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メカニックの原点──がむしゃらに走った日々と今

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今朝も営業開始前はEJ20エンジンの分解からスタートした。他のメカニックがいない静かな工場で、工具の音だけが響く。エンジンと向き合うこの時間は、いつも特別なものだ。

朝活

エンジンはまさに自動車の「心臓」。メカニックとして、この心臓を分解し、組み直し、再び鼓動させることには独特の達成感がある。整備士の中でもエンジンオーバーホールの経験を持つ者は少ない。日常の業務では、そこまで深くエンジンに踏み込む機会がないからだ。だからこそ、エンジンを組めることは一種のステータスでもあり、自分にとっての誇りでもある。

ふと昔の自分を思い出す。エンジンチューナーに憧れていた頃。そんな過去の自分が、今こうしてエンジンと向き合いながら仕事をしている。成長した実感とともに、その喜びを噛みしめる時間だった。

その後、昨日に続きマークXの試運転へ。試運転もまた、特別な時間だ。机上で考えるだけではわからない「答え」が、実際に車を走らせることで見えてくる。営業開始後も試運転が続く。作業は他のメカニックに任せることが増えたが、最終チェックは必ず自分で行うようにしている。特に新人メカニックの作業には、途中経過の確認を挟みながら、触ったボルトの締め忘れがないか入念にチェックする。実際はそんな確認が不要なほど、彼らはしっかり仕上げてくれるが、油断はできない。

マークX
GRカローラ

逆に、長距離の試運転は他のメカニックに任せ、自分は次の作業に移ることもある。今日の試運転車両の中には、シビック タイプR EK9があった。EK9に乗るのは久しぶりだが、シビックには特別な思い入れがある。

昔、地元で乗っていたEG6シビック。2台持っていたうちの1台はボルトオンターボ仕様、もう1台は戸田レーシングの1.8Lキットを組んだNA仕様だった。特に1.8L仕様の方は、サイド管マフラーで暴走族の様に走っていて、周囲には相当迷惑をかけたと思う。今となっては反省しているが、当時の自分にとっては全てが必死だった。がむしゃらに走り、チューニングの楽しさと限界を知り、エンジンを学んだあの時間は、今の自分の基礎になっている。

いつもツナギにスリッパを履いていた
デートもこの格好
青春

そう考えると、若い頃の経験というのは無駄ではないのだろう。過去の自分に感謝しながら、今日もまた車と向き合う一日だった。

ワンオフのサイド管
暴走族
33は最高速とサーキット

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