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観戦記⑫

12回目は引き続き、國學院大學たまプラーザキャンパスグラウンドから東京都リーグ第12節山梨学院大学対國學院大學の一戦。
念願だった山梨学院大学の試合を見ることができた。

1.スタメン

山梨学院大学

スタメン
GK 1.鬼塚 駿【アスルクラロ沼津U18】2年
DF 22.中根 悠衣【山梨学院高校】2年
DF 5.一瀬 大寿【山梨学院高校】2年
DF 3.フォファナ マリック【尚志高校】4年
DF 13.吉田 泰授【尚志高校】4年
MF 8.平田 和也【帝京第三高校】4年
MF 4.宮川 将一【帝京第三高校】4年
MF 10.若谷 拓海【西武台高校】4年
FW 14.平河 悠【佐賀東高校】3年 *FC町田ゼルビア加入内定
FW 32.吉長 由翔【成立学園高校】1年
FW 25.中田 開人【成立学園高校】2年

ベンチ
GK 51.高橋 クリス【西武台高校】3年
DF 31.加藤 佑太郎【東海大学付属高輪台高校】1年
MF 26.秋元 琉翔【栃木SC U18】2年
MF 7.関口 凱心【西武台高校】3年
MF 36.山田 翔遥【明秀学園日立高校】1年
FW 11.カメヤ コウジ【帝京第三高校】4年
FW 35.平田 流衣【川崎フロンターレU18】2年

國學院大學

スタメン
GK 12.眞方 大輔【鹿島アントラーズユース】4年
DF 3.桶作 拓海【星稜高校】3年
DF 13.秋山 洸瑠【湘南ベルマーレU18】2年
DF 16.成田 翔紀【横浜F・マリノスユース】2年
DF 24.永川 遼【滝川第二高校】2年
MF 6.松川 隼也【三菱養和SCユース】4年
MF 15.麻生 哲平【昌平高校】2年
MF 18.小山 蒼太【専修大学松戸高校】3年
FW 10.西原 貴史【横浜FCユース】4年
FW 9.麻生 竜ノ介【佐賀北高校】4年
FW 20.大澤 昌也【鹿島学園高校】2年

ベンチ
GK 1.鈴木 康洋【尚志高校】3年
DF 2.貞廣 大輔【柏レイソルU18】4年
DF 4.真家 元彦【柏レイソルU18】4年
MF 5.福田 隼也【尚志高校】3年
MF 30.磯 丈成【三菱養和SCユース】1年
FW 7.熊田 柊人【鹿島アントラーズユース】4年
FW 8.宮原 和【山梨学院高校】3年

2.試合展開

國學院大學のキックオフで始まった一戦。
第一試合同様に強風の中で始まったが、立ち上がりから風上の國學院大學が押し込む流れとなる。
7分にはカウンターから最後は麻生哲平選手がシュートを放つも決まらず。
12分にも一瀬選手のミスを突き、麻生竜ノ介選手が抜け出しGKと一対一を迎えるが鬼塚選手が防ぐ。
直後に大澤選手が中央をドリブルで運びシュートを放つが再び鬼塚選手が防ぐ。
山梨学院大学は國學院大學のテンポの良いパスワークの前にリズムを掴めずにいたが15分過ぎから徐々にボール保持の割合が増えていく。
19分には左サイドから中田選手がカットインしてミドルシュートを放つが眞方選手が防ぐ。
山梨学院大学が巻き返していくかに思われたが、先手を取ったのは國學院大學。
25分に右サイド抜け出した成田選手のクロスに麻生竜ノ介選手が合わせて先制に成功する。
國學院大學のペースで進むかに思われたが、28分に衝撃のゴールが生まれる。
28分に平河選手が右サイドからドリブル突破で中央に侵入すると左足でミドルシュートを放つとゴールに吸い込まれる。
一人で局面を打開し、一人で得点まで決めてみせた。
34分に山梨学院大学が逆転に成功する。
右サイドからボールを運ぶと若谷選手が相手を引き付け、中田選手へラストパス。
GKとの一対一を制す。
アディショナルタイムには平河選手からのFKに一瀬選手が合わせるが、枠外へと外れ山梨学院大学がリードして前半を終える。
後半開始から國學院大學は松川選手に代えて福田選手を投入する。
立ち上がりは共にチャンスが作れない展開となるが、プレーが途切れず見応えのある展開となる。
60分には國學院大學が左サイドからのFKでハンドを誘いPKを獲得する。
キッカーは麻生竜ノ介選手。
落ち着いて右隅に決めて國學院大學が同点に追いつく。
65分に國學院大學は西原選手に代えて宮原選手を投入する。
70分には山梨学院大学が2人の交代を行う。
吉長選手、中田選手に代えてカメヤ選手、関口選手を投入する。
この交代で山梨学院大学は433に変更。
カメヤ選手、若谷選手、平河選手が前線に入り宮川選手がアンカーを務めることとなる。
すると直後にこの交代が成功する。
右サイドからクロスを上げると國學院大學は一度クリアするが、こぼれ球を関口選手がボレーシュートで合わせると再び勝ち越しに成功する。
73分には國學院大學がチャンスを作る。
右サイドからのクロスに宮原選手がフリーで合わせるが、枠を捉えれず。
76分には國學院大學が成田選手に代えて貞廣選手を投入する。
続けて78分に小山選手に代えて磯選手を投入。
80分には起用した磯選手にチャンスが訪れる。
桶作選手が右サイドからクロスを入れると磯選手が合わせるが、これも枠を外れてしまう。
82分には山梨学院大学もチャンスを作る。
左サイドからのクロスにカメヤ選手がヘディングシュートを放つが眞方選手が防ぐ。
85分に國學院大學が桶作選手に代えて真家選手を投入。
87分には山梨学院大学が若谷選手に代えて加藤選手を投入し、5バックに変更して守りを固める。
このまま山梨学院大学がリードを守り切り、勝利を収めた。

3.注目選手

山梨学院大学

1.鬼塚 駿
抜群の反射神経を誇るGK。
結果的に2失点したものの鬼塚選手で無ければ何点取られていたかわからない試合展開であった。
シュートセーブだけでなく、ハイボールの処理も安定感があり安心してゴールマウスを任せられる選手だ。
また、キック力もあり攻撃の起点ともなれるだけにチームとしてGKを積極的にビルドアップに加えても良さそうだ。

3.フォファナ マリック
尚志高校時代にはチームを高校サッカー選手権ベスト4に導き、優秀選手にも選ばれているCB。
対人や球際の強さは高校時代から健在であり、加えて賢さも身に付いた印象を受けた。
身体能力が高い選手にありがちな無理に相手にアタックして無駄なファールを与えるようなことも見られなかった。
また、強烈な風下の前半には風を考慮に入れながらのロングキックを入れたりと攻撃面でも良さを見せた。
ビルドアップではミスが多そうだが、見えているが精度を欠いたことが多く改善できた時には武器とできそう。
Jリーグ入りしてもおかしくない選手だ。

4.宮川 将一
帝京第三高校時代にはCBでプレーしていたが、今節はボランチとして高校時代からの同僚である平田選手とコンビを組んだ。
地味で目立たない選手だが、コツコツと必要なことをこなせる選手でありチームに無くてはならない存在。
ボールを繋ぐ際に細かいミスでボールを失うことが目立ったが、この技術的なミスを減らせれば選手としての価値は増していきそう。
ボランチから後ろはどこでもこなせる選手のため、使い勝手の良い選手でもある。

5.一瀬 大寿
昨年、山梨学院高校の全国優勝に貢献したCB。
今シーズン開幕前には甲府のキャンプに参加し、シーズンが始まってからも甲府の練習に参加と甲府サポーターとして動向が気になる存在。
187cmの長身を活かしたヘディングに加え、ビルドアップの上手さは健在であった。
だが、今すぐプロ入りという圧倒さは見られず、現状は特大なポテンシャルを抱えているに留まっている。
まだまだ伸びしろは豊富な選手なため、次に見る時にどのくらい成長しているか楽しみであり、アカデミー出身者でもあることから甲府でプロ入りして欲しい。

10.若谷 拓海
山梨学院の王様。
このチームはこの選手を中心に回っていると言っても過言では無い。
ほとんどの攻撃は若谷選手から始まっており、若谷選手さえ抑えれば山梨学院の攻撃は手詰まりとなるのではないか。
イマジネーション豊富な選手であり、それを現実に成功させることができるテクニックと左足のキックの精度を持ち合わせている。
充分にJリーグで通用するタレントだと思うが、守備の強度や王様以外の使い方で輝けるか未知数な点もある。
それでも持っている魅力はその不安点をも凌駕するものだ。
シャドーで起用できるチームは面白いのではないだろうか。

14.平河 悠
来シーズンからのJ2町田への加入が内定しており、既に出場だけでなく得点も決めているアタッカー。
今節は目立つ機会はあまり多くは無かったが、インパクトは絶大であった。
28分の得点シーンは会場の雰囲気、試合の流れを一変させた。
それだけ影響を与えられる存在感はまさに異次元。
オフボールの存在感が出てくるとより恐い選手となっていくだろう。

國學院大學

8.宮原 和
山梨学院高校出身のテクニシャン。
自身で仕掛けることも周りを活かすこともでき、途中出場から流れを変えた。
足元の技術、パスセンス溢れる選手であるだけに貪欲にゴールに迫れる選手となれると今後楽しみな存在となりそうだ。

9.麻生 竜ノ介
小柄ながら万能型のストライカー。
裏抜けあり、ライン間に引いて来て起点ともなれる。
ゴール前に入っていく上手さもあり、サンフレッチェ広島で活躍した佐藤寿人選手を彷彿とさせた。
気候の問題もあったかと思うが、後半足が止まってしまいチームも勢いが止まってしまった印象も受けた。
チームの象徴であり、麻生選手の活躍が國學院大學の勝利には必要不可欠である。

13.秋山 洸瑠
ビルドアップ能力に長けた左利きのCB。
DFラインからゲームを作れる選手であり、パスを捌くだけでなく相手が出てこなければ持ち運び相手を動かすこともできる。
CB以外にもボランチやSBでもプレーできそうな選手である。
湘南ベルマーレ出身の選手であるが、湘南の3バックの左で活躍できるイメージが沸いた。

15.麻生 哲平
ライン間で起点となる上手さを持った選手。
昌平高校出身らしくテクニックに優れ、ドリブルで仕掛けることもできる。
上手い選手だが、得点に絡みそうな雰囲気は無かったことは今後の課題か。
上手さをよりゴール前で発揮できたら名前が売れていく選手となりそうだ。

20.大澤 昌也
現在J3愛媛FCでプレーしている大澤朋也選手の双子の兄。
鹿島学園ではボランチでもプレーしていたが、サイドでより本領を発揮できそうだ。
スピードと推進力あるドリブルを武器としており、高温で条件の悪い試合ながら90分通して足は止まらない運動量も魅力。
一方で多くのチャンスがありながらシュートはほとんど枠に飛ばず、決定力には課題を抱えている。
決定力が付いてくれば次のステップに進める選手となれるだろう。

24.永川 遼
秋山選手同様ビルドアップが上手いCB。
秋山選手よりも大きな展開も出来、正確なフィードを持っている。
空中戦にも強くボール保持にこだわらないチームでも活躍できそうだ。
秋山選手とのCBコンビの今後が楽しみである。

4.あとがき

第一試合も魅力的な試合であったが、この試合のほうがレベルは高かったかと思う。
だが、あまりにも暑くこの条件下での試合はあまりにも酷であった。
より良い条件でこの両チームの試合をまた見たい。

よりコンディションに苦しんだのは山梨学院大学の方であったかと思う。
90分通して元気が無く、動けていない印象も受けた。
それでも勝ちきれるだけのタレント力は魅力的である。
このチームからは複数のJリーガーが誕生するだろうと感じ、今後また見てみたい。

國學院大學は良い意味で驚かされた。
サッカーが判定競技であれば勝っていたのは國學院大學だっただろう。
魅力的なサッカーを見せており、試合を通して主導権を握っていた。
だが、決定力の差で敗れてしまった。
今後の成長に期待したいのと欠場していた岡田遼平選手の存在に期待したい。
山梨学院高校時代から期待しているストライカーなら決定力という課題は解消できるかもしれない。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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