ○天理 ▲奈良大付 △桜井 ×郡山

智弁学園と天理の覇権争いがアツい。智弁学園は前川、三垣、山下、植垣、岡島らが超強力打線を形成。西村と小畠の左右の二枚看板がリードを守り切る。
天理はなんといっても達孝太。底知れぬ大器が選抜でも輝いた。智弁学園打線との対決が今から楽しみだ。
割って入ろうとするのが、制球力抜群の二宮を擁する奈良大付。桜井と郡山も力があり、一発を狙う。

和歌山

◎市和歌山 ○智弁和歌山 ▲箕島 △和歌山東 ×日高中津

市和歌山と智弁和歌山のマッチレースが濃厚。市和歌山は小園健太が高校生離れした、完成度の高いピッチングで相手を圧倒する。バッテリーを組む松川も世代屈指の捕手。
智弁和歌山も右腕・中西の評判が良い。1年時から主軸を担っていた徳丸に加え、2年生の成長も著しい。
近年安定して上位に進出をしている和歌山東はやや組み合わせに恵まれた感がありチャンス。捕手の原が大黒柱の日高中津もチャンスを伺う。

岡山

◎倉敷商 ○創志学園 ▲岡山学芸館 △倉敷工 ×玉野商工

左腕・永野の覚醒に期待して倉敷商を本命に推す。下級生主体の野手陣が盛り立てられるか。
実力・実績で抜けているのは春季中国大会を制した創志学園。エースの川端は大崩れしない制球力を持つ。
岡山学芸館は右腕の仲村が好調。左腕の西村との二枚看板は強力で上位進出を狙える。倉敷工は水田と多々野の二枚で試合をつくる。左腕エース・長谷川が魅力的な玉野商工がダークホース。
組み合わせの妙で、実力校同士が早くに激突する展開になりそう。好投手が多く、投手起用で大会全体の展開が大きく変わるだろう。

広島

◎広島新庄 ○広陵 ▲広島商 △呉港 ×武田

投手の育成に定評のある広島新庄だが、今年は特に強力。選抜でも活躍した左の秋山、右の花田に加え、3番手以降の投手も順調に経験を積んでいる。機動力を生かした攻撃で得点を積み重ねたい。
対抗はやはり広陵か。バランスの良いチームで、どの相手に対しても接戦以上に持ち込む力がある。
近年夏に結果を残している広島商も侮れない。春はメンバーを試し、夏に向けての勝負気配がある。右下手投げの尾崎が粘りの投球で相手を封じる呉港、独自のアプローチでタレントの素質を磨く武田もチャンスを伺う。

鳥取

◎米子東 ○鳥取城北 ▲米子松陰 △八頭 ×鳥取商

混戦の大会になりそうだが、舩木、藪本の投手陣と強力打線の勢いを買って、進学校の米子東を本命に挙げる。
毎年安定した結果を残すのは鳥取城北。選抜でも東海大相模を相手に好勝負を演じ、自信をつけた。
3番手には投手陣が多彩な米子松陰。春の県大会を制し勢いに乗る。定期的に結果を残す八頭と鳥取商は、今年も県内上位の実力を有する。

島根

◎浜田 ○立正大淞南 ▲石見智翠館 △開星 ×大社

近年は私学勢が甲子園出場を重ねているが、今年の本命は浜田にする。エースの橋本はコントロール良くストレートとスライダーを低めに集めることができる。
追う私学勢は2年生バッテリーが光る春優勝の立正大淞南、総合力が高い秋優勝の石見智翠館、大黒柱の田中が引っ張る開星。他の私学勢も怖いが、ダークホースには下級生時から経験を積み上げてきた、勝負年の大社を挙げる。

山口

◎高川学園 ○下関国際 ▲宇部鴻城 △西京 ×早鞆

2強と目される下関国際と宇部鴻城が2回戦で激突する可能性が高い。間隙を縫って、立石を筆頭に野手に力がある高川学園が上位に浮上しそう。
下関国際は下級生主体だが、経験値は他校の3年生に引けを取らない。宇部鴻城もバランスの良いチームで、なにより夏の勝ち方を知っている。激戦は必至か。
継投で相手打線の目先をかわす西京、野手にタレントが揃う早鞆も頂点を狙う。

香川

◎高松商 ○英明 ▲尽誠学園 △丸亀城西 ×三本松

2年生スラッガー・浅野が目立つ高松商を本命に。投手陣の踏ん張りがカギ。
対抗には石河、寒川と左右二枚の投手が秀でている英明。夏に仕上げてくる尽誠学園と、守備には課題が残るが、打線の勢いを買って丸亀城西を候補に挙げる。ダークホースに夏の実績がある三本松。

徳島

◎鳴門 ○徳島商 ▲徳島北 △鳴門渦潮 ×生光学園

絶対王者・鳴門は今年も戦力充実。左の富田、右の前田と2年生の投手たちが活躍すれば甲子園に手が届く。
ライバルの徳島商も2年生中心のチーム。打線に力があり、鳴門との差は小さいと見る。
徳島北は左腕・長尾を荒木が盛り立てる。鳴門渦潮、生光学園も投打に能力の高い選手が揃っており、甲子園を狙う。

愛媛

◎小松 ○聖カタリナ学園 ▲松山聖陵 △済美 ×松山商

小松は投打の軸がしっかりしている。宇佐美監督とともに甲子園を狙う勝負年。
選抜に出場した聖カタリナは、エース・櫻井のスライダー、スラッガー・川口の打撃に注目。
ここ数年毎年結果を残している松山聖陵は3回戦で聖カタリナと激突する可能性大。覇権を争う一戦になる。
粗削りだが地力のある選手が揃った済美、左腕・松崎を中心に古豪復活の兆しを見せる松山商も候補に。

高知

◎高知 ○明徳義塾 ▲高知商 △高知中央 ×伊野商

世代屈指の右腕・森木大智を擁する高知、洗練された野球で隙を見せない明徳義塾のガチンコ勝負。春季大会で手の内を見せて制勝した高知と、エース左腕・代木を温存した馬淵明徳。この差がどう出るか。
馬淵監督に徹底的に研究され尽くしてそうだが、森木のポテンシャルに期待して高知を本命に推す。
打線に力がある高知商、タレント豊富な高知中央、古豪の伊野商を3番手以降にチョイスした。

福岡

◎九州国際大付 〇福岡大大濠 ▲東福岡 △西日本短大付 ×真颯館

選抜ベスト8の福岡大大濠を差し置いて、九州国際大付を本命に据える。柳川、山本の右腕二枚看板は全国屈指のポテンシャル。打線もどこからでも長打が期待できる。
福岡大大濠も毛利と川上のバッテリーは全国屈指。馬場や森本など2番手以降の投手が毛利の負担を軽減できるか。
2強以下は混戦。監督交代を経て上り調子の東福岡、西日本短大付はともにタレント揃いで一発に期待。真颯館はそろそろブレイクしてもいいはず。エース左腕・松本の奮闘に期待。

佐賀

◎佐賀北 ○東明館 ▲佐賀学園 △敬徳 ×唐津商

佐賀北は大型左腕・荒谷の制球がまとまればおもしろい。2年前の甲子園を経験した中村と投打でチームを牽引する。
東明館は秋、春と県大会を制した。主将であり捕手であり、救援投手でもある加藤の大車輪の活躍に期待。組み合わせはやや厳しいところに入ってしまったか。
3番手以降には前哨戦のNHK杯を制した佐賀学園、近年県大会で結果を残している敬徳、左腕・原に注目が集まる唐津商を挙げる。

長崎

◎大崎 ○長崎商 ▲創成館 △長崎日大 ×長崎西

秋季九州大会を制した大崎の経験値に期待。春以降結果が出ていないが、本番の夏では仕上げてくると予想。坂本、勝本の左右の二枚看板を捕手の調が丁寧にリードする。
逆側の山にいる長崎商は、制球力の良い右腕を毎年輩出する高校。今年も城戸、田村の両右腕と堅実な守備で勝負。
創成館は大型左腕・鴨打など、ポテンシャルの高い選手を揃える。大崎との3回戦が大会を占う一戦になる。
結果を安定して残す長崎日大と、有力校不在のブロックから秋ベスト4の長崎西をチョイスした。

熊本

◎九州学院 ○東海大熊本星翔 ▲熊本工 △有明 ×城北

九州学院はエース・山田の角度のある投球に注目。山田を含め3枚の左腕で勝ち抜く。野手は2年生が中心。勢いに乗れるか。
東海大熊本星翔は秋、春の県王者。破壊力のある打線でライバルたちを圧倒する。
しぶとい打線と継投で勝ち上がりそうな熊本工、昨夏活躍したバッテリーが健在の有明、右腕・永谷が存在感を発揮している城北も候補になる。

大分

◎明豊 〇柳ヶ浦 ▲津久見 △大分舞鶴 ×藤蔭

選抜準優勝の明豊が優勝候補最右翼。京本、太田、財原と異なるタイプの投手を揃えており盤石。近年は夏の甲子園出場を逃しているので今年こそは。
2番手以降は混戦。柳ヶ浦は右腕・東江を中心とした投手力が持ち味。唯一今季の明豊に土をつけている津久見も投手力がウリ。打線に磨きをかけている大分舞鶴、夏に仕上げてくる藤蔭も侮れない。

宮崎

◎宮崎日大 ○宮崎商 ▲延岡学園 △日南学園 ×宮崎南

力のあるタレントが揃った宮崎日大を本命に据える。捕手・大山は強肩強打の扇の要。エースの古谷が復調すれば頂点を狙える。
選抜を経験した宮崎商は、日高、長友の両右腕が安定している。西原を中心とした打線も、堅実に得点を重ねる力がある。
秋、春の準優勝校である延岡学園は須藤、佐藤の両左腕と強力打線が光る。春の王者・日南学園も田中、黄と2年生右腕の充実ぶりが目を引く。宮崎南も含め、好投手を複数揃えた高校が多く、投手起用がキーになりそう。

鹿児島

◎樟南 ○神村学園 ▲鹿児島実 △鹿児島城西 ×鹿屋中央

好左腕が目白押し。左腕の輩出に定評のある樟南は、制球力とキレで勝負する西田が柱。打線の援護次第で頂点が見える。
神村学園は馬力のある泰と2年生の内堀の両左腕が成長著しい。
鹿児島実には赤嵜、鹿児島城西には津波と、2年生左腕の活躍が浮沈のカギを握る。
鹿屋中央は機動力を生かした攻撃が武器。峯山の投打にわたる活躍に期待。

沖縄

◎興南 ○具志川商 ▲沖縄尚学 △八重山 ×沖縄水産

出場力を買って興南に本命を打つ。エース左腕・山城、右腕の大山を島袋コーチが支える。
21世紀枠で選抜に出場した具志川商は甲子園での経験が大きい。春季九州大会では県外の強豪を撃破し優勝。新川、粟国が投打で活躍する。
身体能力の高いタレントが揃う沖縄尚学も侮れない。3強を追うのは昨夏の大会を制した八重山と上位常連校の沖縄水産だ。

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