
2025年J2第2節 大宮アルディージャ×ヴァンフォーレ甲府 プレビュー
開幕戦を勝利で飾った甲府と大宮が第2節で激突。
最も大宮の試合を観ている甲府サポ(自称)としてプレビューなるものを初めて書くことにしました。
過去の対戦成績

これまでは甲府から見て21勝9分24敗とほぼ互角。
直近5戦は4勝1敗、近年は甲府が得意にしているイメージ。
ただ最後の対戦は2023年。大宮はそれからの1年で完全に別のチームへと生まれ変わっているので注意が必要だろう。
予想スタメン

甲府は開幕戦と同じ11人と予想。鼻を負傷した宮崎は重傷ではないと信じたい。
予想が難しいのは平塚・林田、大島・鳥海の立ち位置。
開幕戦では平塚と大島が右、林田と鳥海が左でスタートしたが、試合途中で左右を入れ替えた。
大宮はCB市原がU-20代表に召集されていて不在、今節も濱田が代役を務める。左ストッパーは開幕戦先発の下口ではなく、期待を込めて浦上仁騎。
心配なのは1トップ。開幕の山形戦でラッソが負傷。交代で入った藤井が決勝ゴールを挙げたが、藤井は切り札に取っておきたい気もする。
1トップを藤井にするか、1トップを豊川にしてシャドーにカプリーニや谷内田を入れるか。長澤監督の選択でゲームの展開が変わりそう。
注目ポイント
甲府視点で守備/攻撃に分けて書いていく。
守備
・高さのあるセットプレーに注意
→ 山形は2失点ともこれ。アルトゥールシルバのミドル一発も怖い。
・ビルドアップを阻害する
→ 山形のハイプレスに対し、大宮のビルドアップは機能していなかった。
笠原か濱田が杉本健勇かDFラインの背後に送る、ガブリエウが縦パスを差し込む、ほぼこの3パターン。今季の甲府の前線には守備のうまい選手が揃っている。大宮の選択肢を制限したい。
・杉本健勇と必ず競りあう
→ 困ったら健勇。それでもキープしてしまう健勇。展開力のある健勇。
ただ競り合えば健勇からのボールの質は落ちる。くれぐれもフリーでボールを受ける状況を作ってはいけない。
・ガブリエウの縦パスを狙う
→ 想像以上に質の高いパスが出てくる。
他の選択肢を消したうえで、ガブリエウから中盤2人や豊川に出す楔のパスを林田か平塚がカットできたら最高。
・豊川を捕まえる
→ 大宮は1トップが右に流れて、右シャドーの豊川が空いた中央になだれ込んでくる形が厄介。甲府守備陣は味方と連携を取って隙をつくらないようにしたい。

・大島とマテウスレイリアのポジションチェンジ
→ 2人とも「1トップもできるシャドーの選手」という印象。
レイリアが左に流れて大島が1トップ、あるいはその逆、または2人が最前線で並ぶ形もありそう。濱田・ガブリエウともに対人への意識は高いので、状況に応じて柔軟に可変して食いつかせ、鳥海や宮崎が仕事をできる空間を創り出したい。
・宮崎純真の立ち位置
→ 大宮は杉本健勇に一旦ボールを預けがち。その際は左WBの泉が必ず高い位置を取りたがろうとする。
ピンチの裏にはチャンスあり。そこでボールを奪えれば、宮崎が無双するスペースが泉の裏に広がっているはず。

注目選手
甲府:小出 悠太

帰ってきた統率者。加入即キャプテンも納得。
ラインコントロール、カバーリング、駆け引き、フィードのすべてがハイレベル。昨季本職不在だった甲府のDFラインに安定をもたらした。
注目ポイントにも書いたように、大宮の前線も流動的。小出のリーダーシップで他のDFを巻き込んで守りたい。
他には大島とマテウスレイリアの献身的な守備に注目。山口戦は小出や土屋もよかったけど、前線の守備も偉すぎた。FWの仕事はゴールを奪うことだけではないことがよく分かった試合。
大宮:ガブリエウ

なぜJ2にいるんだ?と思ってしまうスーパーなCB。こちらも加入即キャプテン。
山形戦では相手エースのディサロを完全に封じた。対人、対空ともにJ2トップクラス。
攻撃面でも精度の高い縦パスを差し込み続けた。横浜FC時代は福森がいて目立たなかったが、こんなにいいパス出せる選手だったのか!と驚き。
注目ポイントにも書いたように、ガブリエウの縦パスを狙って刈り取りたい。
他にはベンチにいる関口凱心に注目。山梨学院大出身の2年目、右サイドを中心に後ろどこでも守れるタイプ。
山形戦では後半途中から右WBとして投入され、対面の坂本を完封。攻め上がりのタイミングも目を見張るものがあった。今季ブレイクの兆しあり。
余談 ~両チームの歴史と個人的な想い~
現在社長の佐久間さんが甲府に来て16年以上が経ちました。この間の甲府は佐久間さんが「大宮で叶えられなかった夢の続き」に取り組んでいる印象です。
その流れで招聘したのが三浦俊也であり、吉田達磨、伊藤彰、渋谷洋樹、そして今の大塚真司監督、中村順テクニカルダイレクターです。
ピム・ファーベークの流れを汲み、守備はゾーンディフェンス・攻撃はポジショナルプレーを志向する指導者たちのもと、甲府は成長してきました。
一方の大宮は、佐久間さんが去ってからは「堅守速攻」という軸に、その時々の監督の色を足すチームづくりをしてきた印象です。今の長澤監督は「走ること」「闘うこと」にフォーカスしたサッカー。原点回帰ともいえる人選です。
そんな折にチームを買収したのがレッドブルグループ。高い位置から積極的にプレスをかけ、ボールを奪って速攻に転じるスタイルを世界中で展開しています。
(思いのほか大宮の歴史に寄り添う姿勢を見せていて好感)
大宮がこれまで取り組んできた「堅守速攻」に磨きがかかるイメージで、これからJリーグを席巻するチームになるはず。
ということでこのカード、佐久間さんvsレッドブル だと思っています。がんばれ佐久間さん。
…そんな歴史を差し置いても、故郷のチームといま住んでいる街のチームが対戦する、これ以上に熱くなるカードはありません。
両チームに負傷者が出ない好ゲームを期待します。できれば甲府勝ちで!